第9地区(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『第9地区』は、作品賞も含め4部門のアカデミー賞にノミネートされたSFアクション映画だ。
製作は『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン。
ある日突然上空に現れた宇宙船。中には衰弱したエイリアンたちがいた。人類はそのエイリアンたちを「第9地区」と呼ばれるスラム地域に隔離する。
映画にはCGもふんだんに使われ、銃などによる戦闘シーンも迫力満載。SFアクション映画として十分楽しめるが、映画に出てくる「第9地区」はアパルトヘイトを彷彿とさるなど、数々の社会批判も映画の見どころだ。

『第9地区』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ヴィカスの腕がエイリアンに変わる

看護師が包帯を取るとヴィカスの腕はエイリアンの腕になっていた

左腕にケガをして包帯をしていたヴィカス。第9地区から自宅に戻るが倒れてしまう。妻のタニアに連れられ病院に行き、看護婦がその包帯を外すとヴィカスの腕はエイリアンの腕に変わっていた。
このシーンでヴィカスがエイリアンに変身していくことが、はっきりとわかる。

ヴィカス「子どものことを考えろ」

クリストファーの息子リトルCJ

MNUに乗り込み、仲間のエイリアンたちが無残な姿となっているのを見たクリストファーは、我を忘れ怒りに任せ銃を乱射。すぐに逃げなければならない状況を忘れているクリストファーにヴィカスがかける言葉。これでようやくクリストファーは我に返る、という名言だ。

パワードスーツ装着のヴィカス

ヴィカスが装着したエイリアンのパワードスーツ

MNUやギャングに追われ絶体絶命のヴィカスの前に、リトルCの遠隔操作により現れたパワードスーツ。それに乗り込んだヴィカスはそのまま逃げようとするが、目の前でMNUに捕らわれていたクリストファーを見捨てることができず、クリストファーを助けるために踵を返す。
エイリアンをバカにし自己中心的なヴィカスだったが、エイリアンに姿が変わっていくうちに、優しさを持ち始めたという皮肉のようなシーンだ。

廃材で作った造花

廃材で作られた造花

エイリアンの姿になったヴィカスが、妻タニアの住む家の玄関先に廃材で作った造花を置いていく。その造花を見つけたタニアは、ヴィカスが置いていったものだと信じるかのように、それをそっと家に飾る。
第10地区ではエイリアンの姿のヴィカスが、廃材で造花を作りながらクリストファーが戻ってくるのを待っているというシーンで本作は終わる。

『第9地区』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

元ネタは短編映画『アライブ・イン・ヨハネスブルグ』

映画『アライブ・イン・ヨハネスブルグ』

わずか6分ほどの2006年の映画『アライブ・イン・ヨハネスブルグ』が元ネタ。内容はほぼ『第9地区』と同じで、『第9地区』の主人公、ヴィカスを演じたシャールト・コプリーも出演している。

エビと呼ばれるエイリアンの姿の元ネタは「Parktown Prawn」というバッタの一種

エイリアンは「エビ」と呼ばれグロテスクな姿をしているが、その元ネタはヨハネスブルグに生息する「Parktown Prawn」という巨大バッタの一種だった。大きさは10センチくらいで1メートルも飛ぶというので、まさにジャンプで跳ね回るエイリアンと同じだ。映画のエイリアンのように体から黒い液体を出すことでも知られている。

『第9地区』の主題歌・挿入歌

ツォツィのサントラ

『ツォツィ』はヨハネスブルグの旧黒人居住区ソウェトを舞台に、アパルトヘイト廃止から10年以上経ってもまだ残る、人種差別や格差について描いた2005年の映画。この『ツォツィ』のサントラに入っている、ソウェト出身の歌手Zola(ゾラ)の曲が『第9地区』で使われている。

OP(オープニング):Zola(ゾラ)『Zingu 7(ジング7)』

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