AQUA・ARIA(アクア・アリア)のネタバレ解説・考察まとめ

『AQUA』『ARIA』とは天野こずえによる漫画、およびそれを原作としたアニメである。『AQUA』『ARIA』合わせて全14巻。過去3度アニメが放送され、2015年には映画化もされている。
ネオ・ヴェネツィアを舞台として水無灯里が一人前の水先案内人(ウンディーネ)を目指してたくさんの人との出会いを経て成長していく物語である。景色の描写がとても綺麗で登場人物全員がとてもいい人なのが特徴である。また日常のほんのちょっとした幸せに焦点を当てた作品であるため、読む人の心を癒す作品となっている。

ネオ・ヴェネツィア上空の浮島にある気候制御装置を使って火星の季節や温度の調整をする仕事を行う人。本来の火星はとても寒いため、炉から大量の熱を放出することで天気や季節などの調整を行っている。地球と違い、手動で制御を行っているため、残暑があったりするなど若干のずれがあるのはご愛敬。作中では暁がその仕事に携わっている。

地重管理人(ノーム)

アクアの重力を調整する仕事を行う人。火星の重力は地球の重力の1/3と小さいため、重力石を使って地球と同じ重力になるよう調整を行っている。重力石とは火星に移住するにあたって開発され、一粒でとても大きい質量を持った特殊な石である。その重力石をパイプを使ってアクアの中心部に流し込んでいる。集中ターミナルにはパイプオルガンのような機械があり、その機械を動かすことによって重力石をアクア全体に流し込んでいる。その機械を動かすときは、とても不思議な音色を奏でている。作中ではアルバート・ピットがその仕事に携わっている。

風追配達人(シルフ)

エアバイクに乗って様々なものを配達する仕事を行う人。ネオ・ヴェネツィアと浮き島は道が複雑になっているため車を一切使うことができない。そのため風追配達人はネオ・ヴェネツィアにおいて必要不可欠な仕事となっている。作中では綾小路51世がその仕事に携わっている。

水先案内店

ARIAカンパニー

灯里、アリシアが勤めている会社。天地秋乃(グランドマザー)が姫屋から独立して開業した。小規模経営を行っている。建物は3階建てで、1階が店、2階が事務所、3階(屋根裏)が従業員の個室となっている。この個室が新人に代々譲り渡すのが慣習となっている。アリシアの引退後は灯里が経営権を引き継いでいる。社長はアリア社長。

姫屋

藍華、晃が勤めている老舗の店舗。グランチェスタ家が経営しており、藍華はその娘である。会社設立当初は従業員数が10名であったが、その後大きく発展し、100年以上ウンディーネ業界のトップに位置している。ウンディーネ全員に個室が与えられており、キッチンも用意されている。社長はヒメ社長。

オレンジぷらねっと

アリス、アテナが勤めている会社。イメージカラーはオレンジ。これは火星を象徴した色である。会社設立当初から売り上げが上位に位置し、現在は業界トップの売上を誇っている。その要因としては格安プランと24時間の予約受付システムがあるためである。またスカウトも行っており、アリスはこれで入社している。部屋は相部屋となっており、2人で1部屋を使っている。社長はまぁ社長。

『AQUA』・『ARIA』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

アリシア「失敗や寄り道をしなきゃ見つからないものもあるってお話」

アリシアのとっておきの場所ではなかったが、灯里とアリシアは素晴らしい景色を見ることができた。

『ARIA』3巻第12話「満開の森の桜の下」でアリシアが灯里に伝えた名言。
アリシアは灯里にとっておきの場所があるからピクニックに行こうと誘う。道中に2本の分かれ道があるが、アリシアはどちらにあったかを覚えていなかった。すると灯里が運に任せて道を選ぶ。しかしなかなかとっておきの場所にたどり着けない。灯里は近くに見えた木まで行こうと提案する。すると大きな桜の木と古い電車の車両が見えたのである。電車の中に入ると抜けた天井から桜の木が見え、床には辺り一面に花びらがじゅうたんのように広がっていた。アリシアのとっておきの場所ではなかったとはいえ灯里とアリシアは素晴らしい景色を見ることができた。灯里はアリシアに自分が間違えたせいでアリシアのとっておきの場所に行けなかったことを謝る。するとアリシアはある旅人の話をする。その旅人は師匠から「求めるものを手に入れるためには絶対道を見失ってはいけない。求めるものが見つからなくなるから」と言われる。しかし道を見失ってしまう。それでも道を見失ったため、求めているもの以上の景色を見ることができたのである。アリシアはこの話から、失敗しないと見えない景色もあるということを灯里に伝えたかったのである。失敗を恐れる気持ちは誰にでもある。しかし失敗するからこそ得られる学びや経験があるということを気づかせてくれる名言である。

灯里「その人が嘘モノと感じるなら、それはその人にとっては嘘モノなんでしょう。人の価値観は十人十色ですもんね。でもあなたが嘘モノだと言われて傷つくのは、貴方のネオ・ヴェネツィアンガラスに対する思いが本物で大切なモノだからですよ」

ヴェネツィアンガラス職人の下で働く従業員の思いに寄り添う灯里。

『ARIA』6巻第27話「ヴェネツィアンガラス」で灯里がガラス職人で働く従業員に伝えた名言。
灯里がガラスの運搬をしてほしいという依頼が入る。ヴェネティアンガラス職人のもとへ向かうが、従業員は機嫌が悪い。灯里が従業員の話を聞くとみんなが頑張って作ったヴェネツィアンガラスを偽物扱いする人が多くて傷ついていたのだ。灯里は傷ついている従業員に対してこの言葉を伝えた。灯里もネオ・ヴェネツィアが大好きで、ネオ・ヴェネツィアを偽物という人がいたとしても自分の気持ちは本物だから誰に何を言われても平気だと伝えた。それを聞いた従業員は灯里のファンになったのである。自分の好きなものを持っている自分の気持ちを大切にしようと思わせてくれる名言である。

アテナ「今―――楽しいと思えることは、今が一番楽しめるのよ。だからいずれは変わっていく今を、この素敵な時間を大切に、ね」

アリシアとアテナは灯里たちに昔の思い出話をする。

『ARIA』6巻第26話「オレンジな日々」でアリシアとアテナが、灯里たちに伝えた名言。
灯里たち3人が合同練習を終えると、アリシアとアテナがココアでもてなしてくれる。アリシアとアテナが、半人前時代灯里たちと同じようにアリシア、アテナ、晃の3人で合同練習したときの思い出を振り返る。3人とも一人前になってからは3人で会う機会も少なくなり、あの時は楽しかったと振り返る。アリスは灯里と藍華の3人で会えなくなる日が来てしまうのではないかと不安になる。そんな中アテナは今の生活も満足していると伝える。アリシアたちは灯里たちに変わってゆく日々を大切にするためのアドバイスとしてこの言葉を送る。過去の思い出を振り返り、あの時は良かったと思い嘆く人が多い中で今この瞬間を大切に生きようと思える名言である。

アリシア「『違う』『違う』としかり続けていたら、アリア社長は間違えるのがだんだん怖くなって、最後には身動きできなくなっちゃうと思ったの」

Meron003f0
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@Meron003f0

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