君と僕。(君僕)のネタバレ解説・考察まとめ
『君と僕。』とは、2003年から堀田きいちが、『月刊少年ガンガン』にて連載を開始した漫画。2004年からは『ガンガンパワード』、2009年からは『月刊Gファンタジー』に移籍して連載。2011年、アニメ第1期の放送が開始され、1年後には第2期も放送している。クールな双子に真面目な学級委員、可愛い系男子と、少しお馬鹿な帰国子女。5人の男子高校生が日常の中で、少しずつ成長を遂げていく、青春×コメディー。思春期の「恋」や「友情」が、優しいタッチで描かれている作品で、知名度と比較して熱狂的ファンが多い。
『君と僕。』の概要
『君と僕。』とは、2003年から堀田きいちが、スクウェア・エニックスの『月刊少年ガンガン』にて連載を開始した漫画。2004年からは『ガンガンパワード』で連載。2009年からは『月刊Gファンタジー』に移籍したが、2015年の11月号から長期休載していた。休載理由に関しては具体的な理由が語られてはいないが、一部では堀田の病気が理由とのこと。2019年の1月号で連載再開している。単行本は2005年4月に第1巻が発売され、既刊15巻である。2011年、テレビ東京他でアニメ第1期の放送が開始され、1年後には第2期も放送している。アニメの監督を務めた神戸守は、ドラマ化もされたアニメ『すべてがFになる』や『約束のネバーランド』なども監督している。
メインのストーリーは、要、悠太と祐希、春、千鶴の脱力的な高校生活を描いたものだが、単行本には、彼らの高校の教師である晃一とその友人のあきらが学生だった時のストーリー『あきらとこーちゃん編』や、千鶴を除く要たち4人の幼稚園児時代『陽だまり幼稚園編』も収録されている。ちなみに、晃一とあきらが通っていた高校は、要たちと同じ穂稀高校で、晃一は母校で教師をしている。あきらも、文化祭のシーンで本編に登場している。また、晃一とあきらは学生時代、職業体験で陽だまり幼稚園に行っており、そこで幼稚園児だった要たちにも会っている。アニメ版でもこれらの背景は描かれており、1つのストーリーとして紡がれている。
「恋心」や「友情」だけでなく、思春期特融の「苛立ち」や「やるせなさ」なども、優しくふわりとしたタッチで描かれており、アニメ第2期が終わっても熱烈なファンが多い、所謂隠れた名作である。何事にも基本無気力だがスペックは異常に高い祐希、彼を支える冷静で大人びた双子の兄悠太をはじめとして、それぞれの登場人物が青春漫画好きにはたまらないキャラクターであり、それも根強いファンが多い理由である。
『君と僕。』のあらすじ・ストーリー
第1期
17回目の春を迎えた4人組
4人組の幼馴染、塚原要(つかはら かなめ)、浅羽悠太(あさば ゆうた)、浅羽祐希(あさば ゆうき)、松岡春(まつおか しゅん)は17回目の春を迎え、穂稀高校(ほまれこうこう)の2年生になった。
何事にも無気力・無関心なところがある祐希は新しいクラスにて周りと馴染めない。そんな祐希を見かねた要を筆頭に悠太・春は、祐希に足りないやる気を補う為に部活動をさせる事にする。だが彼の性格のせいで、なかなか合う部活が見つからない。終いには、春や兄である悠太が所属する茶道部にて趣味の漫画を読み出す始末。だがそこで彼らは漫画研究会(略:漫研)にはまだ見学に行っていない事に気づく。祐希を漫研に連れて行く要。無理やり連れ回されている状態となっていた祐希を心配した春は、彼に「要の事を怒っているか」と尋ねる。だが、要がクラスに馴染めない自分を心配しているだけなのだと祐希もきちんとわかっていた。
そうして訪れた漫研。だが部室には誰も人がいなかった。実は漫研は、ほとんど形だけの半帰宅部だったのだ。面倒くさい活動がない事を気に入った祐希は漫研部員になる。だがこれでは当初の目的を果たせたかは微妙な為、部活探しに走り回った要の苦労は徒労に終わったのだった。
要達と昼食を取る為、屋上へ向かう春。一足先に着いた屋上で要達を待っていると、膝を擦りむいた女子生徒・佐藤茉咲(さとう まさき)が現れる。春は彼女に絆創膏を差し出すが、茉咲は「余計なお世話」と怒って逃げてしまう。しかし放っておけなかった春は、彼女を追いかけて絆創膏を渡す。
その翌日から、なぜか春は茉咲から嫌がらせを受けるようになる。理由がわからず戸惑う春。そんなある時、春と要達は1人でハードルを運び転んでしまった茉咲を見かける。近くにいた女子生徒達が彼女に手を差し伸べるが、茉咲はそれを振り払う。そこで春達は彼女が助けられるとむきになってしまう人間である事に気づく。
放課後、春を見つけた茉咲は彼に向かって石を投げるが、それは春と一緒に居た悠太に当たってしまう。流石に見てみぬフリはできなくなった春は茉咲の行動の理由を問い詰める。すると茉咲は、「どうしてあの日自分を追いかけていたのか」と逆に春に怒り出す。「感謝されるとでも思ったのか」という茉咲にショックを受ける春。だがその言葉は彼女の本心ではなかった。実は茉咲にとってあの日の出来事は、本当は嬉しくて仕方なかったのである。ただ元来の性格が邪魔をして、素直にそれを受け入れられずにいるだけだった。春は、自分のお節介を茉咲に謝る。しかしまた同じ事があったらきっと追いかける事もわかっていたので、それを素直に告げる。春の優しい言葉に心貫かれた茉咲は、顔を赤くするのだった。
転校生と要の記憶
ある日、要と祐希のクラスにドイツからの帰国子女の橘千鶴(たちばな ちづる)が転校してくる。どうやら彼は、幼い頃に祐希と出会っているらしい。だが、祐希は覚えていなかった。祐希に自分の事を思い出してほしい千鶴は、悠太と下校する祐希についていく。その道中、見覚えのあるガチャガチャを見つける。それはかつて千鶴が祐希と遊んだ筈の物だったが、ガチャガチャを貰った事を思い出したのはなぜか悠太だった。それに納得がいかない千鶴。その時、千鶴が不良に絡まれる事態が発生する。悠太と祐希は千鶴の手を取り、その場から逃げる。するとその最中、祐希の脳裏に忘れていた千鶴との記憶が蘇る。当時はまだドイツ語しか話せなかった千鶴。そんな彼と遊んでいた祐希は、その最中に千鶴に怪我を負わせてしまう。祐希は千鶴に謝りたかったが、言葉が通じない為謝れず、そのまま別れてしまう。その後千鶴は海外へ引っ越す前に、遊んでくれたお礼に祐希へガチャガチャをプレゼントしに行く。だが悠太を祐希と勘違いし、彼にそれを渡してしまう。
全てを思いだした祐希に千鶴は「謝られていたら嫌だった」と言う。数年越しの優しい返答に、気恥ずかしさをごまかすように祐希は「ドイツ語を勉強してまで謝る気はしない」と返すのだった。
ある日要は、教師の東晃一(あずま こういち)から、幼馴染である悠太達について話を聞かれる事になる。するとその最中、ある記憶を思い出す。彼がまだ幼稚園生だった頃、穂稀高校から職場体験の生徒達がやってきた事があった。中でもこういち先生と呼ばれる生徒は要が大好きなかおり先生と仲がよく、要は嫉妬から彼へちょっかいを出し始める。
そんなある日、雪が積もった事から園の皆で雪だるま作りをする事となる。要は、かおり先生と自分の雪玉を合体させる事になるが、かおり先生が雪玉を持ち上げた瞬間、体勢を崩してしまう。慌てて彼女に手を伸ばす要だったが、彼女を助けたのはこういち先生だった。悔しくてその場から逃げる要。そんな自分を心配して追いかけてきてくれたこういち先生に「自分だって先生を助けられた」と意地を張ってしまう。だが同時に、自分もいつか彼のようなかっこいい人間になれたらいいのにと考える。
己の黒歴史を思い出し、恥ずかしさから顔が熱くなる要。だが、熱くなった本当の理由が風邪であった事がその晩判明する。そんな彼を悠太達幼馴染と千鶴が見舞いにやってくる。さらにそこへ要の近所に住む幼馴染・相田日紗子(あいだひさこ)も現れ、5人は好き勝手大騒ぎを開始する。怒る要だがその実まんざらでもなく、心なしか体調も少し良くなっていたのだった。
夏祭り
夏休みが開始したある日、皆と遊びたい千鶴は春から聞いた夏祭りに皆を誘って遊びに行く事にする。すると当日、春から誘われた茉咲もその場に現れる。千鶴は初対面の茉咲のことを「メリー」と呼んでからかい、彼女と喧嘩になる。そうこうしつつも皆で祭を楽しんでいると、茉咲が春から貰ったキーホルダーを落とす事件が発生する。探索の結果、キーホルダーは射的屋の景品になっていた。茉咲達は、射的屋に事情を話すが射的屋はキーホルダーを返してくれない。仕方なく、茉咲達は射的でキーホルダーを撃ち落とす事になる。次々とメンバーが失敗するなか、どうにか千鶴が撃ち落とすことに成功する。茉咲からお礼を言われる千鶴。それまでの態度とは打って変わって素直で可愛らしい彼女の様子に、千鶴は心惹かれる事となる。
夏休みも残り僅かとなったある日、ふいに千鶴が口にした「要はいつから眼鏡をかけているのか」という疑問から、要の過去の話が千鶴達の間で話題となる。
中学生の頃、目が悪くなってきた要は眼鏡をかけるようになっていた。だがガリ勉と馬鹿にされるのが嫌で、授業中以外はかけずにいた。そんな時、悠太達に眼鏡の存在がバレる。「かけてみろ」とせがむ幼馴染達を拒んだ結果、なぜか祐希と指相撲して負けたらかけるという話に発展してしまう。だが2人の実力は互角で勝敗は決まらず、試合はそのまま放課後へ持ち越す。だがその放課後に、祐希が上級生に体育館へ連れていかれる事件が発生する。ついに祐希の態度の悪さに先輩達が怒ったのだと焦った要は、悠太を引っ張って体育館へ向かう。だがなぜか、目の前に引っ張っている筈の悠太が現れる。実は体育館に連れていかれたは悠太で、それもバレー部の見学の為に連れ出されていただけだった。さらにいつの間にか持ち越した試合が続行している事になっており、気がつけば要は祐希に手を引いた状態でテンカウントを数えられ、試合に敗北する事となる。こうして2人の前で眼鏡をかけざるを得なくなった要は、以来、ずっと眼鏡をかけ続ける羽目になったのだった。
悠太の彼女と隆之介の登場
ある日、悠太が同学年の女子生徒・高橋里奈(たかはし りな)と付き合う事態が発生する。突然の事態に祐希達は、悠太の真意を探ろうとする。2人っきりで里奈と帰る悠太を尾行するも、結局悠太にバレ、その腹の底を探る事は叶わなかった。
その翌日、悠太は里奈にCDを貸す為、彼女のクラスを訪れる。だが里奈は友人に彼と居るところを見られるのを嫌がる。ぎこちない空気になるも、その日の放課後も一緒に帰る事になる2人。とその時、里奈達の友人が里奈を馬鹿にしている会話が2人の耳に飛び込む。実は里奈は彼女達にからかわれる形で悠太に告白し、彼と付き合っていたのだ。だが実は、その事には悠太も気付いていた。彼が彼女と付き合ったのは、悠太なりに彼女を気遣っての事だったのだ。その事に気付いた里奈は、強くなろうと心に決める。そして今の自分と決別する為、悠太と別れる。後日、別れた理由を聞いてくる友人達に里奈は、「恋はそんな簡単なものじゃない」と返すのだった。
とある秋の日、祐希の元に漫研の1年生・松下隆之介(まつした りゅうのすけ)がやってくる。部活動の一環である漫画制作を祐希にして貰う為、彼に原稿を渡す松下。だが祐希は漫画を描いた事がなかった。そこで悠太達の力を借り、リレー形式で漫画を作る。だが全員の画力や好きなものの違いから、漫画はカオスな出来になってしまう。その一方で松下の方も漫画制作に悩んでいた。そこで彼は、祐希を題材に漫画を描く事を決める。実は松下は、漫研でありながら運動神経抜群で容姿端麗な祐希の事をヒーローとして崇めていたのだ。祐希を主役に色んな漫画を考えるがどれもこれも彼の雰囲気と合わず、ドツボにはまる松下。その時、校内で祐希と出会った彼は、漫画の出来具合について話す。その時、どこか眠たそうな祐希の様子に気づき、なんだかヒーローっぽくないと感じるが、それでもやっぱり祐希はどんなヒーローよりもかっこいいと、改めて思うのだった。
文化祭
文化祭の開催が近づく頃、要は生徒会役員と学級委員、2つの仕事で大忙しだった。クラスメイトからも頼られ、人一倍仕事を抱えてしまう要。そんな風にして多方面から押し寄せる仕事に追い立てられた結果、要は無理がたたって大きなミスをしてしまう。クラスの出し物に必要な暗幕の貸出申請を学校側に出すのを忘れていたのだ。だが要の事を心配していた晃一が既に申請をしていたおかげで、どうにかその問題は解決する。それでもミスはミスだと落ち込む要。そんな要を見かねてか、悠太達は残っていた要の仕事を代わりに終わらせる。要はその事に驚きながらも、自分が片意地を張りすぎていた事、たまには気を緩める事も必要であるのだと知る。
ついにやってきた文化祭当日。千鶴達は晃一の友人・あきらと遭遇する。自由奔放で遠慮のないあきらに、翻弄される千鶴達。それでも各々に文化祭を楽しみながら、千鶴達は茉咲のクラスで行われるシンデレラの劇を見に行く。ねずみ役だった茉咲は、春から声援を貰え嬉しくなる。彼女に惹かれ出していた千鶴は、それを面白くないと感じる。だが劇の最中、春が居る事で緊張した茉咲がセリフを噛む事態が発生する。恥ずかしくなった茉咲は、劇が終わると同時に皆の前から逃げてしまう。女子トイレに逃げ込む茉咲。そんな彼女を心配した千鶴は、トイレの中に入る。それに動揺する茉咲だったが、千鶴と喧嘩する元気などなかった彼女は、そのまま恥ずかしさと悔しさからその場で泣いてしまうのだった。
冬樹の彼女の登場と職場体験
ある日、祐希達が昼食を食べる場所として使っていた屋上が、ペンキ塗りたてを理由に立入禁止となってしまう。そこで彼らは食堂へ向かう。するとそこで、季節柄屋上も冷えてきたのと学食の安さから、しばらく学食で食べようかという話になる。だがコンビニパンのシールを集めていた祐希は、「学食になったらシールが集められない」と難色を示す。その結果、皆で交代制でパンを買ってシールを集める事になる。そんな中、ふとしたことで学食で働く女性・佐倉花代(さくら かよ)と祐希は知り合う。実は花代も、祐希と同じようにパンのシールを集めていた。ある時、祐希は花代から食堂のテーブルの拭き掃除を頼まれる。最初は断ろうとしてた祐希だが、シールと交換で手伝うことにする。
ある日、春が弟の冬樹(ふゆき)が忘れた物を届けに弟の通う中学校へ向かう事になる。春の弟や春達幼馴染4人組にとっても母校である中学校に興味を示した千鶴は、悠太達と共に春についていく。だがそこに居たのは、穏やかな春とは真反対の生意気な性格の冬樹だった。だがそんな冬樹には彼女がいた。彼女に会いたがった千鶴達に、冬樹は写真で勘弁して貰おうと考え携帯を取り出す。だがタイミング悪くやってきた教師により、携帯を没収されてしまう。致し方なく彼女・間宮杏子(まみや きょうこ)がいる剣道部へ向かう。だがそこで彼女と会話をした事で、冬樹は夜に彼女から電話がかかってくる事を思い出す。焦る冬樹の為、携帯回収作戦を決行する千鶴達。だが結局失敗に終わってしまう。一方杏子の方は部活中に足を捻り、保健室で湿布を貼って貰っていた。保健室から出たところで冬樹と遭遇するが、剣道着の汗の臭いを嗅がれたくないという理由から、冬樹と一緒にいるのを拒み1人先に帰る。彼女に嫌われたと思った冬樹は、ショックを受けるが、春に「相手の気持ちを考えろ」と叱咤され、杏子から湿布臭がしていた事に気づく。我に帰った冬樹は急いで杏子の後を追いかけるのだった。
学校行事から、かつて自分達が卒園した幼稚園へ職場体験に行く事になった要達。千鶴も加わり、いつものメンバーで職場体験をする事になる。だがその先で、要はそのちゃんと呼ばれる女の子とおままごとをした事で、彼女の事が好きなけんちゃんに嫌われてしまう。けんちゃんの態度に、苛立ちを覚える要。そんな時、ある問題が発生。けんちゃんがそのちゃんと仲良くなりたい一心で、おやつの時間に自分のクッキーをあげたところ、それを他の子から取ってきたものだと勘違いされてしまったのだ。やけになったけんちゃんは手当たり次第に園の子のクッキーを奪って逃げてしまう。そんな彼を心配し追いかけた要は、けんちゃんの手を引いて、そのちゃんの所へ連れていく。それにより、2人は無事に仲直りすることができたのだった。
第2期
クリスマスに向けて
クリスマスが近づく、ある雨の日。傘を盗まれ立ち往生していた茉咲を要が傘に入れてあげた事がきっかけで、2人の関係を誤解した生徒達による噂が校内中に広まる事件が起こる。2人の弁解も虚しく、噂はなかなか消えない。一方千鶴は、世間のクリスマスムードに乗ってつい茉咲への贈り物を買ってしまう。だがその最中に春への贈り物を買う茉咲と遭遇し、複雑な気持ちになる。さらに帰り道雨が降り出してきた事から、傘のない茉咲に相合傘を提案するも「勘違いされたくない」と断られ、ショックを受ける。思わず「別にメリーが誰と噂になったって春は気にしない」と返してしまい、茉咲を泣かせてしまう。
翌日の放課後、茉咲は春に贈り物を持っていく。だが、春のクラスメイト達が要への物だと思いからかう。千鶴は間に入って彼女を助ける。その最中、包装のリボンがよれてしまい、茉咲はショックからその場を去る。雨の中1人歩く彼女の後を追った千鶴は、茉咲にあげるつもりだったヘアゴムをリボンの代わりにつけてあげる。そして茉咲の背中を押し、春のもとへ向かわせる。しばらくすると、春にプレゼントを渡せた茉咲が千鶴の下に戻ってくる。そして「傘がないのなら」と自分の傘に入れてあげると、恥ずかしそうに提案する。その言葉に、千鶴は茉咲への思いが報われた気持ちになるのだった。
クリスマスイブ。鑑賞会用のDVDを借りに外へ出ていた要達は、帰り道に晃一とあきらに遭遇する。軽く談笑をした後、2人と別れる要達。すると今度は、持っていた風船が街のツリーに引っかかり泣いている少女と遭遇する。少女に頼まれ、風船を取る事になる要達だったが、そこへサンタクロースの姿をしたあきらが現れる。驚いた要達は、その拍子にツリーを倒す。ツリーの責任を取る事になった要達は、あきらと共にサンタのコスプレで街のイベントの手伝いをさせられる羽目に。手伝いを終え、ようやく家にたどり着くも、そこでDVDをイベント会場に忘れてきた事に気づく。するとそのタイミングで、晃一とあきらがDVDを届けにきてくれる。要達は大人2人を交えて、クリスマスパーティーを行うのだった。
新年の出会い
大晦日、悠太は大掃除をしていた。だが祐希は漫画を読んでいて、掃除をする気配がない。そんな時、悠太が雑巾の水を祐希の漫画に垂らす事件が発生。怒った祐希が家を出ていってしまう。家を出た祐希は要の家に引きこもる。要は悠太に連絡をいれるが悠太の方も大分怒っている為、それを取り合わない。掃除を続行する悠太。だがその最中、古い手書きの地図を見つける。それはかつて、悠太が割ってしまった父のお皿を祐希が隠してくれた際に作った、お皿の在り処を示す地図だった。その事を思い出した悠太は、その時の恩を返すという事で、今回は自分が折れる事にする。要の家に、祐希を迎えに行く悠太。祐希と共に家に帰宅した悠太は、彼と共に年越しそばをすすりながら年を越すのだった。
春達と初詣に訪れた千鶴は、その最中に自転車の鍵を拾う。あとで神社の人にでも渡そうとポケットにしまうも、賽銭と間違えて賽銭箱へ投げ入れてしまう。さらに同じタイミングで春が自転車の鍵の持ち主を見つけており、千鶴達はお詫びとして持ち主が通っている予備校まで自転車を運ぶ事になる。実は持ち主は、受験を控えた高校3年生の男子だった。彼女と同じ大学に行く為に彼が勉学に励んでいる事を知った千鶴は、仲間内で彼とその恋人への合格応援メッセージを書いた年賀はがきを贈る事を決める。年賀状を出すポストを探していると、偶然男子生徒の恋人だという女子と遭遇。だが受験の焦りでカリカリしていた彼は、恋人を冷たくあしらってしまう。それを見た春は、怒って彼にも彼女宛に年賀状を書かせる。困惑する男性だったが、千鶴達の言動に少しだけ気持ちが和らぐ。
千鶴達との別れ際男子生徒は先輩として、「今のうちに遊んでおけ」と春達に声をかける。その言葉に春は、来年の今頃、自分たちがどうなってるのか不安になる。
甘くて苦い恋の味
コンビニのパンシールを集めている祐希。仲間達も交代制に則ってシールを集めてくれていたが、ある日千鶴の我慢が限界に達した事から、交代制が廃止されてしまう。ポイント集めが停滞し、困る祐希。そんな時、突然花代が祐希にシールをくれる。その事がきっかけで祐希は花代に心惹かれるようになる。だがそのタイミングで、花代があと1週間で学食を辞めることを知る。
以降、祐希は自らの力でシールを集め始める。シールを条件にバスケ部に入部するように迫る先輩からも、1on1(1対1)一本勝負でシールを勝ち取り、報酬のお皿を貰えるまでにポイントを集めきる。そして交換したお皿を花代に渡しに行く。祐希は花代に「たまにでいいからお皿を使って下さい」と頼む。花代は「使う」と軽い調子で返して、祐希の前から去る。そんな彼女を見送りながら、祐希は「うそくさ」と呟く。
バレンタインデー当日、千鶴は朝からやきもきしていた。周りの奴らはチョコを貰えるのに、なぜか自分はチョコを貰えずにいたからだ。その一方で、茉咲は春にチョコを渡そうとしていた。だが他校の女子生徒から告白され、チョコを渡されている春を見てしまい、パニックから自分のチョコを食べてしまう。さらに徹夜でチョコ作りをしていた疲労がたたり、気を失ってしまう。保健室で茉咲が目を覚ました時には夕暮れになっており、茉咲は泣き出してしまう。彼女を心配してその場にいた千鶴は、とっさに茉咲を抱きしめて慰める。翌日の放課後、春は告白した女の子への返答の為、相手の学校へ向かう。その様を見た千鶴と茉咲。だがそこに至っても茉咲は、春にチョコを渡せなかった。それを見た千鶴はその帰り道、「メリーが好き」と茉咲に告白をする。
それぞれの日常
目次 - Contents
- 『君と僕。』の概要
- 『君と僕。』のあらすじ・ストーリー
- 第1期
- 17回目の春を迎えた4人組
- 転校生と要の記憶
- 夏祭り
- 悠太の彼女と隆之介の登場
- 文化祭
- 冬樹の彼女の登場と職場体験
- 第2期
- クリスマスに向けて
- 新年の出会い
- 甘くて苦い恋の味
- それぞれの日常
- 新しい出発
- 『君と僕。』の登場人物・キャラクター
- 穂稀高校の生徒
- 塚原要(つかはら かなめ)
- 浅羽悠太(あさば ゆうた)
- 浅羽祐希(あさば ゆうき)
- 松岡春(まつおか しゅん)
- 橘千鶴(たちばな ちづる)
- 佐藤茉咲
- 松下隆之介(まつした りゅうのすけ)
- 高橋里奈(たかはし りな)
- あきらとこーちゃん編
- 東晃一(あずま こういち)
- あきら
- 委員長
- その他の人々
- 塚原容子(つかはら ようこ)
- 松岡冬樹(まつおか ふゆき)
- 松岡夏菜(まつおか かな)
- 秋代(あきよ)
- 舞音(まいね)
- 相田日紗子(あいだ ひさこ)
- 相田静奈(あいだ しずな)
- 佐倉花代(さくら かよ)
- かおり先生
- けんちゃん
- そのちゃん
- 店長
- 鈴雛(すずひな)
- 間宮杏子(まみや きょうこ)
- 岡本昭博(おかもと あきひろ)
- 内田 百合(うちだ ゆり)
- 浅羽父
- 浅羽母
- 春に思いを寄せる女子高生
- 『君と僕。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「変化する瞬間なんてきっとこの先いくらでもありますよ」(松岡春)
- 「当たり前のように 手のひらの上で 増えていく日々を いつまでも大切ににぎりしめては時々そっとひらいてみる 。それに気づくのは、きっと大人になってから。」(松岡春)
- 「無理にがんばって離れなくても、あの友達の事キライじゃないなら一緒にいてもいいと思うよ。」(浅羽悠太)
- 「少しでも。少しの間だけでも君がオレのことをたくさん考えてくれた。オレで頭をいっぱいにしてくれた。それだけで。」(橘千鶴)
- 「ケンカじゃなくても誰かと一緒にいるとめんどくさいことっていろいろあるし。いろんな人がいるから自分と合ったり合わなかったりするし。嫌な気持ちになることもあるしさせることもあるし 。でも、…まあ、それでも…楽しいことの方が多いから」(浅羽祐希)
- 『君と僕。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『君と僕。』の舞台は東京の武蔵境がモデル
- 多忙の中での、予定の詰まった1泊2日京都ロケ
- 怖い店長の正体は俳優の水嶋ヒロ
- 『君と僕。』の主題歌・挿入歌
- 第1期
- OP:7‼(セブンウップス) 『バイバイ』
- ED:沢井美空 『なきむし。』
- 劇中歌:蒼井翔太 『SORA』(第1話、第3話、第5話、第13話)
- 劇中歌:蒼井翔太 『Candy』(第2話、第11話)
- 劇中歌:蒼井翔太『Tomorrow』(第2話、第7話、第12話)
- 劇中歌:蒼井翔太『Graffiti』(第5話)
- 劇中歌: 『Over』(第10話)
- 劇中歌:ホマレッド(木村良平)、ホマブラック(小野友樹)、ホマブルー(内山昂輝)、ホマイエロー(入野自由)、ホマピンク(豊永利行) 『高校戦隊ホマレンジャー』(第8話)
- 第2期
- OP:佐香智久 『ずっと』
- ED:さかいゆう 『君と僕の挽歌』
- 劇中歌:蒼井翔太 『SORA」(第1話、第4話、第8話、第11話、第13話)
- 劇中歌:蒼井翔太 『Tomorrow』(第2話)
- 劇中歌:蒼井翔太 『March』(第3話)
- 劇中歌:蒼井翔太 『Candy』(第6話)
- 劇中歌:蒼井翔太 『Aqua』(第7話、第10話)
- 劇中歌: 『Over』(第12話)
- 劇中歌:ホマレッド(木村良平)、ホマブラック(小野友樹)、ホマブルー(内山昂輝)、ホマイエロー(入野自由)、ホマピンク(豊永利行) 『高校戦隊ホマレンジャー』(第4話、第8話) ※8話では劇中曲として表記
- 劇中曲:『マシュマロ・デイズ』(第8話)
- 劇中曲:『たそがれ真面眼鏡』(第8話)