カムイ伝(Kamui Den)のネタバレ解説・考察まとめ

『カムイ伝』は、白戸三平による日本の劇画(漫画)であり、第一部は『月間漫画ガロ』にて1964年から1971年まで連載された。その後1988年に『ビッグコミック』で「第二部」が連載された。従来の漫画には無い重厚なストーリーが描かれており、高く評価されている。徳川家によって作られた幕藩体制、その絶対的階級社会の中で、「カムイ」「正助」「竜之進」が権力、身分制度、運命など様々な苦難に遭い、絶望しつつも、それを克服しようとする物語である。

商人

夢屋七兵衛(ゆめやしちべえ)

資本力で階級社会の楔を越えようとする商人。流刑に処されていたとき赤目と出会う。

蔵屋(くらや)

日置藩の御用商人。莫大な利益を上げる商人だったが、経営に失敗して以降は落ち目となり、最後は日置藩の藩札政策失敗の責任を全てなすりつけられ、打ち首にされた。

大蔵屋(おおくらや)

夢屋の代理商人。夢屋の名前を出さずして日置藩が生み出す利益を吸い上げようと企む。

イタミ屋(イタミや)

日置藩改易後に開業し百姓が開いた市を手中に収める、代官に媚びを売るなどのあくどい商人。

『カムイ伝』の用語

日置藩

本作の舞台となる藩。実在した藩ではなく、フィクションである。

浪人

中世・近世、主家を自ら去ったり、あるいは失ったりした武士。

非人

江戸時代の賎民身分の呼称。江戸時代の非人は基本的には乞食であったとされる。当時は非人と他の身分の者の間には大きな隔たりがあった。

『カムイ伝』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

カムイ(弟)の死亡

第一部の序盤では弟のカムイが主人公のように描かれている。しかしカムイ(弟)は百姓小頭たちに殺された非人の子供のために立ち上がり、すぐにあっけなく捕らわれて殺されてしまう。主人公と思われた人物が最序盤で死亡するという展開は多くの読者を驚かせた。

『カムイ伝』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『月刊漫画ガロ』は『カムイ伝』のための雑誌

『月刊漫画ガロ』は白戸三平の『カムイ伝』を連載するために創刊された雑誌であるという。『月刊漫画ガロ』は白戸三平であり、『カムイ伝』の原稿料はなかったとの事である。

物語の真のテーマが描かれていない「第一部」

作者である白戸三平はカムイ伝一部を書き終えた後、「いまやっと『カムイ伝』三部作のうち、第一部が終わったところだ。物語の真のテーマはいまだに現れていない。なんと不可解なことであろう」と述べている。

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