国木田独歩(文豪ストレイドッグス)の徹底解説・考察まとめ
国木田独歩(くにきだ どっぽ)とは『ヤングエース』で連載中の漫画およびアニメ作品『文豪ストレイドッグス』の登場人物で、異能力集団「武装探偵社」の一員にして妥協を許さない堅物な男。いつも持ち歩いている手帳の表紙には"理想”と大きく書かれており、秒刻みのスケジュール管理をしている。このこだわり抜いた「人生の道標」ともいわれるスケジュールが狂うことを大いに嫌うが、奇妙奇天烈な言動をする探偵社員たちに振り回されている。
武装探偵社の新人社員で、異能力“月下獣(げっかじゅう)”の持ち主。国木田たちと出会ったときは自身が虎に変化する能力者であることに気づいていなかった。正式に入社が決定してから、国木田は敦に仕事を斡旋したり体術の稽古をつけたりして、探偵社員としての教育に努めた。
社員になりたての頃は向こう見ずで無計画のまま敵陣に突っ込むことが多かったが、数々の戦いを経て異能力をコントロールすることも可能になり、現在は探偵社の主戦力として活躍している。
異能力“月下獣”は自身の体を虎に変化させて、腕力、脚力、視力、聴力など身体能力の増強ができる。ほかにも欠損などの重傷でも少しの時間で再生する治癒能力がある。
虎の爪には異能そのものを裂く能力があり、この能力は芥川と太宰しか気づいていないようだ。
太宰治(だざい おさむ)
国木田が20歳のときに入社し、相棒となる。太宰は突拍子もない作戦を立案することが多くあり探偵社員もついていけないことがあるが、頭の回転の速さや機転の利く身のこなしは確かなため、国木田も太宰の実力を認めている。
それだけに、対組合戦でポートマフィアとの停戦を持ちかける際、太宰が元ポートマフィアの五大幹部だと知ったときはあまりの衝撃に気絶した。
異能力“人間失格”の持ち主で、触れた相手のすべての異能力を無効化する。手で触れなければ異能無効化ができないことと、自分にとって利益となる異能(与謝野の治癒異能など)も無効化してしまうことが弱点。
福沢諭吉(ふくざわ ゆきち)
武装探偵社の創設者であり社長を務める。依頼の受諾や事件の捜査は基本的に国木田たちに一任しているが、敦がポートマフィアに連れ去られたときや、組合が宣戦布告をしてきたときなどの緊急事態には指揮を取っていた。
剣術・武術ともに優れており、社員からの信頼も厚い。普段から脳天気な太宰や、わがままな乱歩であっても福沢の指示には素直に従っている。
国木田に武術を教えた師匠的立場でもあり、国木田は福沢から「一本も取ったことがない」と語っていた。
福沢の持つ異能力“人上人不造(ヒトノウエニヒトヲツクラズ)”は自分の部下にのみ発動する異能で、異能の出力を調整し、自力で制御を可能にするもの。
田山花袋(たやま かたい)
元探偵社員の引きこもりであり、国木田の十年来の友人。組合戦を終えて、《死の家の鼠》の残したチップを解析してもらうために国木田は門を叩いた。
異能力“蒲団”の持ち主で、視界内にある電子機器を触れずに操ることができる。情報処理速度は常人の数十倍もあり、軍の電脳戦部隊に匹敵するのだが、最も心の安らぐ場所でしか能力を発揮することはできず、「よしこ」と名付けられた蒲団の中でしか発動できないらしいが、"黒髪の撫子"のときなど咄嗟のことになると能力を発揮できるようだ。
佐々城信子(ささき のぶこ)
大学で講師をしているおしとやかな女性。横浜来訪者連続失踪事件に巻き込まれた一般人として国木田たちに保護されたが、その正体は《蒼の使徒》という犯罪者であり、「自ら手を汚さず、痕跡を残さず、必ず実行犯を用意する」という手口で国木田と太宰を追い詰めた。
佐々城も探偵社もお互い干渉しないようにと取引をしている最中、田口六蔵に心臓を撃たれて死亡してしまう。
死ぬ間際、国木田に「死んだ夫とあなたはどこか似ている」と絶え絶えに伝えており、密かに想いを寄せていたようだった。
国木田も直接口にはしていないが、同じく想いを寄せつつあった。
田口六蔵(たぐち ろくぞう)
探偵社の捜査に協力してくれている14歳のハッカー。父は《蒼色旗(そうしょくき)の反乱者(テロリスト)》事件で死亡している。
《蒼の使徒》である佐々城信子に拳銃で撃たれるが、彼女を《蒼色旗の反乱者》事件の首謀者《蒼王》の妻であると理解したのち、太宰の持っていた拳銃を拾い上げ、佐々城を撃ち殺してそのまま力尽きた。
幸田文(こうだ あや)
無差別爆弾魔の事件に巻き込まれた少女。物怖じしない勇敢な性格で、爆弾魔を捕まえるために国木田と行動を共にする。トンネル内の線路の調査をしている中、犯人の桂正作に爆弾をつけられてしまい国木田は窮地に立たされるが、探偵社員・与謝野の異能力"君死給勿"で国木田と共に無事に生還した。
《天人五衰》に仕向けられた罠により、軍警や猟犬に追われる立場となった探偵社取り分け国木田を、テロリストだとは信じたくないと思っていた。
父の忘れ物を空港へ受け取りに来たところで猟犬の条野と偶然にも接触し、「探偵社の知人・縁者である君を人質にすれば探偵社は必ず助けに来る」「探偵社を庇うならば君も容疑者だ」と脅される。
しかし脅しはフェイクであり、条野に「探偵社を信じるならば私を尾行しろ」という手紙を渡されていた。手紙の通りに条野の後を追った文は、条野が猟犬隊長・福地桜痴(ふくち おうち)の異能力で深手を負う場面に遭遇する。福地こそ今回の事件の黒幕であり、《天人五衰》構成員の1人であった。
探偵社はテロリストではないと確信した文は、携帯端末で写真の撮影をして証拠を残すことに成功するが、フラッシュライトが光ったことで福地に勘づかれる。福地に見つかりそうになるが、部屋の中に置かれている棺桶の中に隠れ、窮地を脱した。この棺桶は《天人五衰》構成員の1人、ブラム・ストーカーの寝床であった。
桂正作(かつら しょうさく)
無差別爆弾事件の犯人であり、過去に国木田に逮捕されている。
過去に取り調べでかけられた国木田の言葉を根に持ち、その言葉や「理想」を抹消するために事件の計画を練っていたが、探偵社員の連携により阻止され軍警に逮捕された。
共喰い編では《死の家の鼠》に拉致され、国木田のことを尋ねられるが「あの人の理想は本物だ。あの人の魂は誰にも折れない」と一貫して答えていた。
カーライル
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目次 - Contents
- 国木田独歩のプロフィール・人物像
- 国木田独歩の能力
- 異能力「独歩吟客(ドッポギンカク)」
- 国木田独歩の来歴・活躍
- 学校教諭から探偵社員へ
- 太宰治の入社試験/相棒・太宰と組んだ最初の事件
- 人喰い虎の調査/中島敦との出会い
- 組合の襲撃/三社鼎立
- VSジョン・スタインベック、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
- Qの異能と「緊急プラン」
- 鏡花の正式入社
- 終戦後
- 第40話 独り歩む
- 第41話 Addict
- 仮面の異能者殺し/共喰い
- 無辜の民の死
- 花袋の調査と隠しメッセージ
- ポートマフィアとの連携作戦
- 作戦終了後
- 殺人結社《天人五衰》/探偵社相続の危機
- 理想の終着点
- 一度の墜落、再浮上
- 国木田独歩の関連人物・キャラクター
- 中島敦(なかじま あつし)
- 太宰治(だざい おさむ)
- 福沢諭吉(ふくざわ ゆきち)
- 田山花袋(たやま かたい)
- 佐々城信子(ささき のぶこ)
- 田口六蔵(たぐち ろくぞう)
- 幸田文(こうだ あや)
- 桂正作(かつら しょうさく)
- カーライル
- 国木田独歩の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「異能が当人を倖せにするとは限らん。お前なら 知っているだろう」
- 「極刑の手配犯でマフィアの裏切り者。その不幸を凡て肩代わりする覚悟がお前にあるか? お前の舟(ボート)は一人乗りだ。救えない者を救って乗せれば――共に沈むぞ」
- 「あの娘は諦めろ! 善良な者が何時(いつ)も助かる訳ではない! 俺も何度も失敗してきた! そういう街で そういう仕事だ! 俺達は超人(ヒーロー)ではない! そうなら善いと何度思ったか知れんが違うんだ!」
- 「何時(いつ)まで守られ役でいる心算(つもり)だ。刺されても起き上がる根性骨(タフネス)が人虎の売りだろう」
- 「血反吐を吐いて抗っても人は死ぬ。残酷で無慈悲で理想の欠片もない それがこの世界だ。……だが目指す先が 苦痛と渇きの砂漠でしかなくとも 俺は理想を求める」
- 「力に使われるな。此迄もお前は虎の力に溺れた時に負けている。一言で云うなら “虎は強いがお前は弱い”」
- 「我が名は国木田独歩! 我が理想は墜ちぬ! この“生命(いのち)”を燃料として 永遠に飛び続ける!」
- 「怪我をしても与謝野さんが居る。敵に囚われても乱歩さんがいる。個人では為し得ない事を成す力を 探偵社という組織は引き出してくれる」
- 国木田独歩の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 腕時計の誤差は1秒未満
- 理想の配偶者の条件は15項目58要素
- 原作とアニメ版の差異
- 「太宰治の入社試験」
- 「独り歩む」
- 異能分離体の手帳の表紙は「妥協」