古見さんは、コミュ症です。(漫画・ドラマ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『古見さんは、コミュ症です。』とは、オダトモヒトによる漫画および、それを原作としたアニメ、TVドラマ作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2016年25号から連載している。コミュ症(コミュニケーション障害)の女子高生・古見と、特に特徴のない普通の男子高校生・只野とそのクラスメイト達との交流を描いたコメディ作品。
個性的なキャラクターによる軽妙なやり取りや、コメディの中で描かれる只野や古見の心の成長が魅力となっている。

『古見さんは、コミュ症です。』の概要

『古見さんは、コミュ症です。』とは、オダトモヒトによる漫画、およびそれを原作とするアニメ、TVドラマである。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2016年25号から連載を開始した。2021年9月にNHKでテレビドラマ化。同年10月よりテレビ東京ほかにてアニメ化された。 もともと2015年に『週刊少年サンデー』の企画「新世代サンデーグランプリ」にて掲載された同タイトルの読み切り作品が人気を博したことから連載開始に至った。
私立伊旦高校に入学した只野仁人(ただの ひとひと)は入学初日に古見硝子(こみ しょうこ)と出会い、その端麗な姿に心を奪われる。しかも同じクラスで席が隣であるという事に歓喜するが、凡人の自分には縁のない相手だと思っていた。ある日そんな彼女に「コミュ症」という悩みがある事を知る。才色兼備な古見さんにも欠点がある事に親近感を覚えた只野は彼女の「友達を100人作る」という目標の手助けを決意する。入学当初はクラスメイトと打ち解けられなかった古見だったが、只野の助言、助力、また多くの仲間たちの協力により苦しみながらも心を開く事が出来るようになっていく。只野も古見と関わっていく中で新しい仲間が増え、女性との接し方や女心を理解していく。沢山の個性豊かな登場人物や学校行事、イベントが話を盛り上げていき人間関係を膨らませていく。思春期特有の人間模様や出会いと友情、悩みと葛藤、恋心と嫉妬心の青春を描いた学園コメディ作品。高校3年間という大きな時間軸でストーリーは進んでいくが学年、季節、学校行事、私生活でのイベント等でシナリオが構成され物語は進んでいく。各シナリオの過程で主人公、他登場人物の思春期の心の成長を描写していく群像劇である。

『古見さんは、コミュ症です。』のあらすじ・ストーリー

1年生

入学

4月、県内でも有名な進学校である私立伊旦高校に入学した只野仁人(ただのひとひと)は、「周りの空気を読み、波風の立たない高校生活を送る」ということを目標としていた。
中学の時に個性を出そうとして痛い目にあったことを思い出し、下駄箱で顔を赤くしていると、美しい女の子と出会う。女の子は只野に冷たい視線を浴びせその場から去っていってしまった。
教室に行くと、その少女・古見硝子(こみしょうこ)とは隣の席同士だった。古見の美しさはクラスの中でも際立っていたが、彼女は無口で、不可解な動きをする事があった。人と話すことが苦手なのかを思った只野が尋ねてみると、古見は予想以上に話す事が苦手だという事が判明した。なんとか話そうとするが言葉にならない古見に、只野は黒板による筆談を提案した。古見は黒板に、話せない事による過去の辛い思いや、願望、不安を赤裸々に書き綴っていく。しばらく筆談を続け、只野が夢を尋ねると、「友達を100人作る事」だという。只野は思わず笑いそうになったが、自分が1人目の友達になり、あと99人の友達作りを手伝うと伝えた。古見は「よろしくお願いします」と書きとめ、恥ずかしくなりその場から飛び出してしまった。まさか承諾されるとは思っていなかった只野は、「コミュニケーションが苦手な症状」を「コミュ症」と名付けて、 「古見さんのコミュ症を治し友達を100人作る」という目標を決意したのだった。

長名なじみの協力

さっそく古見に友達を作るべく行動を起こすのだが上手くいかない。気が進まなかったが、只野は友人・長名なじみ(おさななじみ)に声をかけた。彼はコミュニケーションが飛びぬけて優れており、友人が500万人いるという。しかしなぜか女子として入学していおり、女子用の制服を身に着けていた。そんな事を考える余裕のない只野は、長名に古見と友達になって欲しいと嘆願する。
長名はギクシャクしながらも2人目の友達になり、さらに自分の友達の中から古見に合いそうな人を紹介してくれる事になったのだった。
長名はそのコミュニケーション力と行動力で古見に人力してくれた。しかし、その中で山井恋(やまいれん)は手を焼いてしまった。山井恋はクラスメイトだが、入学当初から古見に異常なまでの執着をもっている危険人物なのだ。
ある日、只野が学校を休んだ。すると只野の机に山井恋が陣取り、古見と接触してくる。長名が山井の家に遊びに行きたいと伝えると、古見も一緒に行くと言う。古見と長名は山井の家に遊びに行ったが、どうも様子がおかしい。妙な物音がするクローゼットを開けると、中には椅子にロープで縛られた只野がいた。山井に監禁されていたのだ。
山井は、私こそが古見の友達に相応しいと伝えるが、古見は「私の友達は私が決めます」と筆談し部屋を後にする。
後日、古見は只野に筆談で謝罪した。自分は只野の友達ではない方が良いと伝えたが、只野は自分の友達は自分で決めると答える。そして、古見も「やっぱり私は只野くんの友達でいたい」と初めて言葉で気持ちを伝えた。 その後、山井が長名に連れられ、今回の件について謝罪した。結局、しばらく悩んだ古見であったが、2人は改めて友達となったのだった。

古見の誕生日

12月24日。只野は自宅で悩んでいた。古見に冬休みも遊ぼうと伝えたが、いざ誘うと思うと誘えなかった。手にもっていた携帯には、「古見 誕生日12月25日」と表示されている。古見が明日誕生日であることに気付いた只野は、急いで長名に連絡した。只野から連絡を受けた長名はすぐにデパートに皆を集め、古見の誕生日プレゼントを選ぶ段取りを付けてくれた。長名がプレゼント選びのゲームを提案した。予算5000円で古見が一番喜びそうな物を選ぶというものだ。 皆は各々個性的なプレゼントを選んでいく。
只野が選んだのは、大きな黒猫のぬいぐるみだった。しかし、値段が8000円なのだ。そこで、これを皆でお金を出しあって買おうと提案する。 「普通」と言われるが皆、賛同してそのプレゼントに決定したのだった。
只野から連絡を受けた長名は古見に、今日皆で古見の家でクリスマスパーティーを開催するからと、あらかじめ伝えておいた。その時サプライズで古見の誕生日をお祝いしようと思案していたのだ。
そして、家の前で皆がくるのを待っていた古見にハッピーバースデーを伝える。 が、古見に反応がない。皆から問い詰められる只野。 しばらくの沈黙の後、「ありがとうございます。」と古見が筆談で答える。プレゼントをうけとった後もその場に佇んでいる。 「あまり嬉しくなかったのかな」只野はそう思い古見を見ると、古見は顔を赤くしてぬいぐるみを抱きしめていた。 サプライズされた時どんな顔をしたらいいか分からなかったのだ。
「後で皆にお礼のメールしましょうね。」只野が言うと、「はい」と古見は答えた。
その後、古見らしい硬いメールが皆に届いた。

バレンタイン

バレンタイン。男子ならだれもが浮き足立つ日。只野も例外ではなかった。友チョコくらいはもらえる(女子から)とタカをくくっていた。 が、只野がもらえたのはクラスメイトの男子、片居誠(かたいまこと)からだけだった。
あまりのショックに膝から崩れ落ちる只野。妹がなだめてくれるものの、すっかり憔悴しきってしまう。晩御飯を食べている間も魂の抜け殻になってしまっていた。
そんな時、妹が窓越しに人影を見つけ何かを感じる。 妹は只野にアイスを買ってくるようたのむ。 面倒くさがりながらもアイスを買いに行こうと、家のドアを開けるとそこに古見がいたのだ。
突然の古見の来訪の驚く只野。公園へ移動して古見と話をする事にした。要件を聞くが、頭の中ではチョコの事でいっぱいだった。しかし、そんな只野の期待とは違い、長名からプリントを渡すように頼まれただけだったのだ。
プリントを渡すと帰ってしまう古見。只野はチョコを貰えなかった事に自戒しながら家路に向かう。
階段を昇る所まで帰ったとき、古見に呼び止められる。 急いで古見の所へ戻ると、古見がカバンからチョコレートの入った袋を只野に渡してきたのだ。 びっくりしながらも古見に感謝の意を述べると、古見は恥ずかしながら只野に一番上手くできたものだと伝えた。

ホワイトデー

バレンタインが終ればホワイトデーがやってくる。 今回のホワイトデーは土曜日で学校が休みのため、古見の家に行く以外の選択肢は残されていなかった。
準備を整え出かけるとき妹に茶化され、母には片居誠(男)の所へ行くのだと勘違いされつつも、古見の自宅へと向かった。
家の前まで来たが緊張のあまりインターフォンが押せない。 色々考えた後勇気を出して押した。はいと返事はあったが無言が続く。しかも、繋がっていたはずのインターフォンがブツリと切れてしまったのだ。
しかし切れてすぐに、家のドアが開いた。 が、出てきたのは古見の母だった。 娘のつもりでキュンキュンしながら出てきた母を、只野は素で返してしまった。
古見は今出かけていないから、家に上がって待つよう母に勧められる。古見の部屋で待っていると古見の父がお茶を持ってきた。しかもそのまま着席してしまったのだ。
無言が続く空気に耐え切れず、只野は父に自己紹介と家にきた理由を話し始めた。ガチガチになっていると、バタバタと古見が部屋に入ってきたのだった。 父を追い出し、慌てて散らかった部屋を片付けると只野の横へ座った。
中々切り出せないでいた只野だったが、意を決して古見にバレンタインのお礼を言うと共にお返しを渡す。古見が中身を確認するとハンドクリームが入っていた。匂いが良いものがあったのでそれにしたと只野は伝える。
そして古見はハンドクリームの横に飴を見つけた。 一応、飴ですと言う只野。古見が飴の意味を考えていると、二人に沈黙が続いた。只野は恥ずかしくなり、そそくさと帰ってしまった。
古見がそのハンドクリームをつけてみると良い匂いがしたのだった。

2年生

新しいクラス

2年生の新学期が始まった。入学して1年、古見の成長がうかがえたかと思われたが、まだコミュ症は治っていなかった。新しいクラスメイトに緊張しまくっていた。なかなか友達になれないのだ。
新しい席に着くと1年生からの知った顔と共に、奇抜なメイクを施した女子が座っていた。
万場木留美子(まんばき るみこ)という彼女はその奇抜なメイクゆえに、明らかに周りから浮いていた。当初、古見もどの様に接して良いのか分からず避けていたのだった。
授業中、万場木が気分を悪くし、只野と古見が保健室へ連れて行く事になった。 途中万場木がおう吐したため、只野が片付けをして古見が保健室へ連れていった。
古見は消沈している万場木を介抱し、話を聞いていた。万場木は派手なメイクとは裏腹に、新しいクラスで友達が出来ず不安でいたのだ。自分の気持ちを万場木は古見に話していった。
古見も入学当初、友達が出来るか不安だった事、友達作りを助けてもらった事などを話していった。
そんな万場木に古見は、「一人目の友達にしてくれないか?」と筆談する。 万場木も古見を受け入れ友達となったのだった。

只野のアドバイス

古見と友達になれた万場木。気持ちを新たに教室へと入るが、相変わらず周りから避けられる。 理由を古見に聞くが答えれないため、只野に助けを求める。
只野は言いにくそうに、メイクのせいではないかと言う。メイクがどうかしたのか?と聞いてくる万場木に対して只野は、好みによるが僕はメイクをしない方が可愛いと思うと伝えた。
万場木は照れながらもメイクを落とした。これ以降メイクはしなくなったのだった。

肝試し

海へ遊びに行ってしばらくして長名から連絡があった。片居の家で映画を見ようというのだ。 皆で片居の家に行き映画を見た後、長名が肝試しをやると言い出した。
人数合わせのため、只野は古見と万場木と2回やる事になった。初めは古見とした後、万場木とやった只野。
万場木はあまりの怖さに立ちすくんでしまう。只野はそんな万場木の手を取って走り出す。 なぜか沢山のお化けに追われながら、二人はゴールした。 ゴールした後、長名の後ろにお化けがいる。
只野がびっくりしていると、長名は、お化けはクラスの皆が演じてくれて、これは2年1組の懇親会だと話した。
その後、バーベキューを行い只野は古見と話をする。古見は改めて皆と友達になりたいと只野に伝えた。僕もそう思うと只野は返した。 万場木は只野と手を繋いだ事を思い出し、顔を赤らめていたのだった。

万場木の気持ち

花火が上がりそうになった。 上野は只野と万場木に花火を見てこいと言う。 二人で見てくる事になった。
只野が何度も話かけるが、万場木は話そうとしない。万場木は只野と二人っきりでいるため、ドキドキして何を話していい分からなかったのだ。 困り果てた只野が唐突に以前、海に行った事について話し始めた。
「あの時、急に彼氏と言ってすまなかった。軽薄だった」。そう言われ可笑しくなった万場木は、馬鹿と、一言いうと笑いながら歩きはじめた。
その後、屋台を回りながら花火会場まできた万場木は、自分の本当の気持ちに気づいたのだった。

万場木が学校へ行こうとした時、水槽の金魚が元気がない事に気づく。 祭りで只野と回った屋台で貰った金魚だ。
学校へ着き只野に相談すると、様子を見に万場木の家に行ってもいいかと言われる。 驚いた万場木だったが、承諾して只野に家に来てもらう事となった。
只野が様子を見て、万場木に少しお金が掛かるが良いかと聞くと、万場木はいくらかかってもよいと答える。その強い意志を感じ取った只野は、親身になって水槽のアドバイスをした。
一通り終わり、帰ろうとする只野を万場木は引き留めた。
「好きな人はいるのか?」と只野に聞く万場木。 只野は不思議そうな顔をしながら、いないと思う、と答える。 ふーん、と俯きながら答える万場木。
私には関係ないことだと言いながら、只野を送りだしたのであった。

文化際の演劇

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『古見さんは、コミュ症です。』はコミュ症の女子高生、古見硝子と普通の男子高校生、只野仁人の交流を描いたコメディ漫画である。容姿端麗であるが人付き合いが苦手な古見硝子の見せる可愛らしい言動が魅力であり、読者だけではなくクラスメイトからも人気を集める。また癖の強いクラスメイト達と只野仁人とのテンポの良いやりとりも作品を面白くしている。

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