ぼくの地球を守って(ぼく地球)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ぼくの地球を守って』とは日渡早紀により制作され、1986年から「花とゆめ」に連載された漫画作品である。コミックス全21巻、文庫版全12巻、愛蔵版全10巻が発刊された。1993年にはOVAが制作され全6巻となっている。物語は「輪廻転生」が大きな鍵となっている。前世で特殊な任務についていた男女7人が任務中に伝染病にかかり全員が命を落としてしまう。現世に転生したその7人が徐々に前世の記憶を思い出し、過去の自分と現代の自分との間で揺れ動き、それぞれの孤独や苦悩を解決していくSF漫画。

輪が書いた詩

輪が学校に提出した詩。輪とシオンの心情を素直に表した詩になっており、過去に捕らわれてしまう自分は、9歳も年上でどんどん大人になっていく亜梨子に置いて行かれてしまう存在なのではないかという輪の焦りが伝わり胸を締め付けられるような寂しさを感じ取ることができる。この詩を読んだ先生が輪の母親にこの詩を見せ素晴らしいが8歳の子供が書く詩ではない、孤独を抱えているかもしれないと相談する。

モクレンとシオンの約束

モクレンが病気でうなされて意識が朦朧としている中、モクレンの意識は地球の大気となって時空を超え現世に現れ、マンションのベランダから落下した輪を包み込み落下の衝撃を和らげた。その事からモクレンはシオンに対し「懐かしい」という発言をする。その後すぐにモクレンは死亡する。その後シオンは1人なってしまってもまた巡り合う為に「自ら命を絶たないで」と言うモクレンとの約束を守り、9年間孤独に耐える。シュウカイドウはシオンがモクレンの願いに逆らい自害することは絶対にしないと確信した上でシオンにのみワクチンを投与した。

ラズロから教えてもらった事

シオンがラズロからご褒美のキスをもらったシーン。他の子供達は小さな頃から当たり前のように親からご褒美の「キス」を貰っていることを知り改めて自分が「戦災孤児」である事を認識し寂しさと悔しさから涙を流す。その後ラズロから「悔しかったら不幸になってはいけない」と言われる。この言葉はシオンに深く響きシオンの心の中にいつまでも残る言葉となる。

いつも皮肉なシオンがモクレンの救いになるシーン

星間戦争が激化し母星が消滅した事を知り月基地メンバーは憔悴する。そんな中、サージャリムに選ばれたキチェ=サージャリアンのモクレンに「何とかしてほしい。君ならなんとかできる」と詰め寄るギョクラン。モクレンは自分を1人の人間として対等に話をしてくれる人はいないと諦めかけていたが、シオンだけが「歌う気力もないよな」と対等な人間として接しモクレンは初めて不安を吐き出す事ができた。

すれ違う想い

京都修学旅行中に春彦のテレパスで覚醒を促され額にキチェスの印が現れるほど記憶を取り戻した亜梨子。亜梨子はモクレンはシオンに純潔をささげたのにも関わらず、額の印が消えなかったのはシオンに本当に愛されていなかったからだと誤解しショックを受ける。今までモクレンだった時のムーン・ドリームを見なかったのはその事実を改めて知るのが怖かったからだと涙を流し打ち明ける。

亜梨子の願い

全員のキィ・ワードを集め東京タワーに向かい最後までシオンに飲み込まれないよう輪を説得する亜梨子。シオンより生きてきた年数も短く、思い出の数も少ないかもしれないが輪の未来は輪のものである、なんにでもなれる未来があるそれをシオンに譲ってはいけないと訴える。輪と共に生きて行きたいと思う亜梨子の強い願いが込められている。春彦が田村に宛てた手紙にあった「過去は現在を憐れむためにあるものではない。未来は現在の埋め合わせのためにあるものでもない」という言葉が思い出される。

『ぼくの地球を守って』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

制作のきっかけ

「ぼくの地球を守って」は、作者である日渡早紀が前作の制作で疲弊していた為「好きなものを全部ぶっ込んだ自分にとって癒しになる作品にしよう」という思いから作られた。

社会現象

一成がオカルト雑誌に投稿して前世の仲間集めをしたシーンがきっかけで、前世の仲間を探す為オカルト雑誌に投稿する若者が急増し作者の日渡早紀が「この作品はフィクションである」と声明を出した。

『ぼくの地球を守って』の主題歌・挿入歌

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