ぼくの地球を守って(ぼく地球)のネタバレ解説・考察まとめ

『ぼくの地球を守って』とは日渡早紀により制作され、1986年から「花とゆめ」に連載された漫画作品である。コミックス全21巻、文庫版全12巻、愛蔵版全10巻が発刊された。1993年にはOVAが制作され全6巻となっている。物語は「輪廻転生」が大きな鍵となっている。前世で特殊な任務についていた男女7人が任務中に伝染病にかかり全員が命を落としてしまう。現世に転生したその7人が徐々に前世の記憶を思い出し、過去の自分と現代の自分との間で揺れ動き、それぞれの孤独や苦悩を解決していくSF漫画。

『ぼくの地球を守って』の概要

『ぼくの地球を守って』とは1986年から1994年まで「花とゆめ」で連載された日渡早紀作の漫画作品である。コミックス全21巻、文庫版全12巻、愛蔵版全10巻が発売されている。1993年にはProduction I.G よりOVAも制作されている。作品名はファンの間で「ぼく地球(たま)」と略されている。

高校生の坂口亜梨子は、北海道から東京の高校へ転校したがなかなか環境に馴染めず心のよりどころは花や草木だった。昔から植物の感情を感じとることのできる不思議な能力があったのだ。ある日、マンションの隣に住む小学二年生の小林輪と二人で留守番を頼まれたが亜梨子は過って輪をベランダから突き落としてしまう。マンションの下に生えていた木がクッションとなり輪は軽傷だったが意識が戻らなかった。亜梨子の目覚めて欲しいという祈りがテレパスとなりそれがきっかけで輪は自分の前世であるシオン(紫苑)という男性の記憶が覚醒したのである。意識が戻らないのはシオンの記憶を夢で見ていたからだった。
学校では亜梨子と同じクラスの小椋迅八と同級生の錦織一成がそれぞれギョクラン(玉蘭)とエンジュ(槐)という人物として登場する不思議な夢(ムーン・ドリーム)を同時に見ていることを知り亜梨子は興味を持つ。一成のテレパス能力が迅八に影響しいつも同じタイミングでムーン・ドリームを見ていたのである。すると亜梨子もモクレン(木蓮)とよばれる女性になり、地球の見える建物の中からシオンと地球を見守ろうと話しているムーン・ドリームを見る。迅八と一成にムーン・ドリームの話をすると登場人物の名前や人物像が一致し3人は共通のムーン・ドリームを見ている事に気が付く。ムーン・ドリームには7人の人物が登場する為、ほかの人物の夢を見ている人がいるかもしれないと雑誌に投稿しムーン・ドリームの登場人物を探すことになる。そして、土橋大介(前世はヒイラギ/柊)と国生桜(前世はシュスラン/繻子蘭)が加わりムーン・ドリームは前世の記憶であることが判明しその全容が明らかになっていく。しかしシオンとして覚醒した輪は、自分がシオンであることを隠したままサーチェスと呼ばれる超能力を使い東京タワーに手に入れてようとしていた。
輪とシオンのこの計画が大きな渦となり、全員を巻き込みながら物語は進んでいく。

壮大なストーリーと緻密な設定、繊細な心情が丁寧に描かれており、前世の自分と現世の自分との間で翻弄する7人の悲しい過去からの解放と成長が多くのSFファンに支持された。その後、続編となる「ボクを包む月の光」そして2015年には続編Ⅱとなる「ぼくは地球と歌う」の連載が開始している。
製作開始となった1986年当時は、テレビドラマで流行していた「男女7人夏物語」になぞって「男女7人月物語」とも言われていた。

『ぼくの地球を守って』のあらすじ・ストーリー

誤ってマンションのベランダから小林輪(左)を転落させてしまう坂口亜梨子(右)

主人公の坂口亜梨子は小さな頃から草木や花の感情を感じることができ、植物に好かれる性質をもつ高校生。ある日亜梨子は、同じマンションの隣に住む小学二年生の小林輪と留守番中に動物園に出かける。そこで同じクラスの小椋迅八と同級生の錦織一成と遭遇し2人が共通の夢を見ていることを知る。迅八はギョクラン(玉蘭)という男性、一成はエンジュ(槐)という女性で登場し、2人はいつも同じシーンの夢を見るというのだ。これはエンジュであった一成のテレパスが迅八に影響し、いつも同時に同じシーンをみていたのである。
その日の夜、迅八の「坂口さんって初対面な感じがしない」という発言に嫉妬し怒った輪は、自分もデジャヴを感じたと伝えるが、亜梨子が本気にしてくれない事に怒り輪は亜梨子に買ってもらった球根の鉢をベランダからわざと落してしまう。そのことがきっかけで口喧嘩になり、亜梨子は過って輪をマンションのベランダから落下させてしまう。輪はマンション下の木がクッションとなり傷は軽傷だったが意識が戻らずにいた。必死に輪が目ざめる事を祈る亜梨子だったが、その祈りがテレパスとなり輪は自分の前世であるシオン(紫苑)の記憶を夢の中で思い出していたのだ。

すると亜梨子もモクレン(木蓮)とよばれる美しい女性で登場し、地球が見える部屋からシオンと地球を見守る約束するという夢をみた。その事を迅八と一成に話しをすると、迅八と一成の夢にもモクレンとシオンという人物が登場しており、人物像も亜梨子が見たものと同じであることが判明する。3人がみた夢にはモクレン、ギョクラン、エンジュの他に4人が登場している為、その4人の夢を見ている人がいるかもしれないとオカルト雑誌に他の仲間を探しているという内容の投稿をしメンバー集め始める。

一方やっと目覚めた輪は、亜梨子たちにシオンであることを隠したまま夜な夜なシオンの持つサーチェスとよばれる超能力を使い、東京タワーを手に入れようとしていた。輪は東京タワー建設会社の社長の息子松平タカシを脅しタカシの父親に東京タワーに何かを設置するよう迫っていた。

ある日、一成の自宅に一通の手紙が届く。それは雑誌の投稿記事を見た土橋大介という人物からの手紙だった。その手紙には同じ登場人物の夢を見ている事と、もう一人同じ夢を見る人物を知っているという内容だった。後日会う約束をし、亜梨子、迅八、一成は土橋大介の自宅を訪れることになった。土橋大介と国生桜をメンバーに加えて話をすると、どうやら夢では土橋大介はヒイラギ(柊)という男性、国生桜はシュスラン(繻子蘭)という女性であることがわかった。そして、夢の事をムーン・ドリームと名付け夢で見たことをすり合わせていく会合を何度か開くとムーン・ドリームは前世の記憶であることと、異世界の住人だった自分たちは月にある基地から地球を観察するメンバーだったこと、星間戦争で自分たちの母星は消滅してしまった事、伝染病によって1人1人死亡していきモクレン、シオン、シュウカイドウが生き残った事が判明する。

輪は、東京タワーに設置する装置の完成図をタカシに渡す為タカシを廃墟ビルに呼び出したが、タカシは世話役である田村一登に脅されていると相談しタカシを守る為、田村一登が待ち合わせ場所に現れた。田村は輪に立ち向かうがサーチェスの能力で攻撃され重傷を負わされてしまう。昔から田村と知り合いでシュウカイドウ(秋海棠)の生まれ変わりだった笠間春彦は田村の危機を感じサーチェスで瞬間移動をし廃墟ビルに現れた。そこで輪は初めて春彦を目撃する。後日田村の見舞いに訪れた春彦を輪が連れ去り前世でシュウカイドウがシオンに犯した罪を語りだした。

シュウカイドウはメンバー全員が死亡する原因となった伝染病のワクチンを1人分だけ完成させていた。しかしその頃にはシュウカイドウ、モクレンとシオン以外は死亡してしまっていた。そしてシュウカイドウ自身も既に感染してしまっていたことに気づく。ワクチンが1人分しか完成していない事を隠したまま2人にワクチンを使用したと嘘をつき、シオンにだけワクチンを使用た。
シュウカイドウはずっとモクレンに憧れを抱いていたが、モクレンは一億人に1人しか生まれない「キチェ=サージャリアン」でありサージャリムと言う神様の御使いとされる存在であった為、汚してはならないと自分の思いを隠しモクレンを崇高な存在として認識していた。しかしシオンがそんな事を気にせずモクレンを凌辱しその後恋仲になり、婚約までしたことをシュウカイドウは羨ましくも憎んでいた。憎しみの感情を抑える事ができず、モクレンを汚したシオンに愛するモクレンが死んでいくのを1人で看取る絶望と月基地で1人生きていく孤独を与えることで恨みをはらそうとしたのだった。そしてシュウカイドウの生まれ変わりの春彦はシオンの容姿で、シオンの生まれ変わりの輪はシュウカイドウの容姿で転生した。これは紛れもなくシュウカイドウがシオンを羨ましく思っていた証拠で、シュウカイドウもモクレンを汚したかった証拠であると輪に突き付けられ激しく動揺する。
そしてワクチンをうたれたシオンがメンバー全員が死んだあと9年もの長い間月基地で仲間の遺体に囲まれながら1人孤独と絶望の中で生きていた事を知り自分の犯した罪の重さを知った。

輪は春彦にシオンとして会合に参加し亜梨子をモクレンへと覚醒させ月基地の兵器を動かすための全員のキィ・ワードを集めるように指示する。キィ・ワードとは、月基地で全員が個別に設定していたシステム起動のパスワードである。ムーン・ドリームでみる前世は地球よりはるかに技術が進歩しており、月基地には地球を破壊できるだけの兵器が備わっていた為全員のキィ・ワードを入力しないと兵器が起動できないようになっていた。

輪は亜梨子の付き添いで会合に同席した際、皆にシュウカイドウの生まれ変わりである事と年齢が違うのは前世は交通事故にあい2度目の転生であることを告白する。亜梨子は輪がシュウカイドウの記憶を思い出したのは転落事故がきっかけであることを知りショックを受ける。ムーン・ドリームをきっかけに大人びた表情をするようになった輪を心配する一方で、亜梨子は自分もムーン・ドリームでモクレンの記憶が増えていったら変わってしまうのではないかと不安になる。そして何よりムーン・ドリームを1度しか見ておらずマドンナ的存在の生まれかわりが消極的で暗い自分のはずがないと強く思い始めムーン・ドリームを無意識にブロックしてしまう。

春彦は輪から月基地での壮絶な9年間を教えられ、それに耐えかねて川へ飛び込み自殺をしようとする。その様子を一成と桜は目撃する。助ける為に川の中に飛び込んだ一成はそこで「シオン」と呼びかけるテレパスを感じ春彦がムーン・ドリームのメンバーではないかと疑う。
そして、輪の指示で会合に参加する事とになった春彦は、大介の家に集まっていた一成と桜に再会するのだった。その日の会合には輪も参加しており、春彦が自殺未遂をした事を輪に知られてしまう。

モクレンの生まれ変わりではないと思い込んでいた亜梨子は会合には参加しておらず春彦に会えない為、輪が会合後に春彦に合わせる約束をしていた。しかし、春彦が自殺未遂をしたことでメンバーから不審に思われその日亜梨子に合わせることを中止した。春彦を待つ亜梨子に花束を持って現れた輪は春彦からだと言い花束を渡す。亜梨子は花からのテレパスを感じその花は春彦からではなく、輪が亜梨子に用意してくれたものだと知る。

会合では、本当に生まれ変わりであるかを証明する為にキィ・ワードを集めようと迅八が提案するが、危険なことだと大介が反対し一旦みんなの記憶をする合わせて年表を作成することになる。

輪は亜梨子と話をしているうちに前世で月基地に1人残された孤独や絶望に飲み込まれそうになり、ムーン・ドリームが現実で今の小林輪としての生活は幸せな夢なんじゃないかと現実と夢の区別がつかなくなりそうで怖いと怯えていた。亜梨子は輪の話から、最後まで生きていたのはシュウカイドウなのではないかと思い始め、輪の孤独を少しでも理解しようと再び会合に参加する決意をする。しかしそこで大介達が作ったムーン・ドリームの年表からシュウカイドウが最後に死んだのではないと気づく。

春彦は昔、心臓の病気で倒れた時に助けてもらった田村一登とその後も親交を深めており、田村もまた昔自殺し死亡してしまった弟の面影を春彦に重ねていた。田村は春彦からの手紙でムーン・ドリームの事とシオンの生まれ変わりである輪がタカシを脅し田村を重傷に追い込んだ人物だと知る。そして、シュウカイドウだった自分が過去に犯した罪を告げたのだった。

田村は春彦たちを守るために友人に助けを求め、その友人の弟で地上最強の超能力使い薬師丸未来路を紹介してもらい超能力について知ることとなる。輪は田村が超能力者の未来路を味方につけたことを知り未来路と戦う為タカシを人質に取り田村たちを呼び出す。そして、輪は薬師丸未来路に超能力対サーチェスの戦を挑むが子供で体の小さい輪は大怪我を負ってしまう。

輪は交通事故にあったという理由で入院していたが、その間にシオンの戦災孤児だった時のムーン・ドリームを見てしまい、サーチェスで人を殺して生き延びた壮絶な記憶に怯えて泣き叫んでいた。

人を殺してしまったシオンは保護観察士兼代理父のラズロとその同居人の珍獣キャーと生活を始める事となる。初めはキャーに驚いたもののいつもそばにいてくれるキャーに癒されラズロに普通の子供が親から与えられるハグやキスと言う愛情を教わり少しづつ子供らしさをとりもどしていた。しかしラズロ達との共同生活を始めてから78日目、ラズロとキャーは買い物先で交通事故にあい帰らぬ人となってしまった。再び孤独に突き落とされたシオンは心を閉ざしてしまうのだった。

その後、学生に成長したシオンはギョクランとシュウカイドウと出会う。シオンは親の愛情に恵まれた環境で育ったギョクランに日々強いコンプレックスを抱きギョクランを嫌っていた。ある日、シオンはギョクランが思いを寄せていた女の子から告白され優越感に浸っていた。しかしギョクランへの優越感から付き合いだしたその女の子とは長続きせず、しかも別れ際に本当はシオンと口もききたくないがギョクランが本当は良い奴なんだと説得するから無視せずにいると言われてしまう。シオンは彼女と付き合う事でギョクランに勝ったはずだったのに逆にフォローされ自分が弱い立場にいると感じ悔しがる。

ギョクランを嫌っているはずのシオンはいつも自分からギョクランの目につく行動ばかりしギョクランの気を引こうとしていた。シオンは無意識に孤独な自分にもっと優しくして欲しいとギョクランに絡んでいたのだった。ギョクランはいつも自分に何かを訴えるような行動をするシオンに優しくしているが「お前に俺が理解できるもんか」と否定し拒否するシオンを理解できずにいた。

シオンは天才工学者として国から認められていたが、強気な性格や孤児だった生い立ちからKK=101(地球)の観察員として月基地への左遷命令が出される。そこで、モクレン、エンジュ、シュスラン、ヒイラギと出会うことになる。月基地へ自ら志願したギョクランは「平和な故郷に未練は無い」「新境地を求めて」「またいつでも帰れる」と話し、それを聞いたシオンは、何もかも恵まれた環境が当たり前でいつまでもあり続けると信じているギョクランに改めて怒りと悔しさを感じ益々ひねくれていく。

モクレンに対しても、キチェ=サージャリアンと言うだけで国から守られ生活している恵まれた存在と感じ厳しく接するようになる。それが原因でモクレンは落ち込むと心を浮上させるために歌い月基地にある植物を何度も繁殖させ全員で除草作業をすることとなる。このことは会合で作成した年表には「モクレン歌事件」として記入された。

病室で輪の看病をしていた母親は輪が変わってしまったと強く感じていた。交通事故に合ったと輪は言っていたが交通事故での怪我ではないと感じており、大人びた表情をする輪を本当に自分の子供なのだろうかと不信感を募らせていた。そして田村と未来路が小学生の輪の見舞いに訪れた事でさらに不信感を抱く。

入院中の輪を見舞いに来た迅八は、輪のキィ・ワードを集めて管理するという考えに賛同しキィ・ワードを集めに協力することになる。輪は突然、ピアノを習いたいと言い退院後ピアノ教室に通うことにした。実はその教師は田村の婚約者でお見舞いに来た田村と未来路と遭遇し田村は婚約者を人質に取られたと悟る。輪の母親は未来路を病室から追い出す為サーチェスでドアを開ける輪を目撃し輪を自分の子供ではないと否定し拒絶する。輪は耐えられず病院から姿を消してしまった。

病院から抜け出した輪だが、未来路との戦いで負った傷が酷くサーチェスで空中移動中に意識を失ってしまう。木陰に倒れていた輪を助けたのはホームレスのブンだった。ブンは人の感情を読み取ったり感じたりする力があり周囲から気味悪がられ孤独に生きていた。頑なに何も話さない輪の様子からブンは輪には帰れる家がない事を感じ取り、輪に「銀太」という名前を付け輪の為に仕事をはじめ養おうとする。

亜梨子は、輪がムーン・ドリームから感じている孤独や寂しさはシュウカイドウが最後に生き残った為だと思っていたが、皆の記憶だとシオンかモクレンになってしまって輪とのつながりが分からないがとにかく最後まで生き残った人物は輪であることは間違いないと考えるようになる。亜梨子は輪の失踪をきっかけに少しづつムーン・ドリームを見始めるようになっていく。

亜梨子、迅八、一成は、修学旅行で京都を訪れ京都に住む田村と会う約束をしていた。約束の場所に行くと田村と一緒に待っていたのは春彦だった。そして、田村から春彦がシュウカイドウの生まれ変わりであること、輪がシオンであること、輪が今までにしてきた事とシュウカイドウがシオンにした罪を全て話した。

春彦は修学旅行に戻った亜梨子にテレパスを送りモクレンの記憶の覚醒を促した。すると亜梨子は高熱出し倒れる中モクレンとしてのムーン・ドリームを見る。亜梨子の額にモクレンと同じくキチェ=サージャリアンである証の印が現れる。亜梨子は純潔である証のキチェ=サージャリアンの印がシオンと関係を持っても消えなかったのは、モクレンがシオンに愛されていなかったからなのだと思っており、その事実を再び知るのが怖かったからモクレンの記憶は覚醒しなかったのだと知り涙を流す。

傷も癒え回復した輪は、サーチェスで迅八の声を出し大介に連絡し現状の把握をする。そこで輪は亜梨子の覚醒を知る事となる。その後大介の前に現れ、前世で星間戦争が起こり母星が消滅した時点で地球に降りる提案に反対しなければ伝染病で全員が死亡することはなかったとヒイラギの判断ミスを指摘した。ヒイラギも地球降下に反対したことを後悔していたのだった。大介は弟を人質にとられキィ・ワードを輪に教えてしまう。

輪はシオンと同じくキィ・ワードを集めることを望んではいたがキィ・ワードを集めて月基地を爆破するという輪の目的とキィ・ワードを集めて月基地から地球が環境汚染や戦争によって崩壊しないようにモクレンのキサナド(聖書)とよばれる植物の成長を促す歌を地球に向けて発信し管理しようとするシオンの目的の間でずっと揺れ動きシオンに押しつぶされそうになっていた。

輪はモクレン以外のキィ・ワードを手に入れ、ブンの家で亜梨子と再会する。全てを知った亜梨子は、モクレンのキィ・ワードを教えたらシオンの気持ちが膨らんでも負けないでと伝える。そして、輪に月基地を爆破して欲しいと伝える。2人は月基地を爆破する為東京タワーに向かった。

ほかのムーン・ドリームメンバーや田村と未来路も東京タワーに駆けつける。最後までシオンに支配されそうになるのを必死に抑え、輪が設計しタカシの親に設置させた装置にキィ・ワードを入力するが作動不能となる。

前世で1人取り残されたシオンは、長い間孤独と戦い自我がなくなりながらモクレンを自由に歌わせたいという想いから、モクレンが歌う姿の立体映像装置を開発しており、その歌を聞いた植物たちが基地を取り込み基地は完全に操作不能となっていた。輪は気を失い倒れるが、亜梨子達の呼びかけで目を覚まし亜梨子から告白され輪も素直に亜梨子の気持ちを受け入れる。そして、シオンとモクレンも時を超えてお互いに愛し合っていることを知り地球の大気となって亜梨子と輪を見守る。輪は輪を受け入れると決意してくれた母親の元に戻り日常生活を取り戻す。後に亜梨子と結婚し子供を授かる。

『ぼくの地球を守って』の主な登場人物・キャラクター

主要キャラクター

坂口亜梨子(さかぐちありす / CV:白鳥由里)

北海道から東京に転校してきたが環境に馴染めずにいた。絶世美女モクレンの金髪ロングヘアーのように黒髪のロングヘアーが特徴。小さい頃から動植物の感情のようなものを感じる事が出来る。お隣の小林輪にいじめられている為苦手に感じている。ムーン・ドリームで見たシオンに憧れを抱いている。モクレンの記憶が覚醒した時にはモクレンと同じくキチェ=サージャリアンの証である額の印やキサナドで植物を成長させる能力も覚醒している。輪の孤独を理解しようと努力し、徐々に9歳下の輪を異性として意識する。現世でも異性にモテるのだが全く自覚していない。輪とはムーン・ドリームの一件を乗り越え後に夫婦となり子供を授かる。前世はモクレン(木蓮)。

小林輪(こばやしりん / CV:冬馬由美)

亜梨子と同じマンションでお隣さんの小学2年生。シオンの記憶が覚醒した後は宙に浮いたり瞬間移動をしたりとシオンの持っていた強いサーチェスにも目覚める。容姿は前世のシュウカイドウとそっくりである。亜梨子の気を引きたくて何かと亜梨子をからかうが嫌がられてしまう。小学2年生の輪には戦災孤児だったシオンの過去は辛すぎるもので、精神的に不安定になり人格までシオンに乗っ取られるような形になってしまう。前世に怯えキィ・ワードを集め月基地の爆破をしようとする。前世はシオン(紫苑)。

小椋迅八(おぐらじんぱち / CV:森川智之)

亜梨子と同じ高校に通う同じクラスの同級生。見た目は前世のギョクランとあまり変わらない。前世ではモクレン、現世では亜梨子に恋をしている。亜梨子に告白するが振られてしまう。前世のギョクランより強いサーチェスを持っている。しかしとても不安定で、自分の意志で毎回使用できているわけではない。シオンとギョクランのように現世でも輪と迅八はぶつかり合っている。同じ中学の親友、一成とは同じタイミングで同じ夢をみる。前世の人物が本当か証明するために全員のキィ・ワードを集める提案をする。前世は玉蘭(玉蘭)。

錦織一成(にしきおりいっせい / CV:置鮎龍太郎)

亜梨子と同じ高校に通う同級生。ストレートの黒髪をショートボブにしているが前世のエンジュが女性だったためかかなり中性的な見た目をしている。中学から迅八と同じタイミングでムーン・ドリームをみているが、これはエンジュのもつテレパスの影響によるものである。前世でギョクランに報われない恋をしておりそのことから生まれ変わったらギョクランの親友になりたいと願い男性になって生まれ変わった。しかしムーン・ドリームが進むにつれてエンジュの気持ちが強くなり男性でりながら迅八に惹かれそうになってしまう。そのことを前世で親友だった桜に見破られ何のために男性に生まれたのかエンジュの思いを再認識し過去の思い引きずられず未来をみて生きることをはじめた最初のメンバー。将来は桜と結婚する。前世はエンジュ(槐)。

国生桜(こくしょうさくら / CV:松井菜桜子)

大介と偶然乗り合わせたバスが事故を起こし、その時に前世で唯一の神とされたサージャリムの名前をと叫んでいたことがきっかけで大介と知り合う。前世でも現世でも気が強いところは変わらない。前世ではショートヘアーだったが密かにエンジュの美しさとまっすぐな性格に憧れていた為、現世ではエンジュのストレートヘアーを真似している。前世でエンジュの相談役だったように現世でも一成の相談役になる。一成と春彦が川に飛び込む現場を目撃する。将来は一成と結婚する。前世はシュスラン(繻子蘭)。

土橋大介(どばしだいすけ / CV:飛田展男)

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