ドリームガールズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ドリームガールズ』とは、2006年にアメリカで製作されたミュージカル映画。ソウル/R&B系レコードのモータウン・レーベル所属の黒人女性グループ、ダイアナ・ロスとスプリームスをモデルに、実話を素に描かれたブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品。アメリカにおける60年代から70年代の音楽シーンと華やかなショービジネス界を背景に、デトロイトで結成された黒人女性ボーカル・グループ『ザ・ドリームズ』のサクセス・ストーリーと、その裏にある確執・裏切り・挫折など、様々な人間ドラマを描く。
デトロイト出身の黒人女性グループ、ドリーメッツの一員。
常に明るくのんびりしたムードメーカーで、コーラス担当にも満足している。ジミーのバックコーラスに決まった時は一番喜び、妻帯者と知りながら彼に近付き、やがて不倫関係に陥る。
スプリームスのメンバー、メアリー・ウィルソンからインスパイアされたキャラクター。
ジェームス・"サンダー"・アーリー / "ジミー"・アーリー(演:エディ・マーフィ)
本名はジェームス・"サンダー"・アーリー(ジミーは通称)。
マネージャーのマーティと二人三脚で、ソウル/R&Bの音楽シーンで人気となった黒人シンガー。
元々ソウルにこだわっていたが、「伝統的なソウルの枠を越えてポップな市場を狙う」というカーティスのレインボー・レコードに所属してからはメジャーとなる。のちに音楽の方向性が見い出せないストレスから、ヘロインを使用するようになる。妻帯者だが女好きで、仕事で共演するコーラスの女性にすぐ手を出す。ドリーメッツがコーラスに付いてからはローレルと不倫関係になった。
リトル・リチャード、ジェームス・ブラウン、サム・クック、ジャッキー・ウィルソン、ウィルソン・ピケット、マーヴィン・ゲイ等のソウル/R&Bシンガーからインスパイアされたキャラクター。
C.C.ホワイト(演:キース・ロビンソン)
エフィの実兄。
デトロイトで、ドリーメッツ結成以来ずっとオリジナル曲を提供してきた音楽家。作詞・作曲の他、振り付けも担当する。
カーティスに才能を買われ、ジミーにも気に入られ、レインボー・レコードでジミーやザ・ドリームズのヒット曲を次々と生み出していく。
モータウンの歌手でソングライターのスモーキー・ロビンソンからインスパイアされたキャラクター。
マーティー・マディソン(演:ダニー・グローヴァー)
ジミーを10歳の頃から育ててきた老齢のマネージャー。
ソウルフルな本物の音楽を愛するが故、ジミーに路線の変更を主張するカーティスの考えに納得できず、またマネジャーとしてもプロデューサーとしても頭角を現していくカーティスに嫉妬するようになり、彼と口論の末、ジミーのマネージャーを辞める。のちに、デトロイトでドリームスを除外されたエフィと再会、彼女のソロ活動を手助けする。
ミシェル・モリス(演:シャロン・リール)
ザ・ドリームズにエフィと入れ替わりで加入する新メンバー。
当初は、レインボー・レコードの秘書としてカーティスに雇われ働いていたラッキー・ガール。
ディーナ・ジョーンズとザ・ドリームズとなって以降、「同じ街で育ったディーナとローレルとミシェルの3人」と紹介され、エフィとすり替えられていた。その後、C.C.と恋愛関係になる。
スプリームスのメンバー、シンディ・バードソングがモデルとされる。
ウェイン(演: ヒントン・バトル)
デトロイトでカーティスが経営する中古車販売店で働く従業員。
後にレインボーレコードを立ち上げたカーティスの片腕として、レコーディングに立ち会い、音楽業界で働くことになる。
マジック(演:マライア・ウィルソン)
エフィの子供で9歳になる娘。デトロイトのエフィの父親のもとで母と暮らしている。
エフィがカーティスと付き合っていた頃に宿した子供だが、カーティスはそのことを知らない。
『ドリームガールズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「俺が流れを変えてやる!」
タレントコンテストに出場したドリーメッツだったが結果は落選。ガックリしている彼女たちに声を掛けて来たのが、中古車ディーラーを営むカーティス・テイラー・ジュニアという男だった。彼が「アマチュアコンテストなんかやめろ!」と言った後に自信たっぷりに放ったセリフ。そして、ジミー・アーリーという人気ソウルシンガーのバックコーラスを勧めた。
ドリーメッツの歌と彼女たちの姿を見てピンと来るものがあったカーティス。音楽業界には縁もゆかりもない彼が一か八かの大博打を討つきっかけとなった名セリフであり、カーティスとドリーメッツの出会いとなる名シーンでもある。
ザ・ドリームズ誕生
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目次 - Contents
- 『ドリームガールズ』の概要
- 『ドリームガールズ』のあらすじ・ストーリー
- バックコーラスとして活躍を始めたドリーメッツ
- 敏腕マネージャー・カーティス
- ザ・ドリームズの栄光と挫折
- それぞれの道へ
- 『ドリームガールズ』の主な登場人物・キャラクター
- カーティス・テイラー・ジュニア(演:ジェイミー・フォックス)
- ディーナ・ジョーンズ(演:ビヨンセ・ノウルズ)
- エフィ・ホワイト(演:ジェニファー・ハドソン)
- ローレル・ロビンソン(演:アニカ・ノニ・ローズ)
- ジェームス・"サンダー"・アーリー / "ジミー"・アーリー(演:エディ・マーフィ)
- C.C.ホワイト(演:キース・ロビンソン)
- マーティー・マディソン(演:ダニー・グローヴァー)
- ミシェル・モリス(演:シャロン・リール)
- ウェイン(演: ヒントン・バトル)
- マジック(演:マライア・ウィルソン)
- 『ドリームガールズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺が流れを変えてやる!」
- ザ・ドリームズ誕生
- ジミーの死
- 「ザ・ドリームズは3人ではなく本当は4人です。」
- 『ドリームガールズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画化に至るまでのエピソード
- 実話との相違点
- ブロードウェイ・キャストの俳優も出演
- ミュージカル・ナンバーが追加された
- 『ドリームガールズ』の受賞歴
- 『ドリームガールズ』の音楽(主題歌・挿入歌・劇中歌)
- 「MOVE」
- 「Fake Your Way To The Top」
- 「Cadillac Car」
- 「Steppin' To The Bad Side」
- 「Love You I Do」
- 「I Want You Baby」
- 「Family」
- 「Dreamgirls」
- 「Heavy」
- 「 It's All Over」+「And I Am Telling You I'm Not Going」
- 「When I First Saw You」
- 「Patience」
- 「I Am Changing」
- 「I Meant You No Harm」+「Jimmy's Rap」
- 「One Night Only」
- 「One night only (disco version )」
- 「Listen」
- 「Hard to say Goodbye 」
- 「Dreamgirls (Finale)」
- 『ドリームガールズ』の関連映像
- Blu-ray発売 予告編映像