ISLAND(アイランド)のネタバレ解説・考察まとめ

『ISLAND』とは、フロントウイングより2016年に発売されたノベルゲーム、およびそれを原作としたアニメである。アニメ版の第9話と第10話は『NEVER ISLAND』の名称で放送された。
離島の浦島に流れ着いた青年・切那は、「世界を救う」という使命以外の記憶を失っていた。彼は浦島御三家の一つである御原家の跡取り娘・凛音の家で使用人として働きながら、自身の記憶と世界の謎を解き明かしていく。古の伝承や風土病、本土との確執などの伏線が散りばめられたSFファンタジー。

浦島に嵐が来た後にだけ、海に現れるという謎の島のこと。島の名称は「暴龍島」という。
実際は嵐の後でなくても海上に存在する。
5年前に遭難した凛音と真の切那が流れ着いた島であり、コールドスリープの装置が隠されていた。玖音は捜索が打ち切られた凛音を探してこの島に辿り着き、装置の中で眠る凛音を発見する。また、装置を島から持ち出して、切那にタイムマシンが発明される未来まで眠り、タイムマシンで再び過去へ戻って凛音の死という現実を変えるように提案する。

アイランド

浦島から2万年後の世界の終りが近づいている世界で、人間の残された居住区域である地下シェルターのこと。
失われた技術で電気やガスの供給が行われており、シェルターの機械が故障したら誰も修理することは出来ない。そのため、使えなくなったシェルターの階層は放棄されている。しかし、放棄されたシェルターの中でも最下層のシェルターには、札なし(無戸籍)の子どもたちが密かに住み着いている。
アイランドの外は一面雪世界であり、人間が住むことができる場所はない。そのため、アイランドの外の世界に行くことは固く禁じられている。

アバロン

アイランドの外にあると伝えられている理想郷のこと。
強力な権威を持っている教会が探検隊を結成してアバロンを探しに行ったが、誰一人戻って来なかったと教会側は発表している。実際は帰って来た人物がおり、アバロンはどこにもないと判明したが、教会側はアイランドの平穏を守るために帰還者を殺して誰一人帰らなかったことにしたのだ。

カレンが手にしている環がリンネの札

アイランドの住人の戸籍のこと。
札と言っても常に首にかけるネックレスのような形をしており、これが無いと食糧の配給や住む場所の確保、病気の治療を受けることもできない。

札なしの子どもたち

親の思わぬ妊娠が理由で生まれた直後に捨てられたため、札(戸籍)を持たない子どもたちのこと。
アイランド最下層の地下シェルターに隠れ住んでおり、カレンをリーダーとした組織を作って助け合って生活している。密かに電気やガスを上の階層から盗み、配給場所で食糧を強奪しなければならないほど貧しい生活を送っている。食糧や住居の確保だけではなく、医療すら受けることが出来ない。
札(戸籍)を持たないため、教会や住民からは存在を認められていない。また、自分たちの食糧を盗む子どもたちであるため、敵対視されている。

反教会革命組織ネオアバロン

札なしの子どもたちをまとめる組織で、カレンがリーダーを務める。
メンバーは食糧の強奪作戦を決行しており、教会の衛兵から子どもたちを守るために避難や戦闘を主導している。教会のことを敵対視しており、食糧の横流しをしてくれるサラのことも信用していない人が多い。また、切那のことをサラの護衛と勘違いして、失神させた後で身体と引き換えに教会の情報を渡すように迫るなど、目的のためなら手段を選ばない。

『ISLAND』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

切那「とりあえずしばらく安静にしてろ。あと、こんなもん…お前に似合わないぞ」

第1話で切那にナイフで切りかかろうとした沙羅が足を滑らせて転んでしまい、鼻血を出す。とりあえず沙羅の鼻血の治療をしてから切那が沙羅に言った言葉。島のためにタイムトラベラーの存在を消そうとした自分にかけられた切那の言葉に沙羅は戸惑う。しかし、沙羅が初めて切那の優しさに触れる瞬間となった。

切那「若いクセに親の言いなりで簡単に諦めるなんてダメだ!自分に嘘ついて諦めてたら絶対後悔するぞ!」

第2話で御原家の使用人のバイトに応募しようとした夏蓮だが、「どうせ親父に戻される。時間の無駄なんだ」と諦めて帰ろうとする。しかし、切那は夏蓮をメイド服と一緒の部屋に押し込んで自分は外に出て、外から「それに着替えろ!」と言う。抗議する夏蓮に切那が発した言葉。「記憶がないくせにどうしてそんなこと言えるんだ!?」と言い返した夏蓮に、「分からんが…そう思うんだ。誰であろうと後悔だけはさせたくない、ってな」という呟きで切那は返す。このやり取りで、夏蓮は父親のせいにして諦めていた目的のためにお金を貯めようとアルバイトを始めることとなる。自分から行動しようという想いを夏蓮の中に生み出したきっかけとなる言葉だった。

凛音「今、私がここに居て、あなたが隣に居る…それは確かな事実じゃない?あなたは自分で切那って名乗った…私を見て凛音って言った。それは偶然じゃない、絶対『運命』だよ」

第2話の夏蓮とのやり取りの後、記憶すらない自分があんな大したことを言えたのかと悩む切那に凛音がかけた言葉。「存在してる理由なんて考えなくていい。そんなの必要ない。あなたがここに居るのは事実なんだから、記憶はゆっくり思い出していけばいい」という意味のこの言葉は、焦って迷いかけていた切那に一時の安心感を与えた。同じ記憶がない者同士で、同じ空白を抱えた凛音だからこそ言えた言葉だ。

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