アメリ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アメリ』とは、2001年に公開されたフランス映画。監督は『エイリアン4』のジャン=ピエール・ジュネ。アメリ役は『ダ・ヴィンチコード』出演のオドレイ・トトゥ、相手役のニノは『アサシン』に出演したマチュー・カソヴィッツである。22歳のアメリはアパートで一人暮らししながらカフェで働く。ある日、40年前に自分の部屋に住んでいた男のタイムカプセルを偶然見つけ、男に返してあげるという挑戦に成功。その後、スピード写真の撮影機の前で不思議な青年ニノに出会う。2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリ受賞。

ドミニク・ブルトドー

ドミニク・ブルトドーは、アメリの住む部屋にかつて住んでいた男性である。40年ほど前にアメリの部屋に住んでおり少年の頃、箱に宝物を入れて、壁のタイルの裏に隠していた。アメリに宝物を返されて、子供の頃の記憶がよみがえり、久し振りに娘に連絡をして孫に会いに行くことにする。

毎週火曜日には、チキンを一羽買い、オーブンで丸焼きにするのが習慣。出来立てをさばいて、腰肉を食べるのが楽しみである。映画の終盤では、孫に腰肉を食べさせる様子が描かれている。

俳優のモーリス・ベニシューが演じた。1980年の『汚れた夢』や2010年の『華麗なるアリバイ』等に出演。

ラファエル・プーラン

ラフェル・プーランは、アメリの父親である。元軍医であり、その後アンギャンの治療院に勤めた。薄い唇が冷淡さの印である。嫌いなことは、他人とトイレで一緒になること、サンダルをバカにした目で見られること、ぬれた水着が体に張りつくこと。好きなことは、壁紙を大きくはがすこと、靴を磨くこと、道具箱の中身を出して掃除して元に戻すこと。

娘のアメリの呼吸音を調べた際に、大きく高鳴る胸の鼓動を聞いて心臓病と勘違いした。そのため、アメリを学校に通わせなかった。妻の死後は、庭に妖精(ノーム)等の置物で飾った墓をつくり遺灰の入ったツボを置いて管理を趣味にしている。妖精(ノーム)の置物は退職記念にもらったものだが、アメリによって盗まれアメリの知り合いのキャビン・アテンダントから、世界の観光名所でノーム撮影された写真が自宅に贈られてくる。映画の終わりには、一人で旅行に出る姿がある。

演じたのは、俳優のルーファス(リュファス)である。『アメリ』と同監督の1991年『デリカテッセン』や2015年の『皆さま、ごきげんよう』等に出演した。

アマンディーヌ・プーラン

アマンディーヌ・プーランは、アメリの母親である。元教師で情緒不安定なところがある。目の痙攣が神経質の印とされている。嫌いなことは、長風呂してできる手のシワ、嫌いなタイプの人に触れられること、朝起きて頬にシワがつくこと。好きなことは、フィギュアスケート選手の衣装を見ること、床をぴかぴかに磨くこと、バッグから中身を出して掃除して元に戻すことである。

クジラという名前の金魚が「冷たい家庭に絶望した」ために金魚鉢から飛び出して、アメリが大泣きしたことで、同じことが起こらないようにクジラを川に話してしまう。息子の誕生をノートルダム寺院で願った帰りに、失恋して飛び降り自殺した旅行客の女性にぶつかり即死する。

演じたのは、フランスのコメディアンであるロレーラ・クラヴォッタ。映画出演は『アメリ』が初のようである。

フィロメーヌ

フィロメーヌは、アメリの友人の女性。キャビン・アテンダントをしており、フライト中はアメリにネコのロドリーヌを預けている。好きなものは、ロドリーヌの皿を床に置く音。ロドリーヌは、おとぎ話を聞くのが好きとされている。アメリに頼まれ、アメリの父のノームの置物を連れてフライトし、世界の観光地とノームが一緒に映った写真をアメリの父に送る役目をする。

演じたのは、アルメールという女性である。他の出演作やプロフィール等の情報は明らかでない。

エヴァ

ニノと同じポルノショップで働く女性。ニノを追ってポルノショップにたどり着いたアメリにニノについての情報を教えてくれる。
女優のクロード・ペロン(Claude Perron )が演じている。ブラックコメディー映画『ベルニー』で注目され、映画やテレビなどに出演している。2011年にNHKのドキュメントドラマ『カティアとモーリス 〜雲仙・普賢岳 火砕流に挑んだ夫婦〜』でカティア・クラフトを演じた。

『アメリ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

アメリは突然、世界と調和が取れたと感じた

「アメリは突然、世界と調和が取れたと感じた。柔らかな日の光、空気の香り、街のざわめきといった、すべてが完璧だった。人生はなんとシンプルで、明るく、澄み切っていることだろう。愛の衝動が体に満ちあふれた」というナレーションの中の言葉である。ブルトドー探しが成功した時のナレーションである。人助けが出来た時や何かに成功したとき、私たちもこのような気持ちになることがあるだろう。「世界と調和がとれた」という表現は決しておおげさではなく、もっともその気持ちを適格に表現している。

悪いけど、日曜日は働かないんだ

アメリがホームレスの男性にお金を渡そうとした時にかけられた言葉である。物語の中では特に重要なシーンではないが、ユーモアをもってフランス人の国民性を表しているシーンであり、「働きすぎ」といわれる日本人にとっては少し考えさせられる場面でもある。

ひとめぼれにもレシピがある。 材料は顔見知りの二人、互いの好意を絡ませてよく混ぜる。一丁上がり

simisao
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