アメリ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アメリ』とは、2001年に公開されたフランス映画。監督は『エイリアン4』のジャン=ピエール・ジュネ。アメリ役は『ダ・ヴィンチコード』出演のオドレイ・トトゥ、相手役のニノは『アサシン』に出演したマチュー・カソヴィッツである。22歳のアメリはアパートで一人暮らししながらカフェで働く。ある日、40年前に自分の部屋に住んでいた男のタイムカプセルを偶然見つけ、男に返してあげるという挑戦に成功。その後、スピード写真の撮影機の前で不思議な青年ニノに出会う。2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリ受賞。

ジョゼフは、アメリが働くカフェ「ドゥ・ムーラン」の常連客である。好きなことは、プチプチ(エアーパッキン)をつぶすこと。嫉妬深い性格で、店に来ては別れたばかりのジーナの様子を見張り、カセットテープに録音し逐一声に出して報告する嫌がらせをしているる。

アメリから「ジョルジェットがあなたを気にしている」と伝えられ、ジーナからジョルジェットに興味を移すようになる。ジョルジェットからスピードくじを買い一緒に楽しむことから始め、だんだんと二人は惹かれ合う。アメリの作戦により、ジョルジェットとトイレではちあわせし、そのままジョルジェットとセックスをする。その後、嫉妬深さが再発し、今度はジョルジェットの声を録音するようになる。

演じたのは、俳優のドミニク・ピノンである。『アメリ』と同監督作品の『デリカテッセン』や『エイリアン4』にも出演した。

ジーナ

ジーナは、カフェ「ドゥ・ムーラン」で働く女性である。祖母が治療師だったので、ジーナ自身も知識があり客の寝違えた首を直してあげることもできる。好きなことは指を鳴らすこと。過去つき合っていた常連客のジョゼフに、仕事中いつも監視されている。

ニノがカフェに現れた時、アメリに頼まれてニノのジャケットのポケットにアメリが書いたメモを入れてあげた人物。その後、メモについて聞きに来たニノを呼び出して、「ことわざをたくさん知っているか」を試し、いい人がどうかを確認する。ジーナの家の家訓で「ことわざを知っている人に悪い人はいない」といわれているそうだ。

女優のクロティルド・モレが出演した。2006年『譜めくりの女』や2015年『小間使いの日記』等に出演した。

ジョルジェット

ジョルジェットは、カフェ「ドゥ・ムーラン」の売店で働いている。病気魔とであり、頭痛や坐骨神経痛持ちで、すぐに湿疹が出る。嫌いなものは、祝福の祈りの言葉。

アメリに「ジョゼフはあなたに気がある」と言われ、自分も気にするようになる。一緒にスピードくじをしてから距離が縮まり、ジョゼフとの恋が始まる。しかしその後、ジョゼフから仕事中の様子を見張られるようになったため、気持ちが離れてしまう。

女優のイザベル・ナンティが演じた。2004年『巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)』や2014年の『ママはレスリングクイーン』等に出演した。

イポリト

イポリトは、カフェ「ドゥ・ムーラン」の常連客で売れない小説家である。好きなものは牛の角に突かれる闘牛士。「実際に起こったことではない災難を想像して日記に書き、ますます憂鬱になって何もできない男」の小説を書いている。嫉妬深いジョゼフに一言申したところ、取っ組み合いになった。
俳優のアルチュス・ド・バンゲルンが演じた。2012年のフランス映画『Sex, Lies and Surgery』では自らが監督としてメガホンを取り、主役を演じた。

コリニョン

コリニョンは、食料品店の店主であり、従業員のリュシアンをいじめる。リュシアンを可哀想に思ったアメリに、足用クリームと歯磨き粉の取り替え、ドアの取っ手を形の違う取手に替え、目覚まし時計の時間をずらされる等のいたずらをされる。それでも、リュシアンいじめを続けるため、さらに、スリッパをサイズが小さいものに取り換える、うるさい音が鳴る電球の付け替え、電話の設定を変更されて母親へ繋がる番号を心理カウンセラーにつながるようにされる、といういたずらをされる。

演じたのは、俳優のユルバン・カンセリエである。2007年『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! 』等に出演した他、2012年『スーサイド・ショップ』というアニメ映画に声優として出演している。

リュシアン

リュシアンは、コリニョンの食料品店で働く男性である。片腕がなく「宝石を扱うように野菜を扱う」と称されている。吃音症(どもる癖)を持つ。コリニョンからいじめられている。配達をするレイモンと親しくなり、絵を習うことになる。食料品の配達をするため、各家庭の鍵を持っており、レイモンがアメリにビデオメッセージを贈る際、協力する。
俳優のジャメル・ドゥブーズが演じた。2011年の『チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜 Poulet aux prunes』や2002年の『ミッション・クレオパトラ Astérix & Obélix: Mission Cléopâtre』に出演した。

マドレーヌ・ウォラス

マドレーヌ・ウォラスは、アメリの住むアパートの管理人である。1964年から管理人を務める。保険会社に勤めていた夫が、会社の金を横領し秘書と逃亡した。その夫は、南米に駆け落ちしたあと、1970年に交通事故で亡くなる。死んだペットである犬の「黒ライオン」の剥製を部屋に飾っている。夫からの手紙を大事にしており、アメリに読んで聞かせる。「マドレーヌのようにさめざめと泣く」ということわざがあり、自分は泣いて暮らす運命なのだと思い込んでいる。

数十年前に墜落した飛行機に手紙が積まれていたというニュースを見たアメリが、夫からの愛の手紙を偽造して送り、墜落した飛行機に積まれていたものとして届く。マドレーヌは、届いた手紙を読んで「自分は愛されていた」と喜んだ。

演じたのは、女優のヨランド・モローである。2004年の『When the sea rise』では、監督と主演を務め、セザール賞新人監督賞とセザール賞主演女優賞を受賞した。2008年には、『セラフィーヌの庭』でセザール賞主演女優賞と全米映画批評家協会賞主演女優賞 を受賞する他、様々な作品に出演している。

ドミニク・ブルトドー

ドミニク・ブルトドーは、アメリの住む部屋にかつて住んでいた男性である。40年ほど前にアメリの部屋に住んでおり少年の頃、箱に宝物を入れて、壁のタイルの裏に隠していた。アメリに宝物を返されて、子供の頃の記憶がよみがえり、久し振りに娘に連絡をして孫に会いに行くことにする。

毎週火曜日には、チキンを一羽買い、オーブンで丸焼きにするのが習慣。出来立てをさばいて、腰肉を食べるのが楽しみである。映画の終盤では、孫に腰肉を食べさせる様子が描かれている。

俳優のモーリス・ベニシューが演じた。1980年の『汚れた夢』や2010年の『華麗なるアリバイ』等に出演。

ラファエル・プーラン

simisao
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@simisao

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