Aimee Mann(エイミー・マン)の徹底解説まとめ

Aimee Mann(エイミー・マン)とは、アメリカバージニア州出身のシンガーソングライターである。1985年にティル・チューズデイのボーカリスト兼ベーシストとしてデビュー。解散後は1993年にアルバム『Whatever』でソロデビューした。人間の心の影を描いた独創的な歌詞と、凛とした美しい歌声が特徴である。2000年に映画『マグノリア』に曲を提供し注目を浴びる。海外メディアからの評価は高く、存命するソングライターのトップ10に入る存在、この世代で最も優れたソングライターの一人と評されている。

Live at St. Ann's Warehouse

2004年11月2日発売

DVD
1. The Moth
2. Calling It Quits
3. Sugarcoated
4. Going Through The Motions
5. Humpty Dumpty
6. Amateur
7. Wise Up
8. Save Me
9. Stupid Thing
10. Pavlov's Bell
11. Long Shot
12. 4th Of July
13. Red Vines
14. Invisible Ink
15. King Of The Jailhouse
16. Deathly

CD
1. The Moth
2. Sugarcoated
3. Going Through The Motions
4. Amateur
5. Wise Up
6. Save Me
7. Stupid Thing
8. That's Just What You Are
9. Pavlov's Bell
10. Long Shot
11. 4th Of July
12. King Of The Jailhouse
13. Deathly

キャリア初のライブアルバムである。2004年にブルックリンのセントアンズウェアハウスで行われたライブを録音したものが使われている。ライブ映像を収録したDVD付きの作品もリリースされた。(CDとは曲が一部異なる。)内容はこれまでにリリースした楽曲と、2005年に発売されることになるアルバム『The Forgotten Arm』から選曲になっている。DVDにはオフショットやインタビューも収録されている。

The Forgotten Arm

2005年3月3日発売

1. Dear John
2. King Of The Jailhouse
3. Goodbye Caroline
4. Going Through The Motions
5. I Can't Get My Head Around It
6. She Really Wants You
7. Video
8. Little Bombs
9. That's How I Knew This Story Would Break My Heart
10. I Can't Help You Anymore
11. I Was Thinking I Could Clean Up For Christmas
12. Beautiful

5枚目となるスタジオ・アルバムは、ベトナム帰還兵で麻薬中毒のボクサーとその恋人の物語を描いたコンセプトアルバムである。『The Forgotten Arm』とは、ボクシングの左フックに由来している。今作の特徴は、60年70年代ロックを意識したフォーキーな作風という点である。物語の舞台は70年代のアメリカであり、冒頭の「Dear John」から終わりの「Beautiful」まで、恋人との出会いや別れ、楽しみ悲しみ、心の状態を描いている。まるで1本の映画を見ているような、統一感のある仕上がりだ。アメリカビルボード200で、60位を記録した。

One More Drifter in the Snow

2006年10月31日発売

1. Whatever Happened To Christmas
2. The Christmas Song(Chestnuts Roasting On An Open Fire)
3. Christmastime
4. I'll Be Home For Christmas
5. You're A Mean One Mr. Grinch
6. Winter Wonderland
7. Have Yourself A Merry Little Christmas
8. God Rest Ye Merry Gentlemen
9. White Christmas
10. Calling On Mary

クリスマスのクラシックナンバーのカバーと、オリジナル曲2曲を収録したクリスマスアルバムである。エイミーはクラシックナンバーを現代風にアレンジしつつも、どこか懐かしいノスタルジックな仕上がりになっている。プロデューサー兼ベーシストには、古くからの友人であるポール・ブライオンが努め、その他の演奏者は過去にエイミーの作品に参加したことがあるミュージシャンを中心に起用している。たくさんのミュージシャンがカバーしている「The Christmas Song」、「I'll Be Home For Christmas」、「Winter Wonderland」、「Have Yourself A Merry Little Christmas」などの定番曲から、ソングライターのジミー・ウェッブの「Whatever Happened To Christmas」のようなあまり知られていない曲も収録されている。エイミーの夫であるマイケル・ペンが書いた「Christmastime」、このアルバムのためにエイミーが書いた「Calling On Mary」も収録されている。

@#%&*! Smilers

2008年6月2日発売

1. Freeway
2. Stranger Into Starman
3. Looking For Nothing
4. Phoenix
5. Borrowing Time
6. It's Over
7. 31 Today
8. The Great Beyond
9. Medicine Wheel
10. Columbus Avenue
11. Little Tornado
12. True Believer
13. Ballantines

2005年にリリースされた『The Forgotten Arm』が、1つの物語をテーマにしたコンセプトアルバムだったのに対し、今作は様々なストーリーを持つ曲を散りばめた、いわば短編小説のような作品である。プロデュースは今作も、長年の旧友でありバンドのベーシストであるポールブライオンだ。60年代ロックに影響を受けた、ポップなサウンドに原点回帰した作品でもある。一方で新たな試みとして、エレキギターを使わずキーボードを多用したサウンド作りを行っている。アルバムタイトル『@#%&*! Smilers』の「@#%&*!」の部分は伏せ字である。エイミーはこの伏せ字についてプレスリリースの中で、「我々を取り巻いている、たゆまなく幸せそうで光り輝き、笑顔振りまくポップ文化をユーモラスに風刺するフレーズ」、「みなさんの思い描いている卑語を入れて構わない」と語る。エイミーは歌詞の中に、風刺や皮肉を込めた言葉を使うのが特徴のアーティストであるが、今作もそんな皮肉をユーモアたっぷりにポップに歌い上げている作品だ。「Borrowing Time」は元々は映画「シュレック3」のために書かれた曲だが、不採用になったため歌詞の一部を変更しアルバムに収録された。アメリカビルボード200で32位を記録した。

Charmer

2012年9月18日発売

1. Charmer
2. Disappeared
3. Labrador
4. Crazytown
5. Soon Enough
6. Living A Lie
7. Slip And Roll
8. Gumby
9. Gamma Ray
10. Barfly
11. Red Flag Diver

8枚目となるスタジオアルバムは、今作も、エイミーのバンドのベーシストであるポール・ブライオンがプロデュースを担当している。エイミーの作品の中でもポップな印象を受けるアルバムである。今作で最も特徴的なのが、エレキギターを最小限にしてキーボードを多様していることである。「Charmer」、「Crazytown」、「Gumby」などに見られる、アップテンポで跳ねるようなリズムの楽曲が多くなっている。「Living A Lie」では、ゲストボーカルにアメリカのシンガーソングライターであるジェームズ・マーサーを迎え、息ぴったりのデュエットを披露している。アメリカビルボード200で33位を記録した。

Mental Illness

2017年3月31日発売

1. Goose Snow Cone
2. Stuck In The Past
3. You Never Loved Me
4. Rollercoasters
5. Lies Of Summer
6. Patient Zero
7. Good For Me
8. Knock It Off
9. Philly Sinks
10. Simple Fix
11. Poor Judge

5年ぶりのアルバムとなる今作は、アコースティックギターやピアノ、弦楽器を使った美しいサウンドのアルバムになった。今作についてエイミーは、70年代のソフトロックを沢山聴いて影響を受けたと語っている。タイトルの『Mental Illness』は、精神病、心の病という意味である。そのため病的な虚言者について歌った「Lies Of Summer」、ドラック中毒を歌った「Rollercoasters」のような曲が含まれる。洗練されたボーカル、大胆なストリングスとアコースティックギターによるハーモニーが楽しめる作品である。アメリカビルボード200で54位を記録した。

Queens of the Summer Hotel

2021年11月5日発売

1. You Fall
2. Robert Lowell and Sylvia Plath
3. Give Me Fifteen
4. At the Frick Museum
5. Home by Now
6. Checks
7. Little Chameleon
8. You Don’t Have the Room
9. Suicide Is Murder
10. You Could Have Been a Roosevelt
11. Burn It Out
12. In Mexico
13. Check(Reprise)
14. You’re Lost
15. I See You

4年ぶりのアルバムリリースとなる今作は、映画『17歳のカルテ』の原作者であるスザンナ・ケイセンの自伝にインスパイアされた楽曲が収録されている。もともとは、スザンナ・ケイセンの演劇ように作られた曲だったためだ。1分半から3分ほどの曲が多く、場面が次々に展開されていく。管楽器、弦楽器を担当するのは、エイミーの作品に長年携わっているポール・ブライオンで、曲に見事な色を添えている。リードシングルの「Suicide Is Murder」、「In Mexico、」、のようにワルツのリズムで演奏される曲が多くなっているのも今作の特徴だ。「Check」、「Check(Reprise)」のような1分に満たない曲は、演劇でいうところの場面切り替えの役割を持つ曲である。

ベストアルバム

Ultimate Collection

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