ニル・アドミラリの天秤(ニルアド)のネタバレ解説・考察まとめ

『ニル・アドミラリの天秤』とは、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム『ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚』原作のアニメである。大正25年の帝都で、人を死に至らしめる書物を巡る謎に、ヒロイン久世ツグミが翻弄されながらも立ち向かう姿を描く。

セーラー服

大正10年ころから、女学生の制服として、全国的に普及した。

歌謡

作中の歌謡の発表年は以下
「青い目の人形」大正10年(3話)
「金魚の昼寝」大正8年(5話)
「ゴンドラの歌」大正4年(8話)

令女界

ツグミが購読していた、若い未婚女性向けの雑誌『令嬢界』のモデルと思われるもの。
史実では、大正11~昭和25年まで刊行。批判精神に富み、恋愛小説や赤裸々な相談コーナーがあり、風紀紊乱をおそれて禁止していた女学校もあった。開明的な誌面作りをしていたと考えられる。

結婚適齢期

ツグミの学友は、生まれたときから許嫁がいたり、女学校卒業即結婚というケースもあった。18歳で縁談を持ちこまれたことを、ツグミは「遅すぎるくらい」と話している。
明治後期の女学校はだいたい12歳から15、16歳(卒業時は17歳)までの、4年か5年が修業年限。
欽定憲法では、女性は15歳で結婚できた。明治時代の適齢期は数えで17から19(満15~18)歳ぐらい。華族女学校(学習院女子部)では、在学中に縁談がまとまれば中退して結婚することも珍しくなかった。(参照『明治のお嬢さま』黒岩比佐子)

華族制度

男子のみが爵位を継ぐことを認められる。1907年(明治40年)の華族令改正より、華族とされる者は家督を有する者および同じ戸籍にある者を指し、たとえ華族の家庭に生まれても平民との婚姻などにより分籍した者は、平民の扱いを受けた。華族には様々な優遇があり、債権から逃れる方法もあった。

東京の交通事情

アジア初の地下鉄が、昭和2年に浅草~上野間で開通した。昭和9年に浅草~新橋の銀座線全通。
東京市の路面電車は、明治36年に品川ー新橋開通を皮切りに市街地を網羅し、関東大震災までが黄金期であった。震災後は、バスや鉄道の交通網が発達していく。

暗殺事件

陸軍中将の尾鷲が登場のたびに不満をもらしているのが、鵜飼政権の打ち出した軍縮政策。そして、カラスによる暗殺から、以下二件のテロが連想される。
五・一五事件は、昭和7年、海軍将校を中心とした軍人グループが、犬養毅首相を殺害したというのが概要。犬飼の前任者である若槻禮次郎政権下で、ロンドン海軍軍縮会議の批准をめぐり、海軍内でも賛否両派に分かれたことに端を発する。
血盟団事件は、五・一五事件の数か月前に起こった。軍人を含む極右による、政治家や財界人の暗殺計画であり、二名が落命した。殺された井上準之助は、元蔵相であり、海軍は予算削減のあおりを受けた恨みがあった。実行グループの海軍士官は、陸軍の賛同者に協力を求めて断られていた。

映画館

映画館の男女の席の区分けは、規則で決められていた。東京では、大正6年に施行され、昭和6年に廃止されているが、昭和10年代後半になっても席の区別は見られた。警視庁の出した規則は「活動写真館ニハ男女席及同伴席ノ区別ヲ設クルコト」(大正12年)であった。警察では、活動写真興行と売淫行為とを同列に見ていたのである。

『ニル・アドミラリの天秤』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):kradness『耽溺ミラアジュイズム』

ED(エンディング):下野紘『Black Thunder』

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