GLIM SPANKY(グリムスパンキー)の徹底解説まとめ

GLIM SPANKY(グリムスパンキー)とは「GLIM=幻想的」「SPANKY=攻撃的」という自らの音楽性をバンド名に掲げた男女2人組ロックバンド。1960~70年代の洋楽に影響を受けた平成生まれの2人だが、桑田佳祐、佐野元春、いとうせいこう、みうらじゅんなどの音楽マニアから称賛を受け、そのサウンドと歌詞は折り紙付きとなっている。古さと新しさを兼ね備えた新時代を代表するロックバンドである。

01. ダミーロックとブルース
02. FLOWER SONG
03. ミュージック・フリーク
04. Gypsy
05. 夜風の街

GLIM SPANKYがデビュー前に作ったミニアルバム。初の全国流通作品となった今作は、もともとリハーサルスタジオで録音したものを、レコーディングスタジオで録りなおしたもの。曲順にこだわっていて、曲から曲への繋ぎに色々な思いを込めている。テーマは決めていないが、全体的に反抗的な歌が多いのが特徴。聞く人に色々な想像をしてほしい作品。

「ダミーロックとブルース」
ブルース色の強い重厚なリフと「GLIM」の部分と「SPANKY」の部分両方を持ち合わせた曲。ダミーロックとは偽物の「鍵」もしくは「(音楽としての)ロック」どちらかの意味を含んでいると思われる。退廃的な世界観の中に「際限に立って駆けるんだって さぁ」などと強い意志が込められていることが分かる。

「Flower song」
余裕を持った前奏から快調なロックロールが始まり、ノリの良いリフが印象的な作品。歌詞は全体的に希望と不安が入り混じったような抽象的な表現だが、アップテンポの曲なので暗さは感じない。

「ミュージック・フリーク」
マイナー調の曲で松尾が中学生の時にウッドストックのライブDVDを夢中で見ていた時の記憶が大きく影響している。アコースティックで弾かれる泥臭いブルースの音色が印象的。

「Gypsy」
ギターを歪ませたゴリゴリのロックサウンド。サビで繰り返される「灰の罠」「灰の中」が一度聴いたら耳から離れない印象的な言葉である。これから険しい道を歩んでいくことを決めたような、勇ましい心が感じられる。

「夜風の街」
切ないバラードの曲。松尾いわく「志を同じくした2人の親友が時を経て、一人は東京、もう一人は故郷に帰ることを選択するストーリーが描かれている」という。GLIM SPANKYの曲の中では数少ない、現実的でノスタルジックな歌詞。

焦燥(MINI ALBUM / 2014.06.11 Release )

01. 焦燥
02. MIDNIGHT CIRCUS
03. ダミーロックとブルース (Live)
04. Flower Song (Live)
05. Rolling In The Deep
06. ひこうき雲

メジャーデビュー作品となったミニアルバム。スタジオ録音2曲と、ライブ収録2曲、カヴァー2曲からなるデビュー作品としては豪華な内容。名刺代わりの1枚としてこの色々な形の魅力を知ってほしいとの思いでこの形になった。

「焦燥」
閃光ライオットで演奏した曲だが、どこかに違和感があったのでプロデューサーのいしわたり淳治と話し合い、アレンジを練り直した。Aメロ、Bメロはヘヴィでずっしりとした音をギターとリズムで聞かせ、サビで突き抜ける爽快感が心地よい曲。レコーディングは、オカモトズのベースのハマ・オカモトと、くるりのサポートで知られるドラムのBOBOとで相談しながら作られた。

「MIDNIGHT CIRCUS」
マイナー調のダークなギター歪の中に、幻想的な歌詞と歌声が灯のように浮かび上がる「GLIM」の面を押し出した楽曲。

「Rolling In The Deep」
イギリス出身の女性歌手Adelのカヴァーで、土台にロックのにおいがするところがGLIM SPANKYと共通しており、それに加え、低いとことから高いところまで音域があることで歌のふり幅があるから。

「ひこうき雲」
荒井由実(松任谷由実)のカバーで、ジブリ映画「風立ちぬ」で起用されたことでも知られる名曲。カバーのきっかけは、直接影響を受けたわけではないが、GLIM SPANKYの曲が基本的に歌とギターだけで成り立つようにしているので、そういう部分でつながっていると感じたため。また、映画にもなり若い人でも知っていたことが大きい。

SUNRISE JOURNEY(ALBUM / 2015.07.22 Release )

01. 焦燥
02. サンライズジャーニー ※テレビ東京系『Crossroad』エンディングテーマ
03. 褒めろよ ※テレビ東京系深夜ドラマ『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』主題歌
04. MIDNIGHT CIRCUS
05. 踊りに行こうぜ
06. 夜が明けたら
07. さよなら僕の町
08. WONDER ALONE ※TVアニメ『秘密結社 鷹の爪 DO(ドゥー)』エンディングテーマ
09. ロルカ
10. 大人になったら ※2016年2月13日公開の映画『鉄の子』主題歌 /
11. リアル鬼ごっこ ※山田悠介原作・園子温脚本/監督映画『リアル鬼ごっこ』イメージソング

メジャーデビュー後、1stフル・アルバム。最初からコンセプトを決めて作ったわけではなく、完成した曲を集めてまとめた作品。しかし、11曲を並べたときに「"始まり”を予感させる」ことに気づいたので、作品が出来上がってからテーマを付け加えた。「褒めろよ」「リアル鬼ごっこ」はタイアップの話を貰ってから作ったが、そのお陰でアルバムとして、バンドとしても音楽的な幅が広がった。

「サンライズジャーニー」
「焦燥」のレコーディング直後に作成開始。音楽事務所から誘いを貰っていたが、納得いく相手ではなかった。しかし、現事務所のユニバーサルミュージックとの話し合いは愛情と熱意に満ちていて信頼できると感じた。その時感じたこれからの可能性や希望を曲にしている。

「褒めろよ」
ドラマの制作側から「ドラマに合っていれば、GLIM SPANKYの好きなようにやっていい」と言われたので、台本を読んで作った曲。ドラマの内容はコミカルだったが、エンディングで聞く人の耳に嵐のように爪痕を残して去っていくような曲にしたかったため、骨太なロックの曲になった。

「MIDNIGHT CIRCUS」
アルバム内で一番「GLIM」の部分を出している曲。こういう曲の方が作りやすく、自分たちの元からある部分を入れたくて選曲。煙に巻かれた真夜中の幻の世界のイメージで作られた。

「踊りに行こうぜ」
松尾が上京してからいつも通る道のことを歌っている。その通りの交差点のあちこちに花が添えられていて大きな事故が起こったのかと疑問に思っていると、道に引っ張られそうになったというホラー体験からできた曲。「大通りに行けば、死んでしまう」というテーマで作ったので、初めは「大通りに行こうぜ」という曲だった。

「夜が明けたら」
ミディアムバラードだが、周りの環境が変わっても純粋な気持ちを忘れずに進んでいけるようにとの思いを込めた、ポジティブな曲。アルバム内では繋ぎのように感じるが、朝の新鮮な空気ようなメロディーに、しっかりと希望や愛が歌われている。

「さよなら僕の街」
二人が卒業した高校の美術室で録音されたもの。松尾が大学に合格したばかりの頃に作ったもので、東京に出ていくときの気持ちをそのまま曲にした。音が外れても、何かの物音がしてもそのままが一番美しいと思い、加工することなく曲にした。

「 WONDER ALONE」
NHKアニメ「秘密結社 鷹の爪 DO(ドゥー)」のエンディングテーマになった曲で、原作者のFROGMANがGLIM SPANKYの楽曲を気に入ったことでタイアップになった。GLIM SPANKYの何事にも媚びないスタイルにも感動したようで日本の音楽が楽しみになったと記事で語っている。

「ロルカ」
高校生の時に作った曲だが、当時はバンドアレンジができずずっと弾き語りでやっていた曲。アルバムに入れる際にもう一つ違う音が欲しく、弦楽奏者の高田漣にスティールギターを弾いてもらったことでイメージに奥行きが出た曲。歌詞に出てくる「ロルカ」「アンダルシア」共にスペインにある都市の名前。

「大人になったら」
松尾が大学3年のとき持っていた世間に対する疑問を曲にしたもの。「焦燥」と同じく感情を爆発させて作ったもので、あっという間にできた。夢や憧れに鍵をしてしまった人の否定的な言葉を聞いて、この曲が鍵を開くきっかけになってほしいとの思いを込めた。

「リアル鬼ごっこ」
園子温監督の同名映画のタイアップで、園が原作も前作の映画も見ずに作っていたことに感銘を受け、同じように自由に作って、ぶつけ合いたいと感じた。なので、いい意味で映画の世界観に捕らわれない作品となっている。

ワイルド・サイドを行け(MINI ALBUM / 2016.01.27 Release )

01. ワイルド・サイドを行け ※テレビ東京系「ゴッドタン」2016年2月度エンディングテーマ ※テレビ神奈川「MUTOMA」2016年2月度オープニング・エンディングテーマソング
02. NEXT ONE ※ブラインドサッカー日本代表公式ソング
03. BOYS&GIRLS ※「トランスフォーマーフェス」テーマソング
04. 太陽を目指せ ※テレビ東京系2016年1月クール「ポンコツ&さまぁ~ず」エンディングテーマ
05. 夜明けのフォーク ※「秘密結社 鷹の爪 GT」 エンディングテーマ

【 DVD収録曲 】 2015/10/17 赤坂BLITZワンマン公演
01. サンライズジャーニー
02. 焦燥
03. MIDNIGHT CIRCUS
04. ダミーロックとブルース
05. 褒めろよ
06. WONDER ALONE
07. リアル鬼ごっこ
08. NEXT ONE
09. 大人になったら

これまで骨太なサウンドが特徴的だったが、このアルバムからはシンセサイザーやエフェクトを取り入れ、より多面的なサウンドアプローチを始めた。また、リズムの面でも「やったことのないリズムをやってみる」というキーワードの下、シャッフルなどの60~70年代の洋楽に影響を受けた二人ならではの感覚で取り入れ、現代的なサウンドに新しい切り口を開いた。

当初は松尾が今までの早い曲調とは真逆の曲調で行きたいと思っていたが、亀本からまだまだ認知されていないから速いテンポの曲で押していった方がいいと言われ、松尾も納得。全体的にアグレッシブな曲調が多い。

「ワイルドサイドを行け」
収録曲の中で一番最後にできた曲。松尾が今一番言いたいことは何だろうと自問した時に、「新しい時代を作りたい」と思ったことがきっかけで出来た曲。同世代のミュージシャンと新しい時代を切り開いていきたい気持ちや、大きなことでなくても、何かを成し遂げたい人の応援歌になってほしいとの気持ちを込めた。サウンドプロデュースとベースは亀田誠治。

「NEXT ONE」
ブラインドサッカー日本代表の公式ソング。タイアップのきっかけは日本ブラインドサッカー協会の事務局長が朝の番組でGLIM SPANKYの曲を聴いて気に入ったから。「タイアップは嫌いだが、GLIM SPANKYは好きだからソウル(魂)でつながりたい」との熱い言葉を聞き、二人が感動。歌詞にも上昇志向の熱い思いが込められている。

「BOYS&GIRLS」
歌詞にもある「大人を困らせようぜ」というキーワードを元に作られた。メッセージを決めてそこから歌詞を書いて行くのは、松尾自身初の試み。ブルースでよく使われるシャフルビートなので、曲全体に安定した一定のリズムがある。ちなみに、「大人を困らせようぜ」はみうらじゅん原作の映画「アイデン&ティティ」の中に出てくるセリフ。

「太陽を目指せ」
聞いている人を温かく抱きしめるような曲にしたくて作った曲。長野県の自然の中で育った二人が、東京ので感じた自然の尊さ、太陽の凄さに「どうせなら誰よりもデカい夢を描こう」というポリシーを重ね合わせて出来た曲。壮大な自然を感じられるように伸びの良い曲になっている。

「夜明けのフォーク」
松尾が大学2年の時に、映画学科の先輩に自主製作映画用に曲を頼まれて作った曲。映画の内容が大切な友達が死ぬというテーマだったが、松尾自身に身近な人が亡くなった経験が無かったため、当初は「どこか遠くへ行く」というイメージだった。しかし、このアルバム作成時の前年、尊敬していた友達のミュージシャンが亡くなりショックを受けたが、今ならこの歌を歌えると感じ、歌詞を練り直して新たに曲を完成させた。ロックは愛だ、希望だと本気で思っている松尾自身の気持ちを、素直に曲に込めた。

Next One(ALBUM / 2016.07.20 Release )

01. NEXT ONE ※ブラインドサッカー日本代表公式ソング
02. 怒りをくれよ ※映画 『ONE PIECE FILM GOLD』 主題歌
03. 闇に目を凝らせば ※映画『少女』主題歌
04. grand port
05. 時代のヒーロー ※Amazonオリジナルドラマ 『宇宙の仕事』 主題歌
06. 話をしよう ※NHK Eテレアニメ 『境界のRINNE』 第2シリーズエンディングテーマ
07. NIGHT LAN DOT
08. いざメキシコへ
09. 風に唄えば
10. ワイルド・サイドを行け

【 DVD収録内容 】
“ワイルド・サイドを行け” ツアーファイナル (2016.04.16恵比寿LIQUIDROOM) ライブ映像約50分収録

・ワイルド・サイドを行け
・褒めろよ
・リアル鬼ごっこ
・ダミーロックとブルース
・夜明けのフォーク
・BOYS&GIRLS
・時代のヒーロー
・NEXT ONE
・太陽を目指せ
・大人になったら
・話をしよう

前作から1年ぶりとなる今作は、バンドの特徴である「GLIM」と「SPANKY」の部分をより明確にした作品。さらに、この1年間でかなりの知名度を上げた結果、数多くのタイアップが付いている。特に、「怒りをくれよ」は映画「ONE PIECE FILM GOLD」の主題歌にもなりGLIM SPANKYが全国的に知られるきっかけともなった。

「怒りをくれよ」
ONE PIECEの原作者である尾田栄一郎がGLIM SPANKYを気に入ったことがきっかけでタイアップとなった。尾田が映画の総合プロデューサーを務めていたこともあり、かなりの自由が利いた様で、「GLIMらしい曲を」と以外は言われなかったという。最初に提出した曲も荒々しかったが、「もっとロックして、ダーティな曲がいい」と言われるほどGLIM SPANKYの骨太サウンドを気に入っていた様だ。

「闇に目を凝らせば」
映画「少女」の主題歌で、監督の三島有紀子が「NIGHT LAN DOT」を気に入り、こういう曲を作ってほしいとのオファーがあった。承諾はしたが、予想以上に注文が多かったようで「エンドロールで流すので、単純にエンドロールと分かるような感じではなく、お客さんがドキッとするような出だし」「ギター以外の楽器で始まってほしい」「売れ線形の曲じゃない方がいい」などの注文をされたが、逆に松尾の得意な幻想世界を描くことができたという。

「grand port」
1stアルバムリリースツアーの時に、フェリーに乗って北海道に行った時の体験がきっかけになって出来た曲。よほど楽しかったようで、その日の夜にすぐできたという。知らない土地で、夜、星が輝く空の下、ここから何が始まるのだろうと気期待に胸を膨らませた気持ちを表現してる。

「時代のヒーロー」
Amazonオリジナルドラマ「宇宙の仕事」の主題歌となった曲。こちらも制作側から「GLIM SPANKYが思うかっこいいロックをやってください」との言葉だけでオファーがあった。B級感のある宇宙がテーマの作品だったので、トーキングモジュレーターという楽器の音を専用のチューブで口の中に送り、声と楽器の音を共鳴させた音をマイクで拾うという、最近のJ-POPでは見られない、まさしくB級な器具を使用している。

「話をしよう」
アニメ「境界のRINNE」の主題歌。ある時、松尾と亀本がサポートメンバーと話をしていた時、お互い通じ合えていると思ったことが、まったく通じていなかったことがあった。境界のRINNEのオファーがあり原作を読んだとき、主人公の心のすれ違いが、その時の自分達と重なり、口に出して話をすることの大切さを込めた。

「NIGHT LAN DOT」
2人が大学在籍時に書いた曲。サビを1行書き換えただけで、他は当時と変わっていない。幻想世界の曲で特別な意味はなく、描きかけの現代美術のような感じをイメージしている。LANはネットのLANのことで、ある夜に色んな異世界とLANでつながる世界を歌った。

「いざメキシコへ」
アルバムの中で好き勝手やるロックがもう1曲欲しくなって書いた曲。松尾の父親がポエトリーリーディングが好きで、彼女も小さい頃に詩集を貰ったりして、影響を受けてきた。歌詞の中に出てくるアレン・ギーズバーグはその時貰った詩集の作者で、自分が育ってきた要素を表現したくて歌詞に出した。

「風に唄えば」
松尾が昼下がりに、部屋でギターを弾きながら晴れた窓の外を見ていたら、なぜか細野晴臣さんの「恋は雨」が流れてきて、その時の気分を歌った曲。また、その時周りのバンドが解散したりと暗いことが続いたため、それを跳ね除けるような曲も書きたかったことも影響している。

I STAND ALONE(MINI ALBUM / 2017.04.12 Release)

01. アイスタンドアローン
02. E.V.I
03. Freeder
04. 美しい棘 ※ドラマ『警視庁・捜査一課長 season2』主題歌
05. お月様の歌
▼ iTunes限定ボーナストラック ▼
06. NIGHT LAN DOT(live ver.)
07. 話をしよう(live ver.)
08. BOYS&GIRLS(live ver.)

【 DVD収録内容 】
全国ワンマンツアー “Next One TOUR 2016” ファイナル公演(2016.10.30新木場STUDIO COAST)ライブ映像約60分収録
・NEXT ONE
・ダミーロックとブルース
・闇に目を凝らせば
・grand port
・時代のヒーロー
・いざメキシコへ
・風に唄えば
・怒りをくれよ
・大人になったら
・ワイルド・サイドを行け
・リアル鬼ごっこ

前作から1年を待たずに出されたミニアルバム。5曲収録という少ない内容だが、この時すでに作成中の3rdアルバムへの橋渡しとして作られた。しかし、内容的には充実しており、「GLIM」「SPANKY」どちらの要素も深みを持った成長をしていることをうかがえる。特に今作から音色、歌詞共にサイケ要素を強く帯び始めたことが、3rdアルバムへの橋渡しとしての意味を持つ。

「アイスタンドアローン」
タイトルは英語だが、楽曲は半分以上が日本語なのでカタカナ表記にした。GLIM SPANKYの神髄である孤高であれというメッセージを改めて提示している。「ワイルド・サイドを行け」よりも、孤高の一人の大切さを込めている。サウンドは、松尾が今までやりたかったサイケデリックを取り入れたが、歌詞まで幻想世界だとマニアックすぎるからと、逆に力強いどっしりとした歌詞にした。

「E.V.I」
うぬぼれやが悪い夢を見てうなされている世界を表現。夢の中にいるような世界を第三者的な視点で書いている。歌詞がサイケデリックな表現をしている分、サウンドは亀本が好きなザ・ホワイトストライプスを意識したロックなリフ(ギターで同じフレーズを繰り返すこと)が重厚な世界を演出している。また、松尾が2週間フランス、ドイツ、アメリカを旅してきた時に訪れたMoMA(ニューヨーク近代美術館)で行われていた1990年代初頭の怪しげなポスターなどを飾った企画展を目にした時の感動を歌にしている。

「Freeder」
爽やかなフォークロックで、アルバムの中で一際清々しさを感じる曲。仮タイトルがそのまま曲名になったので、Freederは造語。この時期に亀本がアメリカンフォークロックなどのリズミカルでフォーキーなサウンドにはまっていたため、作った曲。歌詞も青臭いが心地よい爽やかさがある。

「美しい棘」
このアルバムのリードトラック。「大人になったら」の続きと思われがちだが、それよりも幼い時を歌っている。制作のきっかけは、松尾が京都に住んでいる友人と電話で学生の時の話をしていた時、時間が経ってもリアルに覚えていてまだまだ処理出来ない気持ちがあったが、電話を終えて実家に帰ると、記憶の中にある夕方の景色を思い出して、その頃の自分や友達にあった危うい無敵さを美しいと感じ歌にした。

「お月様の歌」
何かの比喩ではなく、松尾が昔から毎晩月を見るたびに「こんばんはお月さん」と挨拶するほど、お月様に恋をしていて、その気持ちを歌にした。GLIM SPANKY史上もっとも優しい声で歌われているが、亀本曰く「これが僕の知っているレミさん」。

BIZARRE CARNIVAL(ALBUM / 2017.09.13 Release)

01. THE WALL
02. BIZARRE CARNIVAL
03. The Trip
04. 吹き抜く風のように
05. Velvet Theater
06. END ROLL
07. Sonntag
08. ビートニクス ※映画「DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団」主題歌
09. 美しい棘
10. 白昼夢
11. アイスタンドアローン

【 DVD収録内容 】
「GLIM SPANKY 野音ライブ 2017」(2017.06.04 日比谷野外大音楽堂)
・美しい棘
・夜風の街
・怒りをくれよ
・Freeder
・お月様の歌
・闇に目を凝らせば
・ダミーロックとブルース
・褒めろよ
・時代のヒーロー
・アイスタンドアローン

3rdアルバムとなる今作は、GLIM SPANKYの真骨頂となるサイケデリックサウンドを前面に押し出した意欲作。「I SATND ALONE」から地続きに鳴り響いてきたGLIMサウンドが、3rdアルバムで更に一歩踏み込んだ進化を遂げ、集大成として花開いた形だ。ジャケットもサイケが好きな松尾が手がけ、衣装や小道具、謎の登場人物達も彼女自身が発案し、私物を持ち込んだり、自ら作ったという手の込み様だ。GLIMが目指した「ロック的でアート的で見栄えも良い」と言うテーマを形にした作品とも言っている。

「THE WALL」
ボーカルにリバーブが聞いていて大きな空間で聞いてるような伸びがある。アルバムの始まりに相応しい、60年代の王道ロックサウンドのように感じるが、インド音楽のような音階や、シタールのような音を出してサイケにアプローチしている。

「BIZARRE CARNIVAL」
タイトル曲だが、初めはアルバムタイトルだけに使っていた。しかし、松尾が気に入っていたこの曲をどうやってリスナーに聞かせようか考えた時に、このアルバムタイトルを曲名にしようと思いついた。ビートルズの「サージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンド」などからのサイケ要素を多く含んでいる。

「THE Trip」
ゆったりしたテンポで、穏やかな空間を感じるが、間奏からサイケ感が出て絶妙なサウンドになるところがGLIMらしい曲。1960年代に活動していた、ザ・バーズというバンドのサイケサウンドを意識している。歌詞に出てくるニールは、歌手のニール・ヤングのこと。

「吹き抜く風のように」
颯爽としてシンプルなロックナンバー曲。作成のきっかけは、松尾の祖父が亡くなった時、母が無宗教だからと葬式を行わず、お別れ会のような簡素な形で、松尾が歌を歌ったりと自由な空気で弔ったのだが、最後に遺骨を見た時には手を合わせたくなる衝動に駆られた。その後、宗教や魂の意味をよく考えた結果、自由も悪くないが、宗教などの心の拠り所がないことは、逆に自分自身を強く保っておかないといけないことに気づき、その思いを歌にした。

「Velvet Theater」
この中で唯一、デビュー前に作られた曲で、昔からライブではよく演奏されてきた隠れた常連ナンバー。ファンにとっては待望のCD化で喜びの声が上がった。歌詞の内容は、夜の不思議不思議な風景を歌っている。

「END ROLL」
ギターの歪が重たいがりずみかるでダンサブルなナンバーだ。しかし、ただ楽しいだけではなく、ちょっと怪しく美味しいお酒を飲めるようなノリを出すことも作成時に重視されている。

「Sonntag」
読みは「ゾンターク」。ドイツ語で日曜日の意味。この曲は松尾がフランス、ドイツ、ニューヨークを旅した時のドイツ・ベルリンで行われていたチーズフェスタの事を歌にしている。夜に行われていたそのフェスタは、ベルリンの中でも1、2を争うほどに治安が悪い場所を通らねばならず、電車を降りてフェスタに行くまでの間にあった押し売りや、公園に居た怪しげな連中から逃げた経験が元になっている。

「ビートニクス」
この中で一番アップビートの曲。ビートニクスとは1955年から1964年頃にかけて行われていたアメリカの文学運動「ビート・ジェネレーション」のこと(詳細はリンクへ)。松尾がケルト文化などと同じく影響を受けている文化。

「白昼夢」
ラグタイム風のノリに、ファンタジックな歌詞が印象的な曲。松尾が実家に帰った時に、子供の頃に気持ちの良い昼下がりの日差しの中で、昼寝をした思い出を歌にしている。

「アイスタンドアローン」
GLIM SPANKYのフルアルバムでは、毎回前作のミニアルバムのタイトルナンバーががラストに来るのが恒例。理由は、ミニアルバムがその年のGLIM SPANKYの方向性を示しており、フルアルバムでもう一度その気持ちをリスナーに示すため。

GLIM SPANKYの代表曲

焦燥

このMVには、ユニバーサルミュージックのGLIM SPANKYのページで下記のような解説が載せられている。また、サイトでは、いしわたり淳治、BOBO、ハマ・オカモト、MVディレクターの鎌谷聡次郎からのコメントも寄せられている。

オイルアートが取り入れられ、まるで美術館に迷い込んだようなアーティスティックな空間が広がったものになっている。同じオイルアートは二度とできないため、かなりの緊張感に包まれた中で撮影が行われた。様々な表情をみせるオイルアートに、芸大出身の松尾レミは興味深々で、職人技を食い入るように見ていた。
また、“祭壇マニア”という変わった趣味を持った監督のアイディアで、“神輿(みこ)られている”状態のメンバーも出演している。神や精霊へ捧げるというイメージらしいが、“神輿(みこ)られている”がどういう状態か気になったらMusic Videoをチェックしてみてほしい。
今作「焦燥」は、Vocal/Guitarの松尾レミが、17歳の時に生まれて初めて他者に聴かせることを意識して書いた楽曲であり、メンバーにとって非常に思い入れのある、大切な1曲でもある。
白昼夢の様な多くの謎めいたシーンで構成され、“焦燥感”を見事に演出したMusic Videoは必見‼。

出典: www.universal-music.co.jp

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