『P.T.』公開当初の様子を紹介!世界中のホラーゲームに影響を与えた衝撃作
ここでは2014年に公開されたホラーゲーム界の衝撃作『P.T.』の公開当初の様子から、配信が停止されるまでの流れをまとめた。『P.T.』は「プレイアブルティザー」の略で、「サイレントヒル」シリーズの新作の広告としてリリースされた短編ゲームだった。企画がとん挫すると同時に配信は停止され、幻のゲームとなってしまったが、『P.T.』は世界中のクリエイターやゲームファンに多大な影響を残した。
ドイツで大規模ゲームイベントが開催
2014年の8月13日から8月17日まで、欧州最大のゲームイベント「gamescom」がドイツのケルンにて開催された。
突然謎のゲーム『P.T.』の配信が開始
イベントで謎のゲーム『P.T.』のムービーが公開され、その後、間もなく本作の体験版もPS Storeでリリース。無料で全世界に公開された。制作は「7780s STUDIO」というインディーズゲームスタジオ。
とにかく怖いと話題に
このゲーム、とにかく怖いと話題になった。
ある家を舞台に、移動とズームの2つだけでゲームが進行する。重たい雰囲気と恐怖を掻き立てるサウンドの中、同じ場所をループしながら謎を解いていくというもの。
『P.T.』とは
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人気ゲーム『メタルギア』シリーズを手掛けてきた小島秀夫監督と、映画『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督がタッグを組み、「サイレントヒル」シリーズの作品制作に着手したことが明かされた。
この『P.T.』とは、小島秀夫監督とギレルモ・デル・トロ監督のタッグ作のタイトル宣伝PVならぬ、宣伝ゲームだったのだ。数々の謎をすべて解いた時、プレーヤーの前に新規タイトルへの扉が開かれるとのこと。
ちなみにタイトルの「SILENT HILL」を邦訳すると「静かな岡」となるが、縮めれば“静岡”となる。Googleで静岡を検索すると面積が表示されるのだが、それが“7780”の所以だという。
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『P.T.』はなぜ怖いのか
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制作者の名前を伏せたり、意味の分からないタイトルにすることで、恐怖を演出している今作。「どこの誰がどんな目的で作ったかわからないもの」というシチュエーションでプレイすることが、最も怖さを感じることができるのだ。
ゲームエンジンは「Fox Engine」を採用しており、グラフィックスの美しさは言うまでもなく、見ているだけで恐怖が伝わってくる。
昨今はビデオゲームがとても親切で、とにかく情報が多い。しかしながら、小島監督は「そういうプロらしさが残っていると、怖さが減ってしまう」と発言。
「体験版だしすぐに終わるだろう」と踏んで堂々とプレイしていると、謎解きが予想以上に難しく、5時間経っても最後の難問が解けなかったというプレイヤーもいた。
またゲーム開発者さえも、ゲームのチェックプレイを避けていたというほど、本作は怖かったそう。ゲーム開発者は「怖くて仕方がない場合は途中でやめてもらってもいい」と断言している。
新しい遊び方を提案した「業界初の取り組み」
「P.T.」とは「Playable Teaser」の略。「インタラクティブに遊ぶことができるティザーを作りたかった」と監督は語っている。
『P.T.』というタイトルのゲームが発売されるわけではなく、怖がっている映像を他の人に見てもらって、ゲームの輪が広がる仕掛けを試してみたかった。1つのゲームをよりどころとして、世界中の人がコミュニケーションして正解にたどりつくティザーゲームを作りかったことを明かした。
ネットでは、そんな本作を攻略すべく、全世界でフラグの解読が進められているが、その方法を確立させた人物はいなかった。
そんな中、イギリスの女の子がTwitchを介して世界中の人々とゲームをクリア。それを受け、監督は「まだ遊んでない方はぜひやってください。怖いので友達同士で集まってワイワイやったりとか、Twitchでみんなとネットで繋がってやった方がいいですね」とも発言した。
小島監督の思い
小島監督は『P.T.』について、以下のように語っている。
「PT」は業界初のプレイアブル出来る「ゲームならではのティザー」。こういう手法が定着すればゲームならではの広がりと可能性が生まれると信じる。その正体がわかった後も充分楽しめると思うので是非体験して欲しい。また怖がりにひとは誰かの実況プレイをみてください。
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) August 16, 2014