
『花燃ゆ』(はなもゆ)とは、2015年1月4日から放送されたNHK大河ドラマ。大河ドラマとしては第54作目にあたり、吉田松陰の末妹で、後に久坂玄瑞の妻となる杉文(後の楫取美和子)の生涯を描いた作品となっている。主演はテレビドラマ『花より男子』などで知られる女優の井上真央が務め、伊勢谷友介や大沢たかおといった人気俳優たちが脇を固める豪華出演陣でも話題となった。
来島 又兵衛(きじま またべえ/演:山下真司)

もともと算術が得意で藩の金銭出納・財政を仕事としていた進発派の長州藩士。馬術や武術にも優れる。
椋梨家の人々
椋梨 藤太(むくなし とうた/演:内藤剛志)
幕末期の長州藩で、権勢を誇った重臣。もともとは藩の歴史や記録を編さんする役所にいたが、40代半ばを過ぎて、政治の中枢を担う役に抜擢された。長州藩と幕府が対立すると、幕府への恭順を示し、反対する勢力を次々に粛清していくが、反旗を翻した高杉晋作・伊藤博文らによってついに政権の座から降ろされる。戦いに敗れ、脱走を試みるも捕らえられ、処刑される。
椋梨 美鶴(むくなし みつる/演:若村麻由美)
長州藩の重臣・椋梨藤太の妻。夫の藤太は藩の中枢で権力を振るうが、高杉晋作らと対立し、敗れて追放されたため、美鶴に関する資料はほとんど残っていない。ドラマでは、藩士の妻たちの中でも一目置かれる存在で、野望を秘めた女性として描いていく。派閥争いの中で、藤太が小田村伊之助を取り込もうとすると、伊之助の妻である文の姉・寿に近づく。
松下村塾の塾生たち
高杉 晋作(たかすぎ しんさく)(演:高良健吾/山崎竜太郎(少年期))

幼少期の高杉
長州藩でも名門の高杉家の嫡男として生まれる。藩校・明倫館で学んだ後に松下村塾に通う。松陰からは「将来、人の上に立つ人材だ」と才能を高く買われていた。
松陰の死後、上海に渡り中国の惨状を目にした高杉は、イギリス公使館焼き討ちを行うなど、過激な尊王攘夷活動を実行していく。1863年、外国からの防備のため、奇兵隊を結成するが、四国艦隊による下関が砲撃や幕府による長州征討が進められる中、幕府への恭順を唱える「俗論派」が台頭。高杉は「俗論派」を一掃し、長州藩諸隊の軍備強化に取り組んだ。1866年、幕府との戦い(小倉口の戦い)の最中に持病の肺結核が悪化。翌年、下関新地で29年の短い生涯を終えた。
吉田 稔麿(よしだ としまろ/演:瀬戸康史)

松下村塾の塾生。高杉晋作・久坂玄瑞・入江九一らとともに松下村塾の四天王と称されている。実直な人柄で、松陰から特にかわいがられた。情報を集めるのが得意で、江戸に出てからは幕府とのパイプを使い、重要な情報を入手しては松陰に伝え続けた。松陰の死後、尊王攘夷運動に傾倒していったが、元治元年(1864年)、池田屋事件に遭遇して討ち死にする。
同じ塾生で後に明治政府の内務大臣にもなった品川弥二郎は「もし稔麿が生きていたら総理大臣になっていただろう」と語ったと言われている。
伊藤 博文(いとう ひろぶみ/演:劇団ひとり)

松下村塾の塾生。貧しい農民の家に生まれたが、父親が萩の下級武士の家を継いだため、自身も下級武士に連なる。松陰の死後、井上馨らとイギリスに秘密留学。帰国後、塾生の高杉らと行動をともにし、倒幕運動へと突き進んでいく。明治政府樹立後、岩倉使節団の副使として欧米を視察。大久保利通の死後、内務卿となった伊藤は憲法の制定に尽力し、日本初の内閣総理大臣となった。
入江 九一(いりえ くいち/演:要潤)

画像右が入江
松下村塾の塾生。高杉晋作・久坂玄瑞・吉田稔麿らとともに松下村塾の四天王と称されている。下級武士の家に生まれたため、働きながら家計を支え、学問に励んだ。松陰の思想に深く傾倒し、他の塾生が過激さを増す松陰から距離を取ろうとしたのに対し、投獄されるまで弟の野村靖とともに最後まで松陰に従った。松陰の死後はさらに尊王攘夷運動に奔走し、下関砲撃事件や奇兵隊の結成に関わった。禁門の変では参謀として会津・薩摩連合軍と戦ったが、重傷を負って自刃した。
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目次 - Contents
- 『花燃ゆ』の概要
- 『花燃ゆ』のあらすじ・ストーリー
- 松下村塾での青春
- 激動の幕末
- 「美和」としての再出発と女子教育への尽力
- 『花燃ゆ』 の登場人物・キャラクター
- 杉家
- 杉 文(すぎ ふみ)/楫取 美和子(かとり みわこ)(演:井上真央/山田萌々香(少女期))
- 杉 寅次郎(すぎ とらじろう)/吉田 松陰(よしだ しょういん)(演:伊勢谷友介/板垣李光人(少年期))
- 久坂 玄瑞(くさか げんずい/演:東出昌大)
- 杉 百合之助(すぎ ゆりのすけ/演:長塚京三)
- 杉 滝(すぎ たき/演:檀ふみ)
- 玉木 文之進(たまき ぶんのしん/演:奥田瑛二)
- 杉 梅太郎(すぎ うめたろう/演:原田泰造)
- 杉 寿(すぎ ひさ/演:優香)
- 杉 敏三郎(すぎ としさぶろう)(演:森永悠希/大橋律(少年期)/山田瑛瑠(幼年期))
- 杉 亀(すぎ かめ/演:久保田磨希)
- 玉木 彦助(たまき ひこすけ/演:冨田佳輔)
- 藩主毛利家
- 毛利 敬親(もうり のりちか/演:北大路欣也)
- 毛利 都美子(もうり とみこ/演:松坂慶子)
- 毛利 元徳(もうり もとのり/演:三浦貴大)
- 毛利 銀姫(もうり ぎんひめ)/毛利 安子(もうり やすこ)(演:田中麗奈)
- 毛利 元昭(もうり もとあきら/演:板垣瑞生)
- 長州藩士たち
- 桂 小五郎(かつら こごろう)/木戸 孝允(きど たかよし)(演:東山紀之)
- 周布 政之助(すふ まさのすけ/演:石丸幹二)
- 来島 又兵衛(きじま またべえ/演:山下真司)
- 椋梨家の人々
- 椋梨 藤太(むくなし とうた/演:内藤剛志)
- 椋梨 美鶴(むくなし みつる/演:若村麻由美)
- 松下村塾の塾生たち
- 高杉 晋作(たかすぎ しんさく)(演:高良健吾/山崎竜太郎(少年期))
- 吉田 稔麿(よしだ としまろ/演:瀬戸康史)
- 伊藤 博文(いとう ひろぶみ/演:劇団ひとり)
- 入江 九一(いりえ くいち/演:要潤)
- 野村 靖(のむら やすし/演:大野拓朗)
- 前原 一誠(まえばら いっせい/演:佐藤隆太)
- 寺島 忠三郎(てらじま ちゅうさぶろう/演:鈴木伸之)
- 品川 弥二郎(しながわ やじろう/演:音尾琢真)
- 赤禰 武人(あかね たけと/演:阿部亮平)
- 松浦 松洞(まつうら しょうどう/演:内野謙太)
- 山県 有朋(やまがた ありとも/演:永岡佑)
- 山田 顕義(やまだ あきよし/演:達淳一)
- 小田村家/楫取家
- 小田村 伊之助(おだむらいのすけ)/楫取 素彦(かとりもとひこ)(演:大沢たかお)
- 小田村 志乃(おだむら しの/演:かたせ梨乃)
- 松島 剛蔵(まつしま ごうぞう/演:津田寛治)
- トメ(演:山崎千恵子)
- 松島 瑞蟠(まつしま ずいばん/演:佐藤一平)
- 小田村 篤太郎(おだむら とくたろう)(演:高橋里央/石川樹(少年期)/岩田遥(幼少期)/外川燎(幼児期))
- 楫取 久米次郎(かとり くめじろう)(演:市川理矩/太田琉星(幼少期)/大西統眞(少年期))
- 小田村 多賀子(おだむら たかこ/演:沖田愛)
- 高杉家
- 高杉 小忠太(たかすぎ こちゅうた/演:北見敏之)
- 松下村塾の塾生関係者
- 吉田 イク(よしだ イク/演:芳本美代子)
- 入江 すみ(いりえ すみ/演:宮崎香蓮)
- 吉田 ふさ(よしだ ふさ/演:小島藤子)
- 松浦 フネ(まつうら フネ/演:三谷悦代)
- 野山獄の関係者
- 高須 久子(たかす ひさこ/演:井川遥)
- 高須 糸(たかす いと/演:川島海荷)
- 富永 有隣(とみなが ゆうりん/演:本田博太郎)
- 福川 犀之助(ふくがわ さいのすけ/演:田中要次)
- 金子家
- 金子 重輔(かねこ しげのすけ/演:泉澤祐希)
- 金子 ツル(かねこ ツル/演:麻生祐未)
- 肥後藩
- 宮部 鼎蔵(みやべ ていぞう/演:ビビる大木)
- 薩摩藩
- 西郷 吉之助(さいごう きちのすけ/演:宅間孝行)
- 徳川幕府
- 井伊 直弼(いい なおすけ/演:高橋英樹)
- 『花燃ゆ』の用語
- 松下村塾(しょうかそんじゅく)
- 長州藩(ちょうしゅうはん)
- 禁門の変(きんもんのへん)
- 『花燃ゆ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 寅次郎「己を磨くために人は学ぶんじゃ」
- 『花燃ゆ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- タイトルの『花燃ゆ』の由来は吉田松陰の「草莽の臣(そうもうのしん)」