オーバーロードII(Overlord II)のネタバレ解説・考察まとめ

『オーバーロードII』とは、丸山くがねによる小説を原作とするアニメ作品『オーバーロード』の続編である。
かつて一大ブームを巻き起こした仮想現実体感型オンラインゲーム『ユグドラシル』のサービス終了時に居合わせたモモンガは、サービス終了時刻を過ぎてもログアウト出来なくなるという異常事態に遭遇。
異世界に来てしまった彼は、自我を持ち絶対の忠誠を誓うNPC達と世界征服を目指すダークファンタジー。

『オーバーロードII』の概要

『オーバーロードII』とは、丸山くがねによるWEB小説、及びライトノベルを原作としたアニメ作品『オーバーロード』の続編。
監督は伊藤尚往。キャラクター原案はso-bin。アニメーション制作はマッドハウスが行っている。
2138年。一大ブームを巻き起こした仮想現実体感型オンラインゲーム・『ユグドラシル』のサービス終了と共に、ユグドラシルと共通点があるものの違う異世界に飛ばされてしまったモモンガ。彼はゲーム時代に有名だった自身のギルドの名「アインズ・ウール・ゴウン」を名乗り、同じくユグドラシルから飛ばされてきたプレイヤーを探すと同時に自我を持ち絶対の忠誠を誓うNPC達を率いてその世界を征服していく。
前作でNPCの一人、シャルティアに精神魔法を掛け離反させるほどの力を持つものの存在を知ったアインズは来るべき時に備える為に更なる戦力強化を始める。

『オーバーロードII』のあらすじ・ストーリー

リザードマンの部族との戦争

クルシュ・ルールーに一目ぼれしたザリュース。

アインズは、表の顔である冒険者モモンとしてアダマンタイト級冒険者としての名を上げ続けていた。一方、本拠地であるナザリック大墳墓では、統括者アインズ・ウール・ゴウンとしてアルベドと共に未だ知られざる脅威に対抗する為、周辺へと派遣している部下達の情報のすり合わせを行っていた。ナザリック守護者であり、武人であるコキュートスは、初の戦争の命を受け、リザードマンの部族の侵略を開始したのだった。

リザードマンの部族の長であるシャースーリューは、弟のザリュースが作った魚の養殖場の見学をしていた。そんな時、突如空に沸き上がった黒雲からモンスターが現れ、リザードマンに対して戦争の宣戦布告をしたのだ。この異常事態にリザードマン部族の一つであるグリーン・クロー族は会議を行う。ザリュースは、戦うべきだが今のままでは勝算が低いため、五つの部族の連合すること提案した。部族の一つであるレッド・アイの村へ向かったザリュースは、そこにいたアルビノのリザードマン、クルシュ・ルールーに一目惚れする。そして話し合いの結果、クルシュはレッド・アイ族が連合に入ることに賛成した。さらにドラゴン・タスク族も仲間に引き入れ、五つの部族すべてが団結したのだった。

コキュートスはリザードマン達を蹂躙すべく、アンデッドの軍勢へ進軍の命を出した。戦いはリザードマン達が優勢になったため、コキュートスはナザリック大墳墓でも随一の頭脳を持つデミウルゴスの知恵を借りようとする。しかし、デミウルゴスは「君が勝利に向けて自ら考え、情報を集めることをアインズ様は望んでおられていたのではないか」と言葉を返した。コキュートスは既に手遅れであることを悟ると、強力なモンスター、エルダーリッチの「イグヴァ」を使うことを決断する。しかしザリュースの一撃によってイグヴァは倒され、戦いはリザードマンの勝利に終わったのだった。

戦いの後、コキュートスはアインズに呼び出され、「どうすれば勝てたのか」と問われる。コキュートスの答えに満足したアインズは、敗戦の罰としてリザードマン達の殲滅を言いつけた。しかしリザードマンの戦いぶりに感心を覚えていたコキュートスが異議を唱えた結果、命令は殲滅から占領に変更された。

リザードマン達は決死の覚悟で戦いに臨む決意をしていたが、そんな彼らの前にコキュートスが現れる。コキュートスの不必要な死を減らそうとする配慮により、リザードマン達は若者を村へ帰らせた。残った老人やザリュースを含む族長達は戦いに臨むものの、圧倒的な力を持つコキュートスには及ばず、全滅してしまう。戦いの後、アインズはザリュースを生き返らせる代わりに、クルシュに他のリザードマンを裏切り、彼らを見張る内通者になるよう求めた。そしてクルシュがそれを受け入れたため、リザードマン達はナザリック大墳墓が支配する初めての種族として繁栄を約束されたのだった。

ツアレと八本指

リ・エスティーゼ王国で情報収集を行っていた執事セバスは、傷だらけの女性ツアレを拾い、介抱することなった。彼女はリ・エスティーゼ王国を裏で牛耳る「八本指」に関わりのある人物だという。一方、八本指の定例会議では「処分する予定の女に問題が生じた」という話題が上がり、その女のために八本指の最高戦力である六腕が動き出すことになった。

リ・エスティーゼ王国の王女ラナーの護衛であるクライムがラナーの部屋に向かうと、部屋では最高位ギルド「蒼の薔薇」のラキュースとティナがラナーと「八本指」について話をしていた。ラキュースは、麻薬の生産施設を燃やした時に見つけた暗号で書かれたメモをラナーに渡す。ラナーが解読した暗号には、七つの村や建物の名前が書かれていた。ラナーは、八本指は八つの部門に分かれて運営されている為に、麻薬売買部門が他の八本指達に注意をそらさせようとしたのでないかと言う。

一方、セバスはツアレの傷を部下のソリュシャンに治療させ、メイドの仕事を覚えさせていた。そんな中、ツアレを捨てた店の主人であるサキュロントと、王都内の治安を守る巡回使のスタッファンがセバスの潜伏している館に現れる。彼らは、王国では奴隷売買が禁止されていることを理由に、セバスに法外な金銭を要求したのだ。

蒼の薔薇のラキュースとティナから他の蒼の薔薇のメンバーに伝言を頼まれたクライムは、ガガーランとイビルアイの元を訪れていた。用件を済ませた後、セバスの尋常ではない動きを目撃したクライムが稽古をつけてほしいと頼み込んでいると、そこへ暗殺者が現れた。暗殺者達の雇い主が、ツアレの居た娼館の主人サキュロントだと知ったセバスは、クライム、ブレインを連れて直接娼館に乗り込むのだった。

セバス達が侵入してきたことに気付かずに娼館を利用していたスタッファンは、従業員の女性を殴り続けていた。そこへ現れたセバスは、「殴るのがお好きなのですか?」と言うと、スタッファンに平手打ちを喰らわせた。そしてスタッファンに立て続けに平手打ちを食らわせ、命乞いをするスタッファンに確実に死ぬがすぐには死ねないような傷を負わせたのだった。

一方のクライムは、八本指の奴隷売買部門の長であるコッコドールとサキュロントに遭遇する。サキュロントは実は六腕の一人であり、コッコドールに雇われていたのだ。クライムはサキュロントとの戦いになるが、すきを突かれて致命傷を受けてしまう。しかしそこにブレインが現れ、サキュロントを一刀で切り伏せた。

セバス達はサキュロントを倒し、コッコドールを捕縛したことで、娼館を潰すことに成功した。すべて終わった後、セバスはアインズの尋問を受けるが、真の忠誠を見せたことでツアレのことは許され、ツアレはセバスの部下に迎え入れられたのだった。

デミウルゴスの計画

クライムがセバスとブレインと共に娼館を潰した翌日、「蒼の薔薇」のメンバーは王女ラナーの元で、王国に巣食う裏組織「八本指」を倒す為の作戦会議をしていた。蒼の薔薇が見つけた暗号によって分かった七ヶ所の襲撃場所を聞いたザナックは、八本指と繋がっている第一王子のバルブロを跡継ぎ競争から引きずり落とす為に、その証拠があると思われる麻薬部門の拠点も襲撃場所に加えたいと言う。そして襲撃のメンバーとして王国最強と言われている剣士ガゼフ・ストロノーフを加えることになった。

一方で、ツアレはセバスが留守にしているうちに八本指に拉致されてしまう。アインズは守護者統括の職に就いているアルベドに、セバスを支援する部隊の編制を頼んだ。

「八本指」を潰す為に王国とナザリック地下大墳墓の二つの勢力が動き始める。セバスはツアレ奪還の為に再びクライム達と共闘することになった。セバスは王国内でも相当な腕を持っていたはずの六腕をたやすく殺していく。その間にクライムたちはツアレを救い出すことに成功する。「八本指」壊滅は順調に進んでいたが、戦闘メイドのエントマが人間を食べているところを蒼の薔薇のガガーランに見られてしまい、やむなく戦闘になってしまう。しかしデミウルゴスも加わった戦場にアインズの扮する最高位冒険者「漆黒のモモン」が乱入する。アインズは冒険者としての立場を守るために、自分の部下であるデミウルゴスと戦闘を開始した。

一方、ツアレを助け出したクライム達の前には、八本指で最強のゼロが立ち塞がっていた。さらにツアレは偽物であり、ツアレがサキュロントに変わってしまう。しかし本物のツアレはすでにセバスに助けられており、それを見たゼロは肉体を強化してセバスに襲い掛かるものの打倒されるのだった。

アインズと戦う演技を終わらせたデミウルゴスは、アインズに自分達の有用性を認めて貰う為の計画を進行し、王都はデミウルゴス率いる悪魔の軍勢と王国の軍や冒険者達との決戦の地になった。その計画とは、財の強奪、住民の誘拐、八本指襲撃の隠れ蓑、そしてデミウルゴス扮する大悪魔ヤルダバオトを倒すことで、モモンの名声を向上するというものだった。そしてモモンとして冒険者たちを率いてデミウルゴスと死闘を演じたアインズは、名声を高めることができたのだった。

その頃、デミウルゴスが起こした騒ぎの中心となったリ・エスティーゼ王国の隣国のバハルス帝国では、皇帝ジルニクスが忠臣であり偉大な魔法使いであるフールーダ・パラダインから、突如現れたマジックキャスター、アインズ・ウール・ゴウンという存在についての報告を受けていた。この世界で人の領域を超えた魔法使いとして、自分以上の魔法を使える存在がいるかも知れないということに魔法の研究者でもあるパラダインは喜んでいた。そしてそんなフールーダに、ジルニクスはリ・エスティーゼ王国で活躍した漆黒のモモンについての情報収集も依頼するのだった。

『オーバーロードII』の登場人物・キャラクター

ナザリック地下大墳墓

モモンガ(アインズ・ウール・ゴウン)

CV:日野聡
二つ名:骸骨の見た目を持つ最強の魔法詠唱者

かつて人気ゲームだったユグドラシルをやり込んでいたプレイヤー。41人が在籍したゲーム内で名の知れていたギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のまとめ役。ただ一人だけ最後までギルドに在籍し続けサービス終了時にも居残り続けた。しかし、サービスが終了したというのにログアウトされないという異常事態が発生し、自身がゲーム内で使っていた骸骨姿のアバターのまま異世界に転移してしまったことに気が付く。
ただのサラリーマンだった彼の元に居たのは、かつての仲間たちが作ったNPC達。彼らは自らの自我を持ち、至高の恩方としてモモンガを崇拝する。
モモンガはこの世界について知り、自らや自分の子供のようなNPC達を守る為に、そして自分と同じように世界に迷い込んでしまった別のユグドラシルプレイヤーを探す為に有名だったギルド名である「アインズ・ウール・ゴウン」と名乗り世界征服を開始する。
同時に、「モモン」という偽名と偽りの姿でモンスター退治など請け負う冒険者という仕事をし、周囲の情報収集を行っている。

役職は至高の41人。ナザリック地下大墳墓統治者。
魔法攻撃、魔法防御、総合耐性など非常に高く、中でもMPは飛びぬけているまさに最強のマジックキャスター。この世界ではかなりの強さによって恐れられているデスナイトなど初めとして、生物の死体を元にアンデッドを作り出すことが出来るなどの特殊な能力も持っている。

アルベド

CV:原由実
二つ名:慈悲深き純白の悪魔

役職はナザリック地下大墳墓守護者統括、正妃(自称)。
ガーディアン、ブラックガード、アンホーリーナイト、シールド・ロードなど防御を主体に置いた職業を主に取得しておりHP、物理防御、魔法防御、総合耐性など防御能力はナザリック最強。
アインズが、ユグドラシルのサービス終了間際に設定を書き換えてしまった為、アインズに異常なほどに好意を寄せるようになってしまった。なお、書き換える前の設定ではビッチだった。
アインズが居ない間にベッドに自身の匂いを付けたり、自身を抱いて欲しいというような発言をするなど、基本的に異常な愛情をアインズに向け困らせる残念な一面がある。
一方で非常に高い知性とナザリック随一の防御力を誇り、ナザリック地下大墳墓の守護者統括として全NPCの頂点に立つ存在。

アウラ・ベラ・フィオーラ

CV:加藤英美里
二つ名:負けん気あふれる名調教師

役職はナザリック地下大墳墓第六階層守護者。
男の子のような見た目、恰好をしているが女の子のダークエルフ。モモンガと同じ至高の41人の一人「ぶくぶく茶釜」に作られた双子の姉。
レンジャーなど森などで自由に動き回る能力や、ビーストテイマーなど獣を扱う能力に長けている。
彼女を作ったぶくぶく茶釜は人気女性声優であり、彼女の弟が作ったNPCであるシャルティアとは事ある毎に口論になる。
しかしシャルティアが精神支配を受けた時には心配をするような描写や、アインズがシャルティアに対してとどめを指すを躊躇した隙に攻撃したのを止めるなど、どこか作成者の姉弟関係のようでもある。

マーレ・ベロ・フィオーレ

CV:内山夕実
二つ名:頼りない大自然の使者

役職はナザリック地下大墳墓第六階層守護者。
女の子のような見た目、恰好をしているが男の子のダークエルフ。いわゆる男の娘。モモンガと同じ至高の41人の一人である「ぶくぶく茶釜」に作られた双子の弟。
ドルイドやフォレストメイジなどの職業を取得しており、範囲魔法が得意。異世界へ転移した後、辺りになにもない平地に立つナザリックを隠蔽するために活躍し、ナザリック内を自由に移動できる指輪を一番最初にアインズから譲り受けた。
気弱な性格でどこか頼りないものの、戦闘力はナザリックのNPCの中では最も高いとも言われている。

コキュートス

CV:三宅健太
二つ名:凍河の支配者

役職はナザリック地下大墳墓第五階層守護者。
2.5メートルほどもある巨体に蟻とも蟷螂とも思わせる顔立ちで、二足歩行の昆虫のような容姿。
四本の腕があり、本来ならばその全てを使って戦うがザリュースとの闘いの際にはその必要もないと一本のみで戦った。
根っからの武人で真面目で不器用。デミウルゴスやアルベドほどの知性がない為に大きな活躍をできないことを負い目に思っているようだ。
リザードマンをスケルトンの軍勢によってたやすく御せる思っていたが、想像以上の実力を見せたことで彼らを気に入る。滅ぼすことを惜しく思い、アインズから譲り受けた軍勢を失うという失態を演じながらも彼らを全滅させないことを直訴する。真面目な上に不器用な彼にとっては非常にハードルの高い発言であったがデミウルゴスの助けもありその願いは通る。
リザードマン達との戦いの後は、彼らの中での立役者を生き返らせて貰えるようにも計らう。今後ナザリックが世界征服を達成した際、恐怖以外によって治める統治実験の責任者としてリザードマン達の面倒を見ることになった。

デミウルゴス

CV:加藤将之
二つ名:獄炎の造物主

役職はナザリック地下大墳墓第七階層守護者。
ナザリック内で最も知能のある者の一人。アインズよりもよっぽど頭がいいのにも関わらず、デミウルゴス以上の知性をアインズが持っていると信じている。故に訳知り顔で発言するもののアインズは理解を出来ないことも多い。その時は「他の者にもわかるように」とその場の他の者へ説明させて自分でも理解しているので未だにその誤解は解けていない。
アインズからの命であるスクロール製作に使う「皮」の収獲をしている。アインズからなんの獣の皮だったかと聞かれ、羊と答えた。尚、彼は人間種に対して価値を感じていないようで獣の骨で作ったというアインズに捧げた玉座には明らかに人の骨が混じっていた。

shuichi
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@shuichi

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