続『刀剣乱舞-花丸-』（アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ

続『刀剣乱舞-花丸-』の概要

続『刀剣乱舞-花丸-』とは、DMMゲームズとニトロプラスが共同製作の育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』を原案とするアニメである。2018年1月に放映開始された。2016年放映『刀剣乱舞-花丸-』の続編。制作は動画工房（『干物妹!うまるちゃん』『月刊少女野崎くん』）。

2205年、過去改変を目論む歴史修正主義者を阻止するため、政府は審神者を登用する。審神者は、刀剣の付喪神に「刀剣男士」として肉体を与える。刀剣男士は歴史を守るために、時間遡行軍と戦う。
「このアニメは、とある本丸のとある刀剣男士たちによる花丸な日々の物語です。」のコピー通り、アニメでは、本丸で出陣を待つ刀剣男士たちの日常エピソードがメインとなる。人間のような生活を楽しむ一方で、数奇な来歴を持つ刀剣男士は葛藤や苦悩を垣間見せる。

続『刀剣乱舞-花丸-』のあらすじ・ストーリー

睦月・如月・弥生

とある本丸では、50振近くの刀剣男士が共同生活をしている。12月、大和守安定が修行の旅に出るのと入れ替わるように、髭切と膝丸の兄弟が顕現した。審神者から新人の世話係を任じられた加州清光は、兄弟を連れて本丸を案内する。そんな中、膝丸を隊長とする部隊による出陣の命が下り、加州も戦場に赴くのだった。勝利をおさめて本丸へ帰ると、刀剣男士達はそれぞれ正月気分を満喫している。加州はみんなの楽しむ姿を眺めていたが、加州の寂しさを見透かしたのように、三日月宗近が「修行に出なくも本丸でできることはある」と声をかけてくる。加州は「強くならなきゃ」と自らに誓ったのだった。

50人目の刀剣男士・数珠丸恒次を迎えたとある本丸は、資金難にあえいでいた。金策のため大坂城の埋蔵金探しに任命されたのは、豊臣家と縁のある一期一振たちだ。部隊に選ばれた骨喰藤四郎は、大坂城落城時の記憶に今でも苦しめられている。骨喰藤四郎は大阪城落城の際、一期一振や鯰尾藤四郎の本体を守ろうと単独行動をしてしまう。兄弟たちの説得によって骨喰は思いとどまり、焼け落ちる大坂城を見届けた。

3月に入り、本丸でも春の気配を感じるようになった頃、太鼓鐘貞宗が顕現した。のどかな本丸の様子にやきもきした鶴丸国永は、唐突に大運動会を催す。派手好きな太鼓鐘貞宗は金メダルを獲得するため、燭台切光忠や大倶利伽羅とともに出場する。結局優勝したのは、へし切長谷部、薬研藤四郎、宗三左文字の茄子紺色組だったが、金メダルに見えたのは金紙を張ったただの煎餅だった。一方、優勝できずに落胆していた太鼓鐘貞宗だったが、燭台切光忠がご褒美として作ってくれた金色に輝くパエリアに目を輝かせるのだった。

卯月・皐月・水無月

4月になり、万葉桜が咲く季節になった。出陣命令が下されない加州清光は、相変わらず新入りの世話係を務めていた。顕現したばかりの不動行光は、旧主・織田信長に対する想いが強すぎるせいで、本丸に馴染もうとしない。古参のへし切長谷部をことあるごとに怒らせては、自分は主人を守れなかった駄目刀だといじける。しかし嵐の日、浜辺で酔い潰れた不動行光を助けにいったのは、へし切長谷部だった。そして不動行光は、温かく迎え入れてくれた本丸の仲間のためにも、新しい主を知ろうと思うのだった。

浦島虎徹は、兄である長曽祢虎徹と蜂須賀虎徹の仲が良くないことを悩んでいた。そこで、浦島虎徹はどちらの兄も自分には甘いことを利用して、「出陣のご褒美に兄たちが作った料理を食べたい」というお願いをした。蜂須賀虎徹は弟の喜ぶ料理を作ろうを張り切るものの、ことごとく失敗する。長曽祢虎徹は蜂須賀虎徹に提案し、一緒に自分の前の主・近藤勇が好きだったたまごふわふわを作るのだった。浦島虎徹は料理を食べながら、「一緒に食べたほうが絶対美味しい」と兄たちにも勧め、浦島虎徹の望みはぎこちないながらも叶えられたのだった。

大典太光世やソハヤノツルキなど新しい刀剣男士が顕現する中、厚藤四郎が修行から帰ってくる。加州清光は手合わせをするものの、負けてしまう。自分はもう4か月以上出陣していない。冷遇されている。そんな風に思い、落ち込む加州清光を、山姥切国広は「主が加州清光を世話係に任じたのは、新入りに心配りができると信頼あってのことだ」と励ます。山姥切国広も、同じ境遇だが明るく溌剌としたソハヤノツルキに感化され、内面に変化が表れていたのだ。そして、自分が冷遇されていないことを知り、加州清光の悩みも消えたのだった。

小夜左文字には、旧主が惨殺されて奪われ、研師になった旧主の息子に研ぎに出されたことで、息子が仇を討ち果たした、という逸話があった。そのため、顕現してからも復讐心に苦しめられている。兄の江雪左文字と宗三左文字は弟に安らぎを与えるため、兄弟で花を育てることにするのだった。天候が荒れたときもあったが、他の刀剣男士達の助けもあり、美しい花壇は守られた。そして、江雪左文字が小夜左文字に「今でも心に復讐心があるのか」と尋ねると、小夜左文字は「草花の世話をはじめてからは花壇のことばかり考えていた」と、復讐心を忘れていたことを告げるのだった。

文月・葉月・長月

粟田口刀派の兄弟たちは、兄の一期一振が気に入った茶碗を贈りたいと考えていた。そして博多藤四郎に資金稼ぎを任せて、他の兄弟は幸せを呼びこむ四葉のクローバーを探していた。新しい刀剣男士・物吉貞宗が通りがかると、次々に四葉が見つかる。物吉貞宗が行くところ幸運が訪れることを加州清光は不思議がるが、物吉貞宗は「幸運運んでこれましたかね」と静かに微笑むのだった。

蜻蛉切が新入りの千子村正を連れて審神者に挨拶に行くと、部屋の前に同じように新入りの亀甲貞宗がいた。亀甲貞宗は主と親密になりたいと思っていたが、主お世話係のへし切長谷部が邪険にするのだ。数日後、へし切長谷部と蜻蛉切が遠征に出た日、亀甲貞宗と千子村正は主お世話係に名乗りを上げ、勝負をはじめる。審判を求められた加州清光だったが、世話係に関係のない能力の競い合いに白けていた。そして、帰還したへし切長谷部に留守中の異常を尋ねられたが、加州清光は「別に何も」と答えるのだった。

亀甲貞宗と千子村正が競っている頃、大包平は畑仕事に精を出していた。そんな大包平の様子を眺めながら、鶯丸と平野藤四郎は縁側に座って茶を飲んでいる。大包平が遠征で信濃藤四郎を助けて手傷を負ったが、そのことを自分の力不足だと恥じ、口止めしているという話を聞いた平野藤四郎は、「ステキな方ですね」と感服していた。2人の楽しそうな様子に何を話していたのか知りたがる大包平だったが、平野藤四郎と鶯丸は大包平に内緒のまま茶を振舞うのだった。

太郎太刀は元は普通の人間が扱えないほどの大太刀で、刀剣男士として与えられた体も堂々たるものだ。小さな生き物の領分を侵しては恐縮している。そんな中、遠征先で小夜左文字が柿を見つけた。小烏丸や後藤藤四郎が手伝っても柿には届かなかったが、太郎太刀が小夜左文字を抱え上げると柿を取ることができた。小夜左文字に礼を言われた太郎太刀は、「たまにはいいですね、大きいのも」と顔をほころばせた。

残暑が厳しい中、加州清光は暑さをしのぐために道場にいった。そこへ陸奥守吉行がやってきて、道場にいる仲間に「水鉄砲を使った手合わせをしよう」と誘う。総勢八振りは二組に分かれ、虎徹三兄弟の死闘を皮切りに、仁義なき合戦にもつれこむ。最終的に勝者となった加州清光は、心の中で「俺も強くなってるよ」と大和守安定に話しかけたのだった。

神無月・霜月・師走

魚釣りをしたいと言い出した浦島虎徹に愛染国俊と秋田藤四郎が賛同し、保護者代わりに日本号と御手杵が付いていくことになった。途中で兄の一期一振に叱られ家出すると息巻いている包丁藤四郎も誘い、六振りは海釣りに出る。しかし陽気の良さにうとうとしている間に小舟が漂流してしまう。本丸では一夜経っても戻らない六振りを心配し、物吉貞宗を先頭とする捜索隊を結成した。捜索隊が行方不明の六振りを見つけたとき、六振りは魚を焼いてのんびりと食事をしていた。そして包丁藤四郎は一期一振に素直に謝り、本丸へ帰るのだった。

大典太光世は本丸で孤立している。大典太光世には霊力によって雀が落ちたという逸話があり、今でも自分の霊力が動物に災いを与えることを恐れているのだ。不安を取り除くことはできないものかと悩む前田藤四郎たちに、鳴狐は動物喫茶を提案する。動物喫茶に招かれ気遅れする大典太光世だったが、そこへ弱った狸を抱いた明石国行がやってきた。目当ての薬研藤四郎は遠征に出ており、狸を診てもらえないことがわかると、病も遠ざける霊力を持つという大典太光世が頼りにされてしまう。恐々と狸を抱いた大典太光世は、刺さっていた棘に気付く。棘を抜くと狸は元気になり、小さな動物に触れても大丈夫だったことに、大典太光世の表情も明るくなったのだった。

肌寒い季節になり、本丸の一室にこもっていた主は、江戸時代に異常を見つける。細川家・伊達家が関与した史実を改変を危ぶんだ主は、隊長に大倶利伽羅を据え、両家ゆかりの六振りで遠征部隊を編成した。江戸で大名・伊達宗村一行を守る大倶利伽羅たちだったが、時間遡行軍に苦戦を強いられていた。加州清光たち三振りは援軍として向かったが、見たこともない強敵にてこずる。すると、突然空が光り、大和守安定が落ちてきた。味方を得て勢いを取り戻した刀剣男士は勝利をおさめたが、大和守安定の携帯型時空移転装置は壊れており、動かない。加州清光たち後発部隊の三振りが強制的に本丸に戻されてしまう中、大和守安定は「絶対に帰る」と約束して、仲間を見送ったのだった。

それから四か月が過ぎた。加州清光はいまだに帰らない大和守安定の帰りを待っていた。ある日、鍛錬を終えた加州清光は、満開の万葉桜の幹が光っていることに気付く。加州清光が桜に駆け寄ると、江戸城で別れたときの姿のままの大和守安定が現れたのだった。

久しぶりに話し込んだ二振りは、お互いが望む真の強さを得たことを知った。そして、二振りは以前の生活に戻ったのだった。

続『刀剣乱舞-花丸-』の登場人物・キャラクター

『刀剣乱舞-花丸-』（アニメ1期）で顕現した刀剣男士

加州清光（かしゅうきよみつ）

CV:増田俊樹
新撰組・沖田総司が池田屋で使い、沖田逝去後廃棄されたといわれる刀。
刀工加州清光が困窮した生活の中で打った。刀剣男士としての加州清光は貧しい出自を気にして、綺麗にしていれば主に目をかけてもらえると思い、爪紅やアクセサリーなど身だしなみに余念がない。
本丸で最初に顕現した刀剣男士。斜に構えて冷めているように見えるが、規律を守り、付き合いは良く、相手の自主性を大切にして見守っている。
シリーズの前半では、自分を新入りの世話係に任命した主の真意を疑い、意気消沈していた。

大和守安定（やまとのかみやすさだ）

CV:市来光弘
新撰組・沖田総司愛用といわれる打刀。持ち主が同じだったこともあり、加州清光とコンビで扱われ、連携には定評がある。
前シリーズでは、旧主の沖田への愛惜が強すぎて、思い悩むことが多かった。修行に出る最終話は、今シリーズ冒頭の旅立ちにつながっている。
刀工大和守安定の作。
12話で、時代を転々とする旅を続けて、沖田総司や新撰組の業績が語り継がれていることを知り、刀剣男士が歴史を守る意義を確信したと語っている。

へし切長谷部（へしきりはせべ）

CV:新垣樽助
2番目に顕現した刀剣男士。他の刀剣男士の家事能力では主の周辺は任せられないと、「主お世話係」を買って出た（12話）。主と刀剣男士のパイプ役を担っている。
織田信長が、茶坊主を棚ともども斬ったことが「へし切」の由来である。後に黒田長政に下賜された。信長、黒田家に関わるエピソードは、第4話と第7話に登場する。
主お手製のメダル欲しさになりふりかまわず奮闘し（第3話）、主のためにハーブを育てるなど（第7話）、忠勤ぶりはコミカルに描かれることが多い。

鶯丸（うぐいすまる）