フルメタル・パニック!(フルメタ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『フルメタル・パニック!』とは、賀東招二の小説およびそれを基にしたアニメーション作品。幼少期から戦場で育った傭兵を生業とする少年を題材とした、SFミリタリーアクションである。ウィスパードと呼ばれるブラックテクノロジーを有した特殊な存在により、現実世界とは異なった歴史を歩んだ世界が舞台。対テロ軍事武装組織ミスリルに所属する少年・相良宗介はウィスパードを有した女子高生・千鳥かなめの護衛任務につき、都立陣代高校に生徒として編入。敵組織アマルガムの攻撃から普通の学園生活を取り戻すために行動する。

アーバレストを始めとするARXシリーズはそれぞれ番号が割り振られているが、ARX-5まではパーツの集合体でしかなくASという人型をしていなかった。
初めて人型になったのはARX-6のハルバードからで、それでも機体の性能不足から失敗作と呼ばれARX-7のアーバレストが開発された。
続くARX-8はアーバレストの設計者であるバニ・モラウタの死後に極秘裏に進められていたが、様々な問題で破棄されており存在しない計画であった。
但し、レーバテインとは別にARX-8に相当するであろう機体も完成はしていないものの建造は進められていた。
レーバテインはARX-8と呼称されているものの、アーバレストのAIアルが大破した機体を自身で設計し作り上げたもので、アーバレストの後継機という意味合いでナンバリングされたものであり、もともとのARXシリーズとは無関係である。
極秘裏に建造されていたARX-8はレーバテインの建造に築いたアマルガムが襲撃をした際に囮として使われ、レナードによって回収・解体されている。

長編の後日談は小説9巻に収録

長編は12巻で完結しているが、その後日談として短編の9巻にテッサが仲間の墓参りをする話が収録されている。
主には本編にほとんど出てこないアーバレストとAIアルの設計者バニ・モラウタについてだが、他の仲間のその後についても多少触れられている。
また、『フルメタル・パニック アナザー』というタイトルで最終決戦から12年後の世界を中心としたライトノベルも出版されているが、賀東招二はストーリー原案と監修へ回っており著者は大黒尚人である。

終了せざるを得なかった短編

ドタバタラブコメとして長編のシリアスな展開からはかけ離れたギャグ中心の短編シリーズだったが、宗介が陣代高校に在籍していた期間は実質9ヶ月程度で、それを元に短編の数を計算すると1週間に1回はドタバタ騒動を起こしていた事になり、辻褄があわなくなってきたため終了せざるを得なかった。
作者の賀東しは続けようと思えば続けられるが、長編のテンションが落ちてしまうという理由から終わることになった。

小説に入浴シーンを加筆した「女神の来日(温泉編)」

アニメ『フルメタルパニックふもっふ』のために書き下ろされたシナリオであったが、後に短編集にて小説用に書き直された異例の話。
アクションや絵、音、声優の演技などが映える部分は小説版ではカットされており、その分雑誌掲載時には女性読者に大不評だった入浴シーンを敢えて大幅に加筆・増量している。

現実世界とリンクする箇所も登場

本作は1981年の12月24日に起きたテレパシー実験の事故の影響で、ウィスパードと呼ばれる知るはずの無い知識を持った人間が生まれ、そこからもたらされるテクノロジーによって兵器などの軍事力が異常に発展したパラレルワールドとなっている。
そのため、時代を遡ると世界観は現実の世界とほぼ同じになっていく。短編集でカリーニンやマデューカスらの過去の話が出てきた際には作者の遊び心で少しだけ実在の人物が搭乗したりしている。

『フルメタル・パニック!』の主題歌・挿入歌

アニメ1期

OP(オープニング):下川みくに「tomorrow」

ED(エンディング):下川みくに「枯れない花」

アニメ2期

OP(オープニング):下川みくに 「それが、愛でしょう」

ED(エンディング):下川みくに 「君に吹く風」

アニメ3期

OP(オープニング):下川みくに 「南風」

ED(エンディング):下川みくに 「もう一度君に会いたい」

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@miharu_cafet9

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