フルメタル・パニック!(フルメタ)のネタバレ解説・考察まとめ

『フルメタル・パニック!』とは、賀東招二の小説およびそれを基にしたアニメーション作品。幼少期から戦場で育った傭兵を生業とする少年を題材とした、SFミリタリーアクションである。ウィスパードと呼ばれるブラックテクノロジーを有した特殊な存在により、現実世界とは異なった歴史を歩んだ世界が舞台。対テロ軍事武装組織ミスリルに所属する少年・相良宗介はウィスパードを有した女子高生・千鳥かなめの護衛任務につき、都立陣代高校に生徒として編入。敵組織アマルガムの攻撃から普通の学園生活を取り戻すために行動する。

CV:大原さやか
ミスリル情報部所属のエージェント。
レイスとはコードネームであり実体のはっきりしない幽霊という意味を持つ。
千鳥かなめの護衛として派遣されており、正式な護衛はレイスであり、相良宗介は囮役であった。

敵に気づかれることを防ぐためにレイスは宗介との接触もかなめとの接触も避けていたためかなめ本人は宗介が護衛任務を解除される直前に宗介から聞かされるまでレイスの存在を知らずにいた。
そのため、宗介からは護衛としての責務を果たしていないと不満を持たれており、護衛任務解除を受けて東京から去る直前に半ば強制的に連絡をさせられるとこれまでの不満を直接ぶつけられる。

そして宗介が東京を去った直後にかなめは暗殺者に襲撃され、レイスは為す術もなく戦闘不能に追い込まれる。
暗殺者を追ってきたアマルガム幹部のレナード・テスタロッサはレイスを殺そうとするが、かなめの頼みで殺されずに生かされた。

その後はプライドを傷つけられたことから死を望むが、かなめの喝で思いとどまり護衛任務を続行する。
しかし、この時の借りのせいで以降は事ある毎にかなめの頼みを聞くことになってしまう。

アマルガムがミスリルに総攻撃を開始した際はレナード・テスタロッサとその部下により薬を使って眠らされる。
起きた時にはクラマの部下が宗介とかなめを襲撃しており、その後かなめの親友の常磐恭子に取り付けられた爆弾を解体する宗介のサポートに現れる。
近くで起きた戦闘の影響で恭子が負傷すると、応急処置を施し宗介には戦いに専念するよう促す。
レナードとの戦闘で宗介の搭乗するアーバレストが破壊されると、同じく情報部のギャビン・ハンターからの依頼で大破したアーバレストの残骸からAIのアルを回収する。

その後も潜入活動などでミスリル残党を助け、数々と必要な情報を提供し続けた。
個人の戦闘能力は高くないが、変装を得意としその演技力もあって潜入活動などを任されることが多い。

基本的には覆面にボイスチェンジャーなどで素性を隠しているが、朝鮮出身の女性で本名は「キムオクヒ」だが、漢字表記すると「金玉姫」となるため、日本人や知人に日本人がいる人間には頑として教えたがらない。

ミスリル 研究部

バニ・モラウタ

ミスリル研究部所属。階級は大尉。
ウィスパードであり、AIアルを始めとするARXシリーズの開発主任を務める。
また、後に艦長となるテレサ・テスタロッサと共にトゥアハー・デ・ダナンの設計にも携わる。
16歳と若年ながらカリフォルニア大学を卒業し、ジオトロン社にも所属していた。
出身地である南太平洋の小国、サンホルヘ共和国でも神童として知られており、自身でデンマークの偉い先生に手紙を出し、それが認められたことでミスリルの研究所で働くことになった。
しかし、知るはずのない知識(ブラックテクノロジー)を運んでくる「ささやき」に乗っ取られてしまい、拳銃自殺をしてしまう。
テレサ・テスタロッサは彼が作り出したAIアルの人間じみた行動や発言をすることから、人造によるウィスパードを作り出そうとしていたのではないかという推論をしており、バニの自殺の原因はウィスパードの能力でアルがその力の果てに破滅の使者になる未来を見てしまったためではないかと結論付けている。

アマルガム

ガウルン

CV:田中正彦
9つの国籍を持つとされるテロリスト。
性格は残忍残虐かつ冷酷非情。沈着冷静な思考と、直感と危機回避能力に長けている。
また、ASの戦闘技能も群を抜いており、ラムダ・ドライバ搭載機に搭乗した搭乗者の中で最もその性能を引き出していた。

相良宗介とアンドレイ・カリーニンとはアフガニスタンの内紛時代に知り合っており、のちに宗介らゲリラが潜むキャンプを襲撃した張本人。
その後、偵察任務でキャンプを離れ難を逃れた宗介とカリーニンから襲撃を受け、宗介に頭部を狙撃されるが角度が浅かったことと、頭蓋骨にチタンが埋め込まれていたため致命傷には至らなかった。

それから数年経ちウィスパードである千鳥かなめを狙いハイジャックを企てると、宗介がミスリルに所属しエージェントとして陣代高校に通っていることを知る。
ミスリルと宗介らに阻まれ計画は頓挫してしまい、自身もASが破壊され、その際に片足を失う。
その数ヶ月後に同じくアマルガムの幹部であるレナード・テスタロッサの協力で、ミスリルの所有する潜水艦トゥアハー・デ・ダナンをシージャックする計画を企てる。
テロリストを装い化学工場を襲撃してミスリルをおびき寄せると、戦闘時にASの故障を装って降伏し艦内へ侵入、内通者の協力で拘束を脱すると司令室を占拠する。
ウィルスによりAIを支配下に置くも千鳥かなめのウィスパードの能力で艦とシンクロし制御系を奪い返されると、ASに搭乗しそれを追ってきた宗介と再び対峙し、死闘の末に両機とも戦闘力をほとんど失ってしまう。
最後に艦ごと自爆しようとするも、艦を制御するかなめと宗介の連携により爆発寸前に海へ沈められる。
爆発の瞬間にラムダ・ドライバを使いコクピットだけを守るが、海に投げ出され四肢の大半が魚の餌となってしまい、たまたま通りかかった漁船に救助され一命を取り留めるも、一人では身動きも出来ず医療機器に接続され辛うじて生き延びている状態になる。
元々、膵臓がんを患っており自身の命への執着もなくなっていたことから、最後は宗介を道連れにするために自身が育てた兵士を使い香港を火の海にしてミスリルを呼び出し、宗介にのみわかる暗号文で部屋までおびき寄せると挑発して自身を殺させ、心停止によって起動する高性能爆薬で部屋ごと爆破する。
宗介は間一髪部屋から脱出し道連れとはならなかったが、その前にミスリルと学校生活のせいで宗介が以前に比べ弱くなったと本人も抱き始めていた疑念を指摘し動揺を与え、さらにかなめを殺したという嘘の情報を与えて絶望の淵に落とし込んだ。

ヴィルヘルム・カスパー

CV:てらそままさき
アマルガムの幹部でありレナード・テスタロッサの部下。
東ドイツ出身の狙撃兵で、かつては「カスパーの部隊」と呼ばれる狙撃者集団を率いていた。

ミスリルに所属するクルツ・ウェーバーの狙撃の師匠とも呼べる存在で、テロで殺された両親の仇を討つために兵士となった幼いクルツを戦場に投入し、その才能を見出して自身の門下とし、ありとあらゆる技術を教え込む。
しかし、仇を目の前にしながら周囲の巻き添えを考え引き金を引けずにいたクルツの代わりに、近くにいた幼い少女ごと仇を狙撃する。
クルツは同じような化け物になりたくないと自身の下を去るが、レナードの部下としてミスリルと対峙した際に戦場でお互いの存在に気づく。
お互いにASに搭乗し電磁迷彩で姿を消した状態での狙撃を行い、駆け引きに勝利してクルツ機を大破させるが、かろじて生き残ったクルツに生身の狙撃で心臓を撃ち抜かれる。

悪条件の中1520mの狙撃を成功させた記録を持ち、クルツからは嵐の中でホールインワンを決めるような芸当をしてのける「魔人」レベルの狙撃センスを持つと言われる。
しかし、最後に自身を射抜いたクルツの狙撃は1650mの距離で同様にかなりの悪条件の中の狙撃だった。

クラマ

CV:山路和弘
アマルガムの幹部であり、相良宗介とはアマルガムに所属する前からレバノンで敵として戦ったことが有り因縁のある存在。

組織がミスリルへの総攻撃を開始した際に、千鳥かなめを連れされるために彼女の親友である常磐恭子を拘束し、その体と陣代高校の至る場所に爆弾をしかけ、おとなしく投降するよう促す。
相良宗介の妨害で作戦は失敗してしまうが、助けに来たレナード・テスタロッサと搭乗機のベリアルにより相良宗介の命と引き換えにかなめを連れ去る事に成功する。

その後、東南アジアのナムサクでアマルガムとかなめの情報を得るためにAS闘技場の闇バトルに参加している宗介の情報を掴む。
宗介が自身に迫るよりも前に、彼のAS闘技場のチームメンバーであるナミを人質にして、周囲に潜んでいる宗介をおびき出すために銃口を突きつけてテンカウントを開始する。
しかし、ラスト2秒で気が変わりそのまま射殺し宗介を挑発するも彼より先にフランス対外保安総局(DGSE)が攻めてきたために撤退を余儀なくされる。
再び自分を追ってくる宗介に対し、寄せ集めの戦力を全て導入し阻もうとするも全て突破され一騎打ちとなる。
扉に仕掛けた爆弾で宗介を吹き飛ばし、隙をついてライフルで腹部を撃ち抜き重傷を与えるが、止めを刺す前に突入してきたDGSEの兵士との交戦となってしまい、これを殲滅した後に宗介のもとへ戻るが姿はなく、隙をつかれてライフル弾を浴び瀕死に陥る。
死の間際にかなめの居場所を聞かれると根負けをして思い当たる隠れ家の居場所を話し絶命する。

宗介はこの時の銃弾がもとで肝臓や腎臓の一部を失い、制限付きの食事を余儀なくされることになった。

リー・ファウラー

CV:杉田智和
レナード・テスタロッサ直属の部下。
ミスリル壊滅後にサンフランシスコの病院に収容されたテレサ・テスタロッサを拉致するために近づくも、自らを囮としたテレサらミスリル残党の作戦により逆に捕えられそうになる。
隙をついて脱出するも兄であるレナードへの伝言係として使われてしまう。
最終決戦ではミスリル残党の戦力分断作戦のため奪取した核ミサイル基地の防衛を担当し、襲撃してきたベルファンガン・クルーゾーと対峙する。
AS操縦者として一流の腕を持つクルーゾーをさらに上回る技能を持っており、AS戦で終始クルーゾー機を圧倒するも最後は彼の捨て身の一撃により死亡した。
常に紳士的な態度と口調を崩さず、ラムダ・ドライバを搭載していない機体で自身と渡り合うクルーゾーを賞賛し、敬意を払っていた。

サビーナ・レフニオ

CV:井上麻里奈
ファウラーと同じくレナード・テスタロッサ直属の部下。
主に千鳥かなめやレナードが生活している邸宅を取り仕切っており、かなめの身の回りの世話をしているが内心では彼女に嫉妬心を抱いている。
幼い頃に母親によってSM趣味の警官のもとへ売られ、警官も母親も殺している。
そこからマフィアに雇われたくさんの人を殺しており、世界改変によってそれを帳消しにできるレナードに心酔している。

電子戦技術にも長けており、核ミサイル基地を占拠後に奪還に来たソ連軍のASのデータリンクに介入し、戦闘プログラムを改変して同士撃ちを誘い、壊滅に追いやっている。
その後、更に攻撃を仕掛けてきたミスリルのAS部隊と対峙し、メリッサ・マオと一騎打ちを行う。
圧倒的な優位を保ち止めを刺す寸前まで追い詰めるが、突如駆けつけたクルツ・ウェーバーのASによる狙撃と、その隙をついたマオ機の至近距離からの攻撃で機体を破壊される。
基地内へと逃走すると世界改変の計画の頓挫を知って自暴自棄となり、レナードやかなめのいるメリダ島に向け核ミサイルを発射する。
発射スイッチを押した直後に管制室に駆けつけたマオによって射殺された。

都立陣代高校

小野寺 孝太郎(おのでら こうたろう)

CV:岡田貴之
通称・オノD。
明るく元気なクラスのムードメーカー。
クラスメイトの風間信二と相良宗介と仲が良く行動を共にする。
1年の時に千鳥かなめに告白し玉砕しており、現在はかなめの親友である常盤恭子のことが気になっている。
アマルガムがミスリルに総攻撃を仕掛けた際に、恭子が人質となり負傷してしまったことや宗介が今まで身分を偽って学校に在籍していた事への不信や怒りから、かなめを連れて戻ると宣言をしに戻ってきた宗介を責め、殴りかかろうとして周囲に止められる。
その後、宗介を責めた事を後悔し、彼とかなめに向けた動画メッセージ内で謝罪の言葉を述べている。

風間 信二(かざま しんじ)

CV:能登麻美子
軍事オタクで、その道のプロである相良宗介も感心するほどの知識を持っている。
父親が陸上自衛隊の事務官をしており、その影響で軍事関連に興味を持つようになった。
宗介が転校してきた当初は同じ写真部の先輩からいじめを受けており、自身が撮りためた写真のネガを返してもらうために千鳥かなめの自宅のベランダに忍び込み、下着ドロを行う。
宗介がそれを取り押さえたことがきっかけで友情が芽生えることになる。
宗介とかなめが陣代高校から去ると彼らに宛てたメッセージを記録した動画をインターネットで配信することを提案し、実行した。
この動画が入ったメモリーチップは宗介の手に渡っており、最終決戦にて自身の死に無関心だった宗介に生きたいという気持ちを抱かせる。

常盤 恭子(ときわ きょうこ)

CV:木村郁絵(アニメ)、豊口めぐみ(CDドラマ)
千鳥かなめが陣代高校で最初に知り合った友人であり、後に1番の親友となる。
とんぼメガネにお下げ髪という幼い容姿と天真爛漫な性格を持つ。
いつもデジタルカメラを所持していて色々なものを撮影している。

アマルガムが本気でかなめを連れ去ろうとした際に幹部のクラマにより体に爆弾を巻きつけられ人質とされてしまう。
クラマにより助けに来た相良宗介が凄腕の傭兵であり、かなめの護衛のために学校に転校してきた事を聞かされると呼び名が「相良くん」から「あなた」と他人行儀になり、何も知らずに死にたくないと宗介を問いただす。
爆弾は解体され一度は安全になるが、すぐ近くで宗介と敵兵による戦闘が始まり、その影響で重傷を負う。
1番危険な目に遭いながらも最後まで宗介とかなめの心配をしており、負傷する前に宗介から頼まれたかなめのハムスターの世話を入院後に家族に頼んでいる。
退院後はお下げ髪をやめ、メガネをコンタクトレンズに変えたことで、大人びた容貌になっている。

林水 敦信(はやしみず あつのぶ)

CV:森川智之
第53代生徒会長。
相良宗介からは会長閣下と呼ばれており、学校関係者の中で唯一宗介が「信頼」を置いている人物。
類稀なる頭脳の持ち主で、教職員さえも丸め込んでいる。
2度の修学旅行襲撃から千鳥かなめの能力や宗介の正体、その背後のミスリルの存在に勘付いており、その上で宗介たちに助け舟を出していた。
しかし、卒業が迫り会長を退任する際には、宗介に「もう無理だと思う」と警告を与えた。
この警告は正しく、それからすぐにアマルガムの総攻撃が始まり、陣代高校に爆弾が設置され宗介たちをおびき出す罠として使われてしまう。
宗介から助けを求められると停学処分を覚悟した上で虚偽の避難勧告を出して、全生徒を校外へと避難させた。

miharu_cafet9
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@miharu_cafet9

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