宝石の国(第1話『フォスフォフィライト』)のあらすじと感想・考察まとめ

『宝石の国』とは市川春子による漫画作品、及びそれを原作としたアニメ作品。
遠い未来、生物は進化して陸には意思を持つ宝石たちが存在していた。役立たずであったフォスフォフィライトは、思い悩むシンシャにある約束をする。
今回は「宝石の国」第1話『フォスフォフィライト』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「宝石の国」第1話『フォスフォフィライト』のあらすじ・ストーリー

主人公のフォスフォフィライト

今から遠い未来、星の生物は長い時間の中で微小生物に食われて無機物となり、意思を宿した宝石となっていた。
二十八体いる宝石のうちの一つ「フォスフォフィライト(愛称:フォス)」は草原で寝ていた。そこを「モルガナイト(愛称:モルガ)」と「ゴーシェナイト(愛称:ゴーシェ)」に起こされる。宝石たちを束ねている「金剛先生」からお呼びがかかったのだ。フォスは「戦争に連れてってくれるのかも」と心躍らせる。

飛来した月人

宝石たちは「月人」と呼ばれる謎の敵と戦っていた。月人たちは宝石たちを攫って装飾品にしようとどこからか飛来してくるのであった。
フォスは戦いに出ることを望んでいたが、フォスは宝石たちの中でも最も壊れやすく、戦いに出ることを禁じられていた(宝石には硬度があり、フォスの硬度は「三半」。数字が上がるにつれ硬くなる。)。さらに月人の好まれる宝石の色をしている上、あまりにも不器用なので他の仕事も与えられていなかったのだ。モルガは未だに仕事をしていないフォスに呆れた。
その時、月人が来るという予兆があり、通常は先生に知らせねばならないのだが、モルガとゴーシェは二人で戦いに行ってしまった。

先生の元へ向かったフォスは仕事が決まった事を告げられるが、モルガとゴーシェが二人で月人の元へ向かった事をフォスが話すと先生は足早に行ってしまった。フォスや他の宝石たちも先生に同行する。
モルガはゴーシェが以前捕まったヘリオドールという宝石が弓矢の矢じりにされているのを目撃する。ヘリオドールを取り返そうとする二人だったがあえなく体を砕かれてしまう(宝石たちは不死なので体を砕かれようと死なない)。そこへ先生と宝石たちがやってきた。先生が指を鳴らすと月人たちは消えてしまった。そして勝手な行動をしたモルガとゴーシェに先生は怒号を飛ばした。体がもろすぎるフォスはその衝撃だけで体が砕けてしまった。フォスの体を拾い集めながら先生はフォスの仕事について話した。それは「博物誌の編纂」だった。

毒を持つシンシャ

フォスやモルガたちは修復を仕事としている「ルチル」に体を戻してもらう。彼らの体には微小生物が含まれており、宝石がある程度集まりさえすればその微小生物が傷口を修復してくれるのだった。
フォスは「博物誌」というものがなんなのか知らなかった。ゴーシェが言うには「自然にあるもので、未知のものを記録する」ということらしかった。詳しいことは「シンシャ」という宝石が知っているのではないか、と言う。
宝石たちは光を栄養としており、夜には活動機能が弱る性質を持っていた。しかし、シンシャと呼ばれる宝石は銀に光る毒液を無限に出せる能力を持っており、その毒液で少ない夜の光を集めて出歩くことができた。それ故に、夜の警備を仕事として任されていた。そんな仕事をしているシンシャは誰も知らない事を知っている可能性があった。しかし、シンシャの毒に触れると宝石が濁って光を通さなくなるのでその部分は削り取るしかなくなるという。宝石が削り取られるということは、削り取った分だけ記憶を失ってしまう事を意味していた。フォスはシンシャを部下にしてさっさと博物誌を完成させて、先生に褒められようとしていた。

シンシャの隣の部屋に住む「ベニトアイト(愛称:ベニト)」を訪ねるが、シンシャは部屋に帰っていないようだった。ベニトはフォスにシンシャを部下にするのをやめた方がいいと言う。シンシャは毒液を制御することができなかった。シンシャ自身も他の宝石たちに迷惑をかけないようにしてはいるのだが、ベニトはそれを知ってもなお、シンシャのことを恐れていた。フォスはシンシャを探しに外へ出た。

フォスは夕暮れまで歩き回ったが、シンシャを見つけることはできなかった。ある岬へシンシャを探しに来たフォスだったが、視界の端にフォスに向けて矢を放つ月人を発見する。そこへ毒液を纏ったシンシャが現れ、フォスを守った。シンシャは「これ以上汚したくない、見られたくない、こんな恥ずかしい…。戦いたくない…。」と言いながらも月人を毒で覆った。岬を毒液で溶かしてしまったシンシャは海へ落ちようとするが、そこへフォスが毒液に犯されながらも博物誌を持った手を伸ばす。シンシャが博物誌を掴むが、フォスの腕はあっさりと折れてしまった。海から上がったシンシャは気絶しようとするフォスを掴む。するとシンシャの腕が砕けてしまった。シンシャの硬度は二十八体の内で最も柔らかい「硬度二」であった。

フォスはルチルに体の修復をしてもらう。体を削ることになったが、今のところ記憶は無事そうだった。そこでシンシャの話を聞く。
シンシャは類稀なる才能と戦闘力を持っているが、呼吸をするたびに湧き出る毒液のせいで夜の警備に回されていた。しかし、夜に月人たちが出現したことはこれまで一度もなかった。つまり、夜の警備に回すことで宝石たちはシンシャを遠ざけていたのだった。
翌日フォスはもう一度その岬へ向かった。未だ知らない草木がないか調べているとシンシャが現れた。「懲りてないのか。」と言うシンシャにフォスは「そっちこそ。」と返す。この岬は先日ヘリオドールという宝石も攫われた危険な場所だったのだ。シンシャはこの岬が危険だとわかっていた。シンシャは月でなら自身に価値がつくのではないかと考え、月人に攫われるつもりだったのだ。だがシンシャ一人の時に月人は現れなかった。それがフォスが現れた途端、月人が現れたのであった。シンシャは悲しげな表情を浮かべ「お前はいいな。敵にすら愛されて…。」と口にする。
シンシャは名前のない植物がある場所を告げ、フォスの元を去ろうとする。フォスは「夜の見回りよりずっと楽しくて、君にしかできない仕事を僕が必ず見つけてみせるから…だから、月に行くなんて言うなよ!」と語りかける。シンシャは振り返ることなく行ってしまった。

シンシャは岬でフォスが忘れて行った博物誌を見つける。ほとんどが真っ白だったが、シンシャが博物誌を掴んだ跡がそこにはあった。シンシャは「夜から出たい。」と感情をあらわにする。
フォスは「絶対あいつが居なくなるのは嫌だ…。」と呟くのだった。

「宝石の国」第1話『フォスフォフィライト』の感想・考察

「宝石の国」の動画放送情報

地上波・BS・CS 放送スケジュール

・AT-X 2017年10月7日(土)21:30~
・TOKYO MX 2017年10月7日(土)22:00~
・BS11 2017年10月7日(土)23:00~
・毎日放送 2017年10月7日(土)26:38~

その他配信系 配信スケジュール

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@shuichi

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