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yudai10184のレビュー・評価・感想

バービー(映画) / Barbie (film)
7

これがアメリカのコメディかと

別の映画を観に映画館へ行った際、女性用化粧室から、ピンク色の洋服やアクセサリーなどをつけた女性客がわらわら出てきて、映画を観るにあたってのテンションの上げかたというか、一体感に驚かされ、自分も『バービー』を鑑賞することにした。
日本での公開前にSNSで炎上していた為、観ることを躊躇していたが、いざ鑑賞してみるとそんなことが気にならないくらい、普通に笑えた。そして、周りの観客もまた、日本の映画館とは思えないくらい平気で声を出して笑っていた。普通の上映でこれだから、きっと応援上映などがあれば、観客のファッションのピンク率はもっと高まるだろうし、歓声もものすごいことになりそうだ。想像してみると楽しかった。
子供向けの玩具が主人公として立てられた映画にしては、しっかり下ネタが入っていたが、コメディ映画なので非常にカラっとしている。
ストーリーの作り自体は非常に雑なように感じた。これは誰が観てもそう受け取るであろう。その問い、投げかけに対して、その回答は適切なのだろうかと疑問に感じるシーンがちらほらある。翻訳の問題かと思ったが、そうでもない。翻訳者も悩んだだろう。だがしかし、コメディ映画が丁寧なメッセージを鑑賞者に訴える必要もないのかもしれない。
何も考えず笑いたい時にみるのに相応しい映画だった。

テニスの王子様 / テニプリ / The Prince of Tennis / 新テニスの王子様
10

王道スポーツ漫画でありながら、女性に夢を与えるため常に進化し続ける唯一無二のコンテンツ

アメリカのジュニア大会で4連勝したスーパールーキーの帰国子女、越前リョーマが日本に帰国し、テニスの名門校、青春学園に入学する、というところから物語は始まる。上下関係や規律を重んじるテニス部で、リョーマは生意気な態度と物言いでなにかと波乱を起こしながらも天性のテニスの才能で、1年生でありながら、強い先輩や、他校の強豪ライバルたちとの試合に次々と勝利してしまう。
テニプリ初期の頃の見どころは、青春学園テニス部の、上下関係や規律といった強豪運動部ならではの習慣。とても読んでいて見ごたえがあると感じる。例えば、青春学園のカッコイイジャージを着れるのは、レギュラーのみであったり、月に1回レギュラー総当たり戦というものがあり、そこから脱落した者はレギュラーから外されるというものがあったり、新入生はレギュラーでない上級生からのいじめの制裁が待っていたり、規律を乱す行為をした者は、部長・手塚からグランド10周を言い渡されたり、などだ。
そして、もう1つの見どころは、そんな上下関係や規律にもろともせず、生意気な態度を取る越前リョーマの姿だ。例えば、同級生が上級生にいじめられた際には、テニスで先輩に勝ってやり返してしまう、などは読んでいてスカッとするし、また、絶対勝てないと思われているような強い先輩にも生意気な態度で勝ってしまうシーンなんかもカッコよくて、さすがスポーツ少年漫画!という展開に胸に熱くなる。
ただ、これだけならば、「テニスの王子様」という作品は、熱いスポーツ少年漫画、というだけで終わっていたかもしれない。
テニプリの真骨頂は、世の全ての女性たちに夢と希望を与えるコンテンツに展開をしていった、というところだと私は思っている。
大きな例として2つある。それが、「恋愛シュミレーションゲーム」と「キャラソン」だ。テニプリは2009年頃に「学園祭の王子様」と「ドキドキサバイバル」という恋愛シュミレーションゲームを出している。王道系の少年ジャンプ作品で、恋愛シュミレーションゲームを出しているのは、私が知る限りでは、テニプリだけだ。この2つのゲームは私がやった恋愛ゲームの中で一番の出来だと言っても過言ではないくらい、クオリティーが高い。
そして、テニプリのキャラクターソングは900曲を超え、これだけの数のキャラソンを出した漫画も私の知る限りではテニプリだけだ。キャラソン、というと、通常は、そのキャラクターのプロフィールを歌詞にしたようなものが多いが、テニプリのキャラソンは圧倒的に「ファンに向けた応援歌」が多い。それも、「自分を大事にして、自分の魅力を活かして頑張れ!君ならきっとできるよ!」そんな風にテニプリキャラ達が励まして自分を応援してくれている、そんな素晴らしい感性のある応援歌が女性の心を動かすのだと思う。日常生活で大変なことと闘っていたり、嫌だなと思うことがあったり、どうせ自分なんかと思ってしまったり。そんな女性たちを、テニプリのキャラたちが優しく、心強い言葉で癒して、背中を押してくれるからこそ、「テニスの王子様」というコンテンツが、連載から20年以上経っても、映画化やアニメ化され、全く「オワコン」になっていない、現在進行形の作品でい続けているのだと私は思う。
テニプリキャラ達がいるから毎日頑張れる、何十年経ってもそう思える作品に出会えたことに感謝したい!

アメリカで最も嫌われた女性 / The Most Hated Woman in America
8

マデリンは強い

アメリカで最も嫌われた女性って、何でだろうと思ってみたら、無神論者でそのことで活動をしているからだなんて、そんなことで?とびっくりです。
そりゃあ、活動家ってそんなに好かれるものでもないと思いますが、日本だと無神論者っているし、あまりわからないアレだなと思いました。
どっちでもいいというか、お祈りをしたとしても心の中は自由じゃんとも思うけど、きっとキリスト教とか信じている人にとっては大きな話だったんだろうなと思います。
マデリンはすごい強い女なんだなと思いました。私なら、嫌がらせとかあったら、もう活動をやめてしまいます。
それでも続けるなんて、すごいです。そのせいで、失踪してもあまり警察に相手にされず、かわいそうです。
そんなことが本当に起きた話なんて、悲し過ぎです。こんな強くて、かっこいい女が殺されてしまうなんて、最後は助かって、彼女のことをわかってくれる人が増えるって話だと思ってたから、ショックです。
マデリンがしたことは意味があったのか、わかりませんが、きっと当時の無神論者には心強い女だったのかなと思います。
映画は、昔の音楽が流れてて、当時の雰囲気がわかったし、マデリンの力強さがよくわかる役者さんだったし、面白かったです。

心が叫びたがってるんだ。 / ここさけ / The Anthem of the Heart
6

もう一度あの頃に戻れたら

主人公の少女の様に場面緘黙症の様な症状を持っていてもいなくても、人に自分の本当の想いを伝えるのは難しいのだと改めて気付かされる作品です。
担任に強制され音楽祭実行委員が4人クラスから選ばれます。元はお喋りでしたが過去のトラウマから話す事が出来なくなったヒロイン、音楽一家に生まれるも両親が離婚し孤独な少年、その少年の元恋人で人気者のチアリーダーの少女、ケガをし投げられなくなった野球部の野性味あふれる元エースの少年、といった面々です。
彼らはクラス内での立ち位置は違えど、それぞれが青春期特有の恋や部活内での悩みを抱えています。委員の仕事を通じて彼らはお互い本当の自分を出し合い、それがクラス全体に影響を及ぼしていきます。
本番の音楽祭のミュージカルで、ヒロインは仲間達の支えで声を取り戻す事が出来ました。しかし、それは初恋を失う、という代償がありました。
全体的にヒロインがなかなか話せない事にもどかしさを感じる事が多かったのです。しかし、誰もが失った青春の輝きや大きさにハッとさせられる作品です。委員会や部活や学業や恋に、またもう一度学生時代の仲間達と本気でぶつかり合って成長出来たらな、とほろ苦く感じる佳品です。