田中さくら@pnklv_llyrlng

田中さくら
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田中さくら

田中さくらのレビュー・評価・感想

プラダを着た悪魔 / The Devil Wears Prada
8

女性の仕事と恋愛の両立について

2006年6月30日に劇場公開されたプラダを着た悪魔は映画しか見たことがありませんがそれでも何度見ても色あせない面白さとテンポの良さと登場人物たちの立ち位置や女性目線だと出てくるファッションや身に着けているアクセサリーなど魅力的な要素が詰まった作品と思います。
そんな中でも注目してみてほしいのは恋愛と仕事の両立の難しさです。
主人公のアンディは大学時代に学生新聞の編集長だった経験を基にファッション雑誌ランウェイの編集部へと就職します。
その恰好やヘアスタイルも冴えないし食べるものも自分が好きな通り自由に食べ仕事をきっちりする者の上司であるミランダに認められたいため奮闘します。
ですが重大な失敗をしたことで挫折しそうになりますがミランダの直属の部下であるナイジェルに不満を漏らすと辞めてしまえ、君が働いているその席は5分で変わりが見つかるほどあこがれの職なんだ、目を覚ませ仕事をしているのだからと背中を押されます。
その後社内でメイクアップと撮影で使ったであろう衣装やアクセサリー、バッグを身に着け外見から仕事に打ち込みまじめに働きます。その後ミランダのシニア・アシスタントである。エミリーが夢見ているパリでの仕事を目前に交通事故にあい足の骨を折る大けがを負ってしまいます。
その頃アンディは同棲している恋人との不仲もありパリに行くことを素直に伝えられなかったため仕事と俺とどちらが大事なのかと選択を迫られてしまいます。
そんな時電話がかかってきて恋人は離れパリに行くことになるのです。
どちらも大事ですが、優先順位があるため仕事の為に重大な選択を間違えてしまうことがあることと、恋人や家族の協力がないとつらい思いをしてしまうことになる為、両立は正直難しいと考えました。
ただ仕事の忙しさに関しては多少でのもいいので理解が欲しいかなと思いました。

マタンゴ
8

名作『ゴジラ』を撮った東宝特撮陣が放った奇作『マタンゴ』

『マタンゴ』は1963年に公開された日本の恐怖映画で、監督は本多猪四郎。出演は久保明、水野久美、佐原健二。本作はウィリアム・ホジソンの短編小説『夜の声』を部分的に原作としており、ある島に流れ着いた漂流者のグループの物語で、その漂流者たちは放射能を浴びて変異したキノコによって自分たちの意思に反して姿を変えられてしまいます。
『マタンゴ』は同時期の本多の他の映画とは異なっており、より暗いテーマを掘り下げて荒涼とした作風になっています。日本での映画の公開時には、広島・長崎への原爆投下の犠牲者を想起させる人物が描かれていた場面があったためにほぼ上映禁止となりました。映画の短縮版は米国でテレビ放映されています。回顧的な批評では、総じて、この作品が本多の他作品からどれほど異なっているかについてコメントされています。トーンが陰惨だという点において異なっているのです。
同時代の批評では、映画は「東宝の特撮作品の最良の作品ではなかったが、キノコ人間がきわめて幻想的で、あらゆる形態、大きさ、色彩のキノコが登場する」と記されています。『マタンゴ』は「アマチュアチックなアジアのカルトムービー」で、「奇怪な文学のファン」や「深夜テレビ番組を見る不眠症の消費者」には「実質的に知られていない映画」と説明されてきました。

私というパズル
8

見ていてしんどくなる重さ。

すごく重いテーマなので、見ていてしんどかったです。マーサの思いもすごくわかるんだけど、夫だってつらいし、彼のことを思うとマーサが冷たい気もして。いろんな感情が揺さぶられた映画でした。個人的に最初の出産シーンがすごいです。私も出産経験はあるのですが、すごくリアルというか、なんか見ていられなかったです。長回しで撮影されていて、臨場感抜群。迫力が違いました。その後裁判、という流れはなんとも外国的です。そして、その意味は真実を明らかにするためって母親は言っていたけど、そんなので訴えられちゃうのもかわいそうだし、マーサ、お前が真実を言えよってなりました。もともと、子どもに何かありそうなのに、自宅出産にこだわるとか理解できません。だから、ちょっとこの主人公は私からすると共感はできない部分もあったのですが、それでも子どもを亡くしたことはすごく悲しいし、そんな中生きていかなければいけないだなんて…。さすが、アカデミー賞を受賞したことがある女優さんだけあって、ヴェネッサ・カービーの演技は素晴らしいです。表情をあまり出さない性格の役でしたが、それでも表情一つ一つに引き込まれました。

86ーエイティシックスー
10

臨場感と心理表現が素晴らしい

所謂SF作品ですが、メカニックデザインが現在のロボットアニメには無い多足歩行の蜘蛛のようで、今までにない、臨場感あふれるアクションを楽しめます。
登場人物に関しても、個性豊かというほどの強烈なキャラクターは少数ですが、それぞれがそれぞれの心情を持ち、より現実味を感じさせられるような表現が多く、物語が進むにつれて仲間の大切さ、ということを痛烈に感じさせられる作品です。
また、物語のあらすじとしては、最初は分かりやすくシンプルだなと思いながら見ていたのですが、中盤くらいから予想できない展開となり、先行きが全く想像できないという感じで、続きが非常に気になります。
主人公の少年は、今時の個性豊かなキャラではなく、地味でしゃべらない、面白みが無いといったモブキャラのような存在ですが、それを覆すような変貌ぶりを見せたり、表には出さない内に秘めた仲間想いの優しい一面もあり、普段の冷徹なイメージとのギャップも見どころの一部です。
作画のクオリティも最初から最後まで落ちることなく迫力と臨場感を常に感じさせてくれます。
戦争という観点とはズレますが、戦場での命の価値、人種による人権の損害、命の儚さと脆さという概念を深く感じさせられた内容となっており、作品を鑑賞しながらも考えさせられる作品となっています。

トムとジェリー / Tom and Jerry
10

とても好きなアニメです。

可愛すぎず、愛着の持てる絵柄なので男女両方が見やすく、セリフは少ないですがキャラの表情が豊かで子供の想像力を育んでくれると思い、幼い子供達に見せていました。
トムという飼い猫がジェリーという家に住み着いているネズミを捕まえようと家の物を投げたり壊したりして派手に追いかけまわすお話で、欲に忠実なところや現実でありそうな問題をネタとして使っているので親近感を感じます。
トムの抜けているところとジェリーの頭の良さが程よくバランスを保っているため、イライラせずに見ることのできるアニメです。話が繋がっていないので初めての方が気になるタイトルから見ても楽しむことができると思います。

1話だけのアニメだからこそ話がグダらず面白い、という意見もありますが、個人的には映画も凄くいいと思っています。表情豊かで既に面白いキャラ達に個性の強い声がそれぞれ入る事で面白さが増し、豪快に笑うシーンでは釣られて笑ってしまいます。
映画ではよくトムとジェリーが結託するのですがいつも追いかけ、追いかけられている2人が一緒に戦うシーンは新鮮で感動しますし、映画を見てからまたアニメを見るといつものトム&ジェリーだと微笑んでしまいます。
いつ見ても飽きません。

祈りの幕が下りる時
7

原作を読んでいなくても十分楽しめる内容

原作を読んでしばらく経っていたため、「こういう話だったかな」と思えるくらい、あちこちに伏線を張り過ぎずにまとまっていた。
松島菜々子の演技には正直あまり期待していなかったが、ふだんは沈着冷静でありながら内面の激情を抑えた演出家を上手く演じていた。阿部寛演じる加賀の相棒・松宮役の溝端淳平が、加賀は先輩でありながら親戚であるが故に、つい言いたいことを言ってしまったりという微妙な距離感を表現している点が良かった。
捜査が行き詰まっても最後に一気に解けていくのは推理物の映画にはありがちだが、この作品もその種に入るだろう。時間の制約がある中で原作通りに作ることは不可能だから仕方ないが。
特に、浅居博美の担任(及川光博)についての描き方が表面的で、どんな人物だったのかがわかりにくく、原作を読んでいない人にはその後の展開に納得がいかないのではないか。
とはいえ、博美が追い詰められ、ついに加賀と対峙したシーンは、雑にならずに丁寧に作られていて、観ている側にも緊張感がひしひしと伝わってきた。淡々とした加賀の言動がかえって迫力を生んでいる。随所に挿入される日本橋界隈の風景も楽しい。わざとらしさを感じなかった。
エンドロールにもサプライズがあるので、最後まで席を立たずにちゃんと観ていただきたい。