私というパズル

田中さくらのレビュー・評価・感想

私というパズル
8

見ていてしんどくなる重さ。

すごく重いテーマなので、見ていてしんどかったです。マーサの思いもすごくわかるんだけど、夫だってつらいし、彼のことを思うとマーサが冷たい気もして。いろんな感情が揺さぶられた映画でした。個人的に最初の出産シーンがすごいです。私も出産経験はあるのですが、すごくリアルというか、なんか見ていられなかったです。長回しで撮影されていて、臨場感抜群。迫力が違いました。その後裁判、という流れはなんとも外国的です。そして、その意味は真実を明らかにするためって母親は言っていたけど、そんなので訴えられちゃうのもかわいそうだし、マーサ、お前が真実を言えよってなりました。もともと、子どもに何かありそうなのに、自宅出産にこだわるとか理解できません。だから、ちょっとこの主人公は私からすると共感はできない部分もあったのですが、それでも子どもを亡くしたことはすごく悲しいし、そんな中生きていかなければいけないだなんて…。さすが、アカデミー賞を受賞したことがある女優さんだけあって、ヴェネッサ・カービーの演技は素晴らしいです。表情をあまり出さない性格の役でしたが、それでも表情一つ一つに引き込まれました。