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名作『ゴジラ』を撮った東宝特撮陣が放った奇作『マタンゴ』
『マタンゴ』は1963年に公開された日本の恐怖映画で、監督は本多猪四郎。出演は久保明、水野久美、佐原健二。本作はウィリアム・ホジソンの短編小説『夜の声』を部分的に原作としており、ある島に流れ着いた漂流者のグループの物語で、その漂流者たちは放射能を浴びて変異したキノコによって自分たちの意思に反して姿を変えられてしまいます。
『マタンゴ』は同時期の本多の他の映画とは異なっており、より暗いテーマを掘り下げて荒涼とした作風になっています。日本での映画の公開時には、広島・長崎への原爆投下の犠牲者を想起させる人物が描かれていた場面があったためにほぼ上映禁止となりました。映画の短縮版は米国でテレビ放映されています。回顧的な批評では、総じて、この作品が本多の他作品からどれほど異なっているかについてコメントされています。トーンが陰惨だという点において異なっているのです。
同時代の批評では、映画は「東宝の特撮作品の最良の作品ではなかったが、キノコ人間がきわめて幻想的で、あらゆる形態、大きさ、色彩のキノコが登場する」と記されています。『マタンゴ』は「アマチュアチックなアジアのカルトムービー」で、「奇怪な文学のファン」や「深夜テレビ番組を見る不眠症の消費者」には「実質的に知られていない映画」と説明されてきました。