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misaki5701のレビュー・評価・感想

カポーティ
7

友達だったのかどうか

作家のカポーティが小説にしようと、死刑囚に会い、彼と交流していく話です。カポーティは売れる小説を書きたいっていう野望があって、ペリーに嘘もついてたし、彼を救おうとか、裁判の公平さとかを考えていたわけではないけど、その一方で彼と自分の似た境遇に気が付いて、彼のことを好きになってはいたような気がしました。ペリーはひどい男だし、彼の話す犯行状況を聞いても、そこまで印象は変わらないというか、いや、悪い奴じゃんと思いました。それでも、彼の境遇はかわいそうなところがあるし、本人に聞いてもないとわからないところがあるなと強く感じました。これで、カポーティがペリーと大親友みたいになって、彼を救おうと奮起していたら、すごく嘘くさくなっていたと思います。彼が心のどっかで、ペリーはくそだなと思いつつ、君の友人だよとか言って彼からいろいろ聞きだそうとする姿はすごくリアルでした。そして、彼のことを本気で救おうと思っていなかったにもかかわらず、どこかで彼に自分を重ねていたのか、最終的にとてもショックを受けるところも、ザ・人間って感じです。犯罪小説とかよくありますが、製作はすごく大変だろうなと思います。私はカポーティのことをこの映画を見るまで、よく知りませんでしたが、ティファー二ーで朝食をって聞いたことがあるし、彼のライバルであるネルのアラバマ物語は読んだことあるので、すごく有名な人のことを扱ってるんだなと感じました。こんな有名な人もすごく悩んでてというのがわかると、人間て大変だわと重い気持ちになりました。

サマーウォーズ / Summer Wars
10

夏になると見たくなる映画

まず、作画に注目してほしい。
細田監督の作品はデジモンや時をかける少女で幼い頃から目にしてきたが、独特の線のタッチや色使いがとても綺麗で、正直映画の内容よりも絵の印象がとても強いかも。

今作の特に印象深いシーンは、栄おばあちゃんが亡くなった後に家族みんなが薄暗い屋内の縁側に等間隔で座り、その背景にうんざりするほど綺麗な青空と大きな入道雲が描かれているところ。
私自身、田舎の原風景というものを正直見たことはないだが、なぜかこのシーンを見ると「ああ、懐かしい」と思えてしまうほど美しい作画。
夏になると必ず見たくなる映画たる所以はこのシーンの存在が大きいのかも…

また、細田作品には欠かせない王道の恋愛ストーリー、もちろん今回も登場。
パソコン部の冴えない根暗な高校二年生の主人公 小磯健二と、高校三年生で学校のアイドルのヒロイン 篠原夏希の甘酸っぱい恋愛ストーリー。
こちらも夏に相応しいキュンとさせてくれるシーンが盛り沢山なわけだが、特に印象的なのはやはりラストのキスシーン。

まず、栄おばあちゃんから物語序盤でもらった朝顔柄の浴衣を着た夏希が可愛すぎる。

そんな夏希とのキスを迫られた健二は、勇気を出すも鼻血を出してしまうというロマンチックというよりはコメディーチックなラスト。

いろんなシーンで夏を感じることができる面白い映画なのでおすすめ。

SHIROBAKO
8

劇場版『SHIROBAKO』のレビュー

2014年10月から半年に渡って放送された『SHIROBAKO』の劇場版。テレビシリーズから4年後を舞台に、宮森あおいを始めとする「武蔵野アニメーション(通称:ムサニ)」の面々が新たなアニメ作りに挑む姿を描く。今回は新作劇場版アニメの完成が課題だが、スタッフ同士で演出や作画に対しての意見が食い違い、更にスポンサーの横槍もあって思うように進まない。それでも観客に最高の作品を提供しようと、最終的には一致団結して制作に取り掛かり、少しでも納得できない箇所があれば修正するなど、限られた時間で最大限の労力を発揮するムサニスタッフの根性には頭が下がる。かつてムサニスタッフは打ち切りが原因で解散してしまっていたのだが、再び筆を取った瞬間に生き生きとした表情になり、試行錯誤を重ねつつも作品作りに励む姿からは4年間のブランクをまるで感じさせない。そして、ラストの1分間における加筆に関しては英断だったと思う。試写会で好評だったにもかかわらず、スタッフ間で満足できなかった箇所を加筆する事で、持てる可能性を出し尽くしてでもより良い作品作りに努めようとする気概が感じられた。若干苦々しい雰囲気になりつつも、希望とカタルシスに満ちたラストになったと言えよう。

幽☆遊☆白書 / 幽遊白書 / 幽白 / Yu Yu Hakusho
9

深みのある大人向けのバトル漫画!

キャラクター同士の頭脳戦が読み応えたっぷりの漫画、ハンターハンターの作者、富樫先生の代表作漫画です。
漫画の前半は霊能力者と妖怪の単純なバトルが繰り広げられますが、物語が進むにつれ、霊界、魔界の存在など幽遊白書ならではの世界観がどんどん広がっていきます。人間とは何なのか、生き物としての在り方なんかも楽しみながら、考えさせられる場面もあるので、子供よりも大人が楽しむ漫画になっているのではないでしょうか。ただバトル漫画の金字塔、ドラゴンボールの主人公、孫悟空を彷彿させる主人公、浦飯幽助の強さへの好奇心、ライバル飛影のクールでブレないかっこ良さなど、バトル漫画に欠かせない魅力的で面白い、子供のヒーローになりえるキャラクターたちも見ものです。強いヤツが次々と現れ、そんな敵にどんな風に打ち勝っていくのか気になり、どんどん読み進めてしまいます。物語の構成が霊界死闘編、霊界探偵編、暗黒武術会編、仙水編、魔界統一トーナメント編などで構成されているので、最後まで先が読めない展開になっていて飽きません。ライバルの飛影が何故、孤独を好むのか、仙水がこんな行動をとってしまうのかなど、しっかり設定されたバックボーンがあっての性格、言動があったりするので、よりキャラクターに深みが出ています。