夏になると見たくなる映画
まず、作画に注目してほしい。
細田監督の作品はデジモンや時をかける少女で幼い頃から目にしてきたが、独特の線のタッチや色使いがとても綺麗で、正直映画の内容よりも絵の印象がとても強いかも。
今作の特に印象深いシーンは、栄おばあちゃんが亡くなった後に家族みんなが薄暗い屋内の縁側に等間隔で座り、その背景にうんざりするほど綺麗な青空と大きな入道雲が描かれているところ。
私自身、田舎の原風景というものを正直見たことはないだが、なぜかこのシーンを見ると「ああ、懐かしい」と思えてしまうほど美しい作画。
夏になると必ず見たくなる映画たる所以はこのシーンの存在が大きいのかも…
また、細田作品には欠かせない王道の恋愛ストーリー、もちろん今回も登場。
パソコン部の冴えない根暗な高校二年生の主人公 小磯健二と、高校三年生で学校のアイドルのヒロイン 篠原夏希の甘酸っぱい恋愛ストーリー。
こちらも夏に相応しいキュンとさせてくれるシーンが盛り沢山なわけだが、特に印象的なのはやはりラストのキスシーン。
まず、栄おばあちゃんから物語序盤でもらった朝顔柄の浴衣を着た夏希が可愛すぎる。
そんな夏希とのキスを迫られた健二は、勇気を出すも鼻血を出してしまうというロマンチックというよりはコメディーチックなラスト。
いろんなシーンで夏を感じることができる面白い映画なのでおすすめ。