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goroのレビュー・評価・感想

ウイニングポスト9
10

競馬ゲームの真骨頂、さまざまなファンがいろいろな形で楽しめる決定版

『ウイニングポスト9 2021』は、私が遊んできた競馬ゲームのなかで、いちばんいいと実感しております。さまざまな馬を育てられるやり込み要素や、リアリティにあふれた人間関係の構築がポイントです。
馬を育てるだけでも、さまざまな楽しみのポイントがあります。まずは繁殖牝馬を買い、好きな種牡馬に種付けするのです。「オグリキャップ×ヒシアマゾン」「サンデーサイレンス×ファインモーション」のような、現実にはない名馬同士を組み合わせられるのがメリットでしょう。夢のような血統を実現させ、そこから生まれた馬をイチから育てられる喜びは、競馬ファンとして至福の限りです。
人間関係の構築も良いところです。ゲームに登場する好きなキャラクターと結婚し、子どもが騎手や調教師としてデビューするなど、リアリティ満載といえます。調教師や騎手、ライバル馬など、自分がプレイする馬主や競走馬の視点から、さまざまなストーリーを作れるのもうれしいところでしょう。
ウイニングポストは毎シリーズそうですが、今回のバージョンは競馬の奥深さとリアリティを今までにないぐらい味わえるのがメリットです。そうした意味でも「もし自分が馬主だったらどんな人生を歩むかな」という想像を、ゲームで表せる醍醐味があります。
競馬ファンの皆さんなら、ぜひ一度は手に取っていただきたいソフトです。そういう形で、私は心からこのゲームをおすすめします。

クロノ・クロス / Chrono Cross
9

名作「クロノ・トリガー」の続編として、人と次元が交差する壮大な星のドラマ

1999年、PSで発売されスクウェア・エニックスが手掛けた作品「クロノ・クロス」。キャッチコピーは「殺された未来が、復讐に来る。」
本作は、パラレルワールドの設定なのでストーリー・操作が少し複雑かつ、前作「クロノ・トリガー」とのつながりがイマイチ分かりづらく、攻略が難しいところがあります。
しかし、操作がイマイチよく分からない、攻略が難しいという理由で手放すのはかなり勿体ない作品です。

クロノ・クロスならではの独特な雰囲気やBGMは、流れてくる音楽、自然音、効果音が凄くマッチしていて、20年以上たった今でも聞きたくなるくらい素晴らしいのが魅力のひとつです。
また、物語も壮大でキャッチコピー「殺された未来が、復讐に来る。」のとおり、話が進むにつれどんどん物語が核心へ繋がっていき、プレイしている自分もその世界観にのめり込んでいきます。その物語上で出会う仲間は総勢で40人以上いますが、キャラクター、一人ひとりにもちゃんとストーリーがあり1周では物足りないくらいやり込み要素があるのも魅力的です。
前作のクロノ・トリガーの物語を知らない、そもそもクロノシリーズをプレイした経験がない人でも十分楽しめる作品だと思います。2周目、3周目以降も飽きることなく楽しめる作品なので、続編又はリメイク版が出て欲しい作品No.1です。

からくりサーカス / Karakuri Circus / Le Cirque de Karakuri
10

少年漫画の金字塔

『うしおととら』、『月光条例』などで有名な藤田和日郎先生の作品。
『少年サンデー』の読者やマンガ好きなら一度は聞いたことのあるタイトル達ではないだろうか。
その中で私が一番の作品だと自信をもってオススメできるのが『からくりサーカス』です。
この作品には三人の主人公が存在し、運命に巻き込まれてしまった少年「才賀勝」。
その勝のボディーガードである女性「しろがね」。
奇病に侵されながらも必死に生きている中国拳法の使い手「加藤鳴海」。
この三人が出会うところから物語はスタートします。
本作品はバトル漫画なのですがタイトルでもわかるように、この作品では人形が多く登場します。
敵もからくり、こちらもからくり使いとわかりやすい構図なのですが、その中で珍しく肉体を使って戦う加藤鳴海が、どう敵を凌いでいくのか、どう生きていくのか。
藤田先生の漫画ならではの熱いシーンが何度も見られるのがこの作品の魅力です。
絵がとっつきにくいとよく聞くことがありますが、いざ読んでみるとお世辞にも綺麗とは言えない、それでもだからこそ見られる登場人物たちの熱い表情、悲しみに満ちたシーンなど、この作品でないと味わえない技法や表現を存分に楽しむことができます。
私自身も『少年サンデー』コミックス版の1~3巻にあたる「勝編」はあまり盛り上がらないかなと思ってしまうのですが、それを乗り越えた先にある怒涛の展開にはもう読む手も止まらず、何度も泣かされてしまうシーンもありました。
読む際にはぜひとも序盤で止めないでほしく思います。

この作品はアニメ化もされており、そちらで見ようと思っている方も多いかもしれませんがアニメ版ではストーリーの大切な部分や構成が丸々抜けていたりと省略が目立ちますので、初見での感動を味わうためにも最初はぜひコミックスでこの作品に触れていただけたらなと思います。
電子書籍サイトでも配信されていますし、連載当時のカラーページ等を再現した「完全版」も発売されており、これから読む人はその完全版をお勧めしたいと思います。

皆様もぜひこの奇妙なからくり仕掛けの舞台に飛び込んでみるのはいかがでしょうか"

TEN'S UNIQUE
10

岸和田注目のラッパーTEN'S UNIQUE

近年、ラップバトルの番組である『フリースタイルダンジョン』(2020年7月に終了)の放送、AbemaTVのヒップホップに関する番組の放送などの影響で、若者の間でヒップホップブームが起きている。またそこから派生して、日本のレゲエ音楽であるジャパレゲも注目を浴びている。
今回紹介するラッパーTEN'S UNIQUE(テンズユニーク)は、ヒップホップとレゲエを融合させたような音を奏でる岸和田出身の注目のラッパーである。
TEN'S UNIQUEの最大の魅力は声である。少しハスキーで聞き取りやすいその透き通った声は、聴いている人を魅了する。
また、ジャパレゲの真骨頂ともいえるリリックが良くどの曲も心に響き、聴いていてリラックスしたり元気が出たり勇気づけられたりする。TEN'S UNIQUEのリリックはアイリー(幸せ)でピース(平和)なものが多く、そんなリリックが彼の声ととてもよく合っている。
さらに、どんなビートも乗りこなすフロウも魅力的である。速いビート遅いビートを選ばず、聞き取りやすい滑舌で乗りこなすそのフロウは、聴き心地が最高である。
心に響くリリックと聴き心地が最高なフロウ、さらにそれを際立たせる声がかけ合わさった岸和田のラッパーTEN'S UNIQUEを是非聴いてほしい。

捨てられた皇妃 / The Abandoned Empress
8

フルカラーコミック「捨てられた皇妃」

ファンタジー漫画の中でもストーリーが面白くておすすめであり、何と言ってもフルカラーという珍しい漫画です。
主人公は未来の皇后として育てられたアリスティア。異世界からやってきた少女・美優に皇后の座を奪われ側室の皇妃となり、仕事もせず作法も覚えられない皇后に代わり、仕事も根気強くこなしたというのに、皇后も愛する皇帝からも理解されません。せっかく身ごもった子供も流産し子供の産めない体になった挙げ句、反逆罪として父親も処刑され、アリスティアは皇帝に対し怒りのあまり殺害未遂を起こし、処刑されてしまいます。
しかし彼女は処刑されたときまでの記憶を持ったまま9歳の頃の自分に転生していました。後に彼女は教会で神の存在である「ビタ」から転生の理由や残酷な運命を知らされます。彼女は神を否定し残酷な運命を回避する決意をします。
ストーリーの序盤から謎が多い物語で、9歳から未来を知ったうえでスタートするわけですが、彼女にも知らない事実が次々と出てきます。転生ものとはいえアプローチが個性的で謎も多くアリスティアが運命に背くことで事態がどんどん変化していくのを観るのがとても魅力的です。周りの登場人物たちも抱えている問題や謎なところがあり美優が現れるまでの間アリスティアが動くことでどう変化するのか気になるところです。
またフルカラーという恐ろしく手間のかかる手法で読者を魅了してくるところはすごいです。絵柄もデザインも素敵で綺麗です。
おすすめできるファンタジー漫画です。

SLAM DUNK / スラムダンク / スラダン
10

バスケだけじゃない。

バスケ未経験のスーパー不良高校1年生桜木花道が好きな子の気を引くためにバスケ部に入部し、持ち前の運動神経でメキメキ成長して全国区の選手になる話だ。
しかしバスケだけじゃなくて、友情や努力などの描写も素敵。高校生が主人公の漫画なのにカップルは高校に一組もおらず、みんなが片思いしていると言う設定。高校生らしく全員が全員好きな人のためにバスケだったりのアピールを頑張っているが、結局誰一人結ばれないし花道は女の子のためにバスケをはじめたけれどいつの間にかバスケが大好きになって、強いやつと戦いたい!やチームのために頑張る!みたいな今までなかった感情が芽生える。
それを支えるのが花道の同級生の桜木軍団。花道のインターハイを見に行くために一生懸命バイトをしたり、花道が喧嘩に遭遇しそうになったら花道の代わりに戦ってくれたりする。花道の成功を心の底から喜んでくれる桜木軍団の存在があるからこそ、湘北バスケ部はあれだけ盛り上がり、花道もなんとかバスケ部を辞めずに済んだわけである。
それぞれの対戦校のアナザーストーリーもとても良い。特筆すべきは豊玉高校だ。インターハイのかませ犬的な感じで言う人も多いが私は気に入っている。信頼し憧れていた顧問が辞めさせられ、新しく来た顧問のやり方に反発しながらも根本のバスケが好きというのは変わらず、油断した湘北を猛追する。しかし最後は敗退してしまう。根本の大切なものに気がつけていたら勝負は変わっていたのかもしれない。高校生の大人になりきれない心情が垣間見える。
その他の試合も含め、バスケを知らない人でも必ず引き込まれる内容だと思う。