捨てられた皇妃 / The Abandoned Empress

捨てられた皇妃 / The Abandoned Empressのレビュー・評価・感想

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捨てられた皇妃 / The Abandoned Empress
10

転生・恋愛・政治・美麗な絵柄…好きになる要素しかない!

漫画アプリで作品を知りましたが、作品が好きすぎて書籍版も購入しました。ネットの広告では、「捨てられた皇妃」である主人公・アリスティアの転生前がよく載せられていますが、物語のメインは、自分を冷遇した夫(皇帝)への反逆罪で処刑された後、時間が巻き戻って9歳の自分に転生したところから始まります。
次期皇帝の妃となる運命から逃れるため、アリスティアは自身の家を継ぐ騎士になろうと奮闘するのですが、前の人生で深く触れ合わなかった父親や同年代の友人たちと交流することで幸せを得ていく姿が印象的です。また、次期皇帝になる皇太子(つまり、アリスティアにとって前の人生での夫)とも打ち解けていき、いい雰囲気になったりもします。たくさんの伏線が張られており、アリスティアが実は転生する時点より前の、幼少期の記憶を失っていたり、前の人生で皇帝がアリスティアを冷遇した理由が他の妻ではなさそうだったりと、早く真相を知りたくなります。また、同年代の他の青年たちもアリスティアに想いを寄せており、アリスティアが一体誰とくっつくのかが気になります。
そういった恋愛模様・人間模様だけでなく、実は皇帝と対立する派閥が次期皇后とされているアリスティアを疎んでいたり、そういった派閥と戦うためにアリスティアが社交界での地位を確立すべくサロンを形成したりと、政治的な戦いも描かれており、聡明に立ち回るアリスティアが非常にかっこいいです。ストーリーが非常に緻密です。
また、全編カラーの漫画であり、作中の貴族や皇族が身に着けているドレスが一度として同じものでなく非常に細やかに描かれているので、一度目はストーリーを追い、二度目はうっとりと絵柄を眺め…という楽しみ方もできます。

捨てられた皇妃 / The Abandoned Empress
8

フルカラーコミック「捨てられた皇妃」

ファンタジー漫画の中でもストーリーが面白くておすすめであり、何と言ってもフルカラーという珍しい漫画です。
主人公は未来の皇后として育てられたアリスティア。異世界からやってきた少女・美優に皇后の座を奪われ側室の皇妃となり、仕事もせず作法も覚えられない皇后に代わり、仕事も根気強くこなしたというのに、皇后も愛する皇帝からも理解されません。せっかく身ごもった子供も流産し子供の産めない体になった挙げ句、反逆罪として父親も処刑され、アリスティアは皇帝に対し怒りのあまり殺害未遂を起こし、処刑されてしまいます。
しかし彼女は処刑されたときまでの記憶を持ったまま9歳の頃の自分に転生していました。後に彼女は教会で神の存在である「ビタ」から転生の理由や残酷な運命を知らされます。彼女は神を否定し残酷な運命を回避する決意をします。
ストーリーの序盤から謎が多い物語で、9歳から未来を知ったうえでスタートするわけですが、彼女にも知らない事実が次々と出てきます。転生ものとはいえアプローチが個性的で謎も多くアリスティアが運命に背くことで事態がどんどん変化していくのを観るのがとても魅力的です。周りの登場人物たちも抱えている問題や謎なところがあり美優が現れるまでの間アリスティアが動くことでどう変化するのか気になるところです。
またフルカラーという恐ろしく手間のかかる手法で読者を魅了してくるところはすごいです。絵柄もデザインも素敵で綺麗です。
おすすめできるファンタジー漫画です。