バスケだけじゃない。
バスケ未経験のスーパー不良高校1年生桜木花道が好きな子の気を引くためにバスケ部に入部し、持ち前の運動神経でメキメキ成長して全国区の選手になる話だ。
しかしバスケだけじゃなくて、友情や努力などの描写も素敵。高校生が主人公の漫画なのにカップルは高校に一組もおらず、みんなが片思いしていると言う設定。高校生らしく全員が全員好きな人のためにバスケだったりのアピールを頑張っているが、結局誰一人結ばれないし花道は女の子のためにバスケをはじめたけれどいつの間にかバスケが大好きになって、強いやつと戦いたい!やチームのために頑張る!みたいな今までなかった感情が芽生える。
それを支えるのが花道の同級生の桜木軍団。花道のインターハイを見に行くために一生懸命バイトをしたり、花道が喧嘩に遭遇しそうになったら花道の代わりに戦ってくれたりする。花道の成功を心の底から喜んでくれる桜木軍団の存在があるからこそ、湘北バスケ部はあれだけ盛り上がり、花道もなんとかバスケ部を辞めずに済んだわけである。
それぞれの対戦校のアナザーストーリーもとても良い。特筆すべきは豊玉高校だ。インターハイのかませ犬的な感じで言う人も多いが私は気に入っている。信頼し憧れていた顧問が辞めさせられ、新しく来た顧問のやり方に反発しながらも根本のバスケが好きというのは変わらず、油断した湘北を猛追する。しかし最後は敗退してしまう。根本の大切なものに気がつけていたら勝負は変わっていたのかもしれない。高校生の大人になりきれない心情が垣間見える。
その他の試合も含め、バスケを知らない人でも必ず引き込まれる内容だと思う。