信じることは難しい
事件の犯人が逃亡したまま1年経過した日本のとある街。同じ時期に現れた正体不明の男性3人にフォーカスをあて、その周囲で巻き起こる事件や人間関係のストーリーです。男性3人は、その街に来た以前の経歴など詳細な個人情報は知られていないが、それぞれがその町で住人や職場の人と仲良くなったり、または恋人ができたりなど人間関係を築いていきます。信頼し合った関係になったと思っても、身の回りで不審なことや些細な事件があると、恋人でさえもその男性を疑ってしまいます。さらに、警察が公開した1年前の事件の犯人と、顔や身体的特徴がわずかに似ていた事に気づくと警察に通報したり、距離をおいたりします。そして、日が経ち、犯人ではなかったことを知り周囲の人々は激しく後悔します。このとき、人を信じるとは何か。恋人であっても僅かな不信感で疑ってしまい、何をもって人間は人を信じるのだろうと考えさせられました。1年前の殺人犯の顔が正体不明の3人全員に似ています。そのため最後の最後まで犯人が分からず、引き込まれます。そして、犯人の動機や犯人の結末に衝撃を受けます。また、話の中で少女のレイプ事件が起きます。この事件も重要なポイントになり、この事件で苦しむ少女やその友人の少年の想いを考えると非常にやりきれない気持ちになります。