リバイバル現象がどんなドラマを生むのか
藤沼悟(29歳)にはリバイバルという現象が起こる。それは近くで事件が起こると、悟だけ空間ごと時間が巻き戻るというもの。
事件を未然に防ぐと時間が動き出し、失敗すると、再び巻き戻る。
悟が交通事故に遭ったきっかけで、お母さんが北海道からお見舞いに来た。しかし何者かに殺されてしまう。その直後、悟にリバイバルが起こるが、北海道にいた小学5年生の頃に戻ってしまう。
頭脳は大人のままだが、体は小学生だ。
当時起きた連続誘拐事件が母親を殺した犯人と関係していると直感した悟は誘拐事件を未然に防ごうとする。
第一被害者である雛月加代を1人にさせないように試みたところ、母親から虐待させていることが発覚した。
加代が徐々に心を開いていく様子や、他の同級生たちの絆が感慨深い。悟の踏み込んでいく姿に周りも影響を受けていく。
警察を動かすため、悟は同級生と一緒に加代を誘拐をすることを決意する。
悟が行動を変えるたびに未来がどう変わるかを予想していくことが面白く、奮闘する姿が印象的だ。
リバイバルが絶妙なタイミングで起こり、展開のテンポが良く、読んでいて飽きさせない作品である。
真犯人の正体だけではなく、リバイバルを通して、どのように事件を解決に近づける過程は必見だ。