映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのレビュー・評価・感想

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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
9

子供向きだと侮るなかれ!クライマックスで怒涛の展開が待っている!

「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」は、サンエックスキャラクターのすみっこ達が色々と出てきて活躍する、賑やかな映画です。
喫茶店の地下室にあった、不思議な絵本に吸い込まれたところから物語が始まります。桃太郎や人魚姫などの、様々なおとぎ話の世界を旅するすみっコたちは可愛らしくて楽しそうで、見ているだけで思わず癒されてしまいます。けれど、序盤から中盤はシナリオがつまらなく感じるかもしれません。すみっコはどんな時でも愛らしいですが、人によってはもう少し説明が欲しいと思ってしまうかもしれないからです。後は、すみっコたちのセリフが少ない点も気になるかもしれないです。音声はなく、たまにキャラクターの近くに文字が出るだけなので、キャラクター同士のかけあいを楽しみたい人にとっては、退屈に感じてしまうでしょう。しかし、クライマックスにさしかかると怒涛の展開がやってくるため、一見の価値がある作品です。癒しと感動を求めている人には、ぴったりの映画と言えます。
最も評価できる点は、子供も見れる作品であるため、シナリオ構成がシンプルで分かりやすい点です。作品の事前知識は不要で、初見の人でも楽しむことができます。エンディングにもちょっとした感動要素があるため、最後まで見逃す事ができません。最初から最後までかわいいが詰まった作品なので、魅力的なキャラクターに癒されたい人は、ぜひ見てください。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
10

かわいいだけじゃないすみっコたち

映画化すると初めて知ったときに思ったことは、「すみっコたちがしゃべってしまうのか!?」ということでした。というのも、イメージというものもあるし、正直声は聞きたくなかったからです。そこで予告を確認したところ、グッズなどと同じく、キャラクターの周りにかわいらしくセリフが書いてあり、声優情報もナレーターのみだったので、しゃべらないだろうと安心しました。みごとなナレーションで、世界観を壊さず、むしろ空気が伝わる感じで子供にもよくわかりやすくなっていました。期待通り、いつものほのぼのとしたかわいらしさ全開で、終始ニコニコして、何度も何度も「かわいぃ~♪」とつぶやきながら観ていました。しかしそれだけではなく、期待を裏切られたと言っていいほどのスピード感ある冒険に、わくわくの連続でした。そしてヒヨコとの出会い、助け合いの優しさ、切なさ、心温まるストーリー。まさか感動で涙の連続になるとは思いませんでした。涙を浮かべるキャラクターの表情がたまらなかったです。恥ずかしがり屋のネコの爪とぎなど、キャラクターの性格や特性が特技に変わっている点がとても印象的で、ストーリー展開を盛り上げていたと思います。キャラクターが好きというだけで観に行く人がほとんどでしょうが、きっとそれ以上に心に響く素敵な映画なので、ぜひ、ご家族で見てほしいと思います。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
7

すみっコぐらしらしい映画

すみっコぐらしは、とても好きだし、絵本とかも読んだりするけど、アニメとなったらどうなるのかなと思っていました。で見てみると、すみっコぐらしのみんなはしゃべらない仕様でナレーターが話を進めていっていて、これぞすみっコぐらしの世界観だと感動しました。すみっコの多くのキャラクターが登場しましたし、すみっコファンとしてはうれしい限りです。私は、ぺんぎんが好きなので、ぺんぎんも出てきてうれしかったです。みんなが絵本の世界に入っちゃうという話で、みんなのコスプレ姿を見れたのもよかったです。なんとなく、ドラえもんのアラビアンナイトっぽいなあと思いました。
お話は、絵本の国で、元いた場所がわからなくなっちゃったひよこの場所を探すというものです。このひよこちゃんもすみっコの面々と通じるところのあるキャラで、1人は嫌だし、元いた場所を探したい気持ちはあるけど、そんなにがつがつしていないところがたまりません。最初、見たとき、この色はひよこか?っと思って、ああ、たぶんあれだと勝手に想像していたのですが、そんな簡単なオチではありませんでした。後半にはなんだか悲しい結末になりそうな展開になり、胸にぐっとくるものがありましたが、最終的にとてもすてきな終わり方をしていました。さすが、すみっコぐらしです。哀愁はありつつも、こんなほんわかした終わり方ができるなんてと感動しました。キャラクターものが映画だなんて、できるのかと思っていましたが、とてもおもしろく、また映画化してほしいなと思いました。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
10

大人も子どもも。観たあとは心が温まる優しい映画です。

2019年キャラクター大賞を受賞した、san-xから出ている大人気キャラクター「すみっコぐらし」が7周年を記念して映画になりました。
子ども向けのキャラクターかと思われますが、すみっコたちはみんなどこかネガティブなんです。
恥ずかしがりやのねこ、寒がりで人見知りのしろくま、自分に自信がないぺんぎん?、油っこいから残されちゃったとんかつ、本当はきょうりゅうだけどつかまっちゃうから嘘を付いているとかげなど、なんとなくみんなコンプレックスや秘密を持っているすみっコたち。みんなお部屋のすみっこ、電車やカフェ、どこでもすみっこが大好きで落ち着く。そんな、大人でもあるある!と思ってしまう「共感」度が高いキャラクターたちです。そんなすみっコたちが絵本の世界で冒険するお話です。新キャラクターのひよこ?がどのお話の世界から来たのかわからず、迷子になっているのですが、すみっコたちはひよこ?のおうちを一緒に探してあげるためにみんなで協力してあげます。困っているひよこ?を助けてあげるすみっコたちにほんわか癒される…と思ったらダメです。
ひよこ?は実は絵本に誰かが描いた落書きのひよこ。どの絵本のお話にも出て来ない、白紙のページでずっとひとりぼっちだったことがわかります。
しろくまやぺんぎん?は一緒にすみっこに来る?と誘いますが、そこからは大号泣の展開です。
すみっコたちのひよこ?のために頑張る姿や、ひよこ?を思いやる気持ち、寄り添う気持ちがとても温かく、切ない、そんなストーリーに仕上がっています。
すみっコたちは台詞を一切しゃべらず、今まですみっコぐらしが大好きだった子どもや大人のイメージを壊しません。絵本を読み聞かせしているようにナレーションが入る、そんな世界観がとても素晴らしい映画でした。
すみっコぐらしを全く知らない人も楽しめるとてもいいお話です。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
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終盤で感動させる

公開当時は「子どもだけでなく大人も感動する映画」として評価されていたが、たしかにそういう面がある。キャラクターが絵本の世界に取り込まれて、さまざまな物語(アラビアン・ナイトなど)の世界を体験していく…という全体的な流れはいかにも子ども向けなのだが、終盤に差し掛かって「ひみつのコ」の正体が判明したところから、大人も引き込まれる展開になる。もともと「すみっコぐらし」は、それぞれのキャラクターに背景があって大人も共感しながら楽しめるところがあるのだが、「ひみつのコ」の正体はそんなキャラクターたちのなかにあってもとくに「寂しい」ものだ。そしてそんな寂しい背景をもつ「ひみつのコ」に共感し、お友達になりながら、にもかかわらず最後は絵本の世界から脱出するためお別れしなければならなくなったキャラクターたちの悲壮感にまず打たれる。しかし、本当に感動的なのはその後、映画の本当に終わりのところで、現実の世界に戻ったキャラクターたちは、「ひみつのコ」をひとりにさせないために、ある仕掛けを施すのだ。心温まるとともに、それぞれが事情を抱えるキャラクターたちだからこそその優しさに至るのだろう、ということに思いを馳せて大いに泣ける作品になっている。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
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のほほんからどたばたへ

隅っこが落ち着くちょっとネガティブなマスコット達がほのぼのと暮らしている「すみっコぐらし」の映画化作品。当初は「キャラクタ商売で手抜きなものを作るんじゃないか」とか「下手くそな役者を起用して世界観崩壊させるんじゃないか」とか、すごく不安でした。実際には喋るのはナレーションのみ、世界観を損なわない程度だったのでとても好感が持てましたし、なによりもすみっコ達に声をあてなかったスタッフたちが空気読んでいたなと感激しました。

「ひょんな事から妙な世界に迷い込んで元の世界へ帰る」という子供向けの分かりやすいストーリーでしたが、本作オリジナルキャラ「ひよこ?」の正体に一ひねりを加えた脚本に拍手。道中、昔話の扮装で笑いを誘っていたのに……。特にしろくまの妄想がグレードアップ(?)したり、鬼に追われて必死で逃げるねこや呪文を間違えるぺんぎん?、食べてほしいと迫るとんかつ、パリピなにせつむりを豪快に助けるとかげ、とそれぞれ見せ場もあるので是非見てほしいです。

「『みにくいアヒルの子』なのか!?→ちがーう!!!」の流れも良かったです。でも、その後「誰かが絵本に描いた落書き」という設定のため、曲がりなりにも絵本の住人であり、すみっコと一緒に帰れない展開には悲しみがありました。しかしご都合主義でなく敢えてその流れを貫くことにより、ただの子供向けにせず大人でも楽しめるストーリーになっていて私は胸打たれました。EDでは皆で絵本に自分モチーフのひよこを描いて「ひよこ?」と一緒に遊ぶシーンがあるので、全くの救いがない展開じゃない辺りはほっとしました。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
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すみっコに癒され、すみっコに涙する 大人も子供も楽しめる映画

未就学児からOLまで幅広い年齢層の女性に絶大な気を誇る「すみっコぐらし」のアニメーション映画(2019年公開)。商品プロモーション以外では初の映像作品にも関わらず、公演初週の興行収入ランキングでは3位を記録するという異例の大ヒットを遂げた本作。すみっこを愛するねこやトカゲ、ペンギン?、タピオカ、エビフライのしっぽなど個性あふれる「すみっコ」たちが、いきつけの喫茶店の地下室で不思議な絵本の中に吸い込まれてしまう。絵本の中で出会ったひとりぼっちのひよこのおうちを探すべく、桃太郎やマッチ売りの少女、アラジンなど色んな物語の中で大奮闘。ひとりぼっちのひよこの正体とは?そしてすみっコたちは自分のおうちに帰ることができるのか?すみっコたちの可愛くてけなげな姿と、仲間を思う気持ちに、心があたたかくなる。
絵本の中の世界を旅するというコンセプトもあり、全体的に丸っこいキャラクターと優しい色使いの作風。66分の上映時間、どこを切り取ってもとにかく可愛い。
基本的に登場キャラクターはしゃべらず、ナレーションが物語を進行していく。優しい声で物語を彩るのは、V6の井ノ原快彦と、女優の本上まなみ。
時にほっこりし、時に感動する本作。子供たちはもちろん、大人にも見てほしい。