映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』とは、2019年11月8日に公開された日本のアニメーション映画である。サンエックスの人気キャラクター群「すみっコぐらし」を原作とした初の劇場アニメーション作品であり、アニメーション制作はファンワークス、配給はアスミック・エースが手がけた。キャッチコピーは「きみも、すみっコ?」「みんなの知らない、すみっコ物語」。作中のナレーションは井ノ原快彦と本上まなみが担当した。公開直後から大人も泣ける映画としてSNSを中心に大きな話題を呼び、当初の約110スクリーンという公開規模から上映館のない地域での要望が相次いだため、異例のセカンド上映が実施されるなどロングランヒットを記録した。本作の国内外での高い評価は、第29回日本映画批評家大賞のアニメーション作品賞受賞という形で実を結んだほか、2024年の夏には舞台化も果たされている。
本作は、開発チームの完全監修によるオリジナルストーリーとなっている。物語は、すみっコたちがいつもの「喫茶すみっコ」を訪れた際、地下室に置かれていた古びた飛び出す絵本に吸い込まれてしまうところから始まる。絵本の世界へと迷い込み、それぞれ童話の登場人物の衣装を纏うことになったすみっコたちは、そこで自らの生い立ちや居場所が分からず、ひとりぼっちで佇む正体不明の「ひよこ?」と出会う。自分たちと同じように「すみっこ」を好むひよこ?に親近感を抱いたぺんぎん?をはじめとするすみっコたちは、ひよこ?の本当の家やおうちが描かれた物語を探し出すため、絵本に描かれた様々な童話の世界を巡る冒険へと出発する。

catfistl1のレビュー・評価・感想

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
9

終盤で感動させる

公開当時は「子どもだけでなく大人も感動する映画」として評価されていたが、たしかにそういう面がある。キャラクターが絵本の世界に取り込まれて、さまざまな物語(アラビアン・ナイトなど)の世界を体験していく…という全体的な流れはいかにも子ども向けなのだが、終盤に差し掛かって「ひみつのコ」の正体が判明したところから、大人も引き込まれる展開になる。もともと「すみっコぐらし」は、それぞれのキャラクターに背景があって大人も共感しながら楽しめるところがあるのだが、「ひみつのコ」の正体はそんなキャラクターたちのなかにあってもとくに「寂しい」ものだ。そしてそんな寂しい背景をもつ「ひみつのコ」に共感し、お友達になりながら、にもかかわらず最後は絵本の世界から脱出するためお別れしなければならなくなったキャラクターたちの悲壮感にまず打たれる。しかし、本当に感動的なのはその後、映画の本当に終わりのところで、現実の世界に戻ったキャラクターたちは、「ひみつのコ」をひとりにさせないために、ある仕掛けを施すのだ。心温まるとともに、それぞれが事情を抱えるキャラクターたちだからこそその優しさに至るのだろう、ということに思いを馳せて大いに泣ける作品になっている。