映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ

『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』とは、2023年に公開されたアニメ映画。『映画 すみっコぐらし』第3弾。ある日、森のはずれでつぎはぎだらけのおもちゃ工場を見つけたすみっコたち。それぞれの得意なことをいかしておもちゃ作りを始めるが、次第に工場の秘密に触れてしまう。前作に引き続き、本上まなみがナレーションを務めた。主題歌はPerfumeの「すみっコディスコ」。

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコのレビュー・評価・感想

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ
8

個性と悩みを抱えたすみっコたちの思いやりが溢れる!きゅっと切なくほっと心が優しく解けていく癒しの作品

しろくまなのに寒がりなコ、とんかつなのに食べてもらえなかったコ、恐竜の生き残りであることを隠しているコ、理想の姿になりたいコ、自分が何者なのかわからず悩むコ。
一見、悩みなどなさそうななんとも癒されるキャラクターたちなのに、なかなか重いものを背負っているという、子ども向けのようで大人にもハマる作品です。
この映画では「しろくま」にスポットが当てられ、寒い北の国から逃げてきたエピソードから、物語が大きく膨らみます。

すっかり古びてツタの絡まった「おもちゃ工場」に、ひょんなことからすみっコたちがやってきます。そこに登場する「クマ工場長」も、何やらワケありな様子。
ラストで「クマ工場長」の正体が分かったときの嬉しさ、切なさが入り混じった感情は、きっと誰もが心の中に持っているもの。そして「クマ工場長」を動かしていたであろう「おもちゃ工場」にもつい感情移入してしまい、うるっと目頭が熱くなります。

一緒の時間を過ごした大切な仲間を想う、すみっコたちの優しい気持ちが、見る人をふんわりと優しく包み込んでくれるお話です。

誰もが、幼いころの大切な思い出を持っていることでしょう。時が経つにつれて忘れ去られてしまうことだってたくさんある。
でも、どんなにツギハギだらけになっても、大切にしてきたものにはきっと「気持ち」が宿る。
人はつい、古いものより新しいものを求めてしまうものですが、そうではない大切なことを、この映画は子供たちに、大人たちに、教えてくれる気がします。
シンプルなストーリー展開ですが、内容はぐっと深く、考えさせられました。
ぜひ、家族そろって見てもらいたい作品です。