BLOOD+(ブラッドプラス)のネタバレ解説・考察まとめ
BLOOD+とは、Production I.G制作のアニメ作品である。それ以外にも漫画、小説、パチンコに移植されている。主人公の音無小夜は沖縄に住む普通の女子高生。学校を襲った怪物「翼手」との遭遇をきっかけに自分が150年以上前から生きる不老不死の存在「翼手の女王」であることを思い出し、全ての翼手を殲滅させるために戦う物語である。
小夜を愛してしまったソロモンは、ディーヴァと決別し小夜と生きることを選ぶ。
ディーヴァのシュヴァリエであったソロモンに対し懐疑的な態度の小夜だったが、何度もピンチを助けられ、最後は命をかけて小夜を守ってくれたことから、「血を超えて小夜のシュヴァリエになった」というハジの言葉に同意した。
第五の別れ…唯一の肉親・ディーヴァの死
失われた命のため、愛する人たちの未来を守るため、翼手を世界から殲滅させるため、小夜はディーヴァを倒した。
しかし最後の瞬間、ディーヴァは自分のことを姉として慕っていたことが分かり、唯一の肉親を自分の手に掛けたこと、死んでいく姿を目の当たりにして嗚咽を上げて泣き叫ぶのだった。
無表情なハジが見せる人間らしい瞬間
ハジは無表情で言葉も少なく、あまり感情を表に出さない。
しかしシュヴァリエになる前(人間だった頃)は表情も豊かで口数もかなり多い。特に少年だった頃、小夜はかなり我がままだったため言い合いになることはしょっちゅうで、ハジも感情をむき出しにして怒ることが度々あった。
シュヴァリエになった後は徐々に無口で無表情になっていったが、ベトナム編で庭師としてリセに潜入したハジに小夜が「その格好似合ってる」と言うと、わずかに照れた素振りを見せる。
またフランス編で「自分を嫌いにならないで」というリクの言葉に号泣する小夜にリクがハンカチを差し出すと、小夜は思いきり音を立てて鼻をかむ。その様子を見たであろうハジに対しリクが「あ、ハジ笑ってる」とつぶやく。ハジの笑った顔は映っていないが、おそらく小夜の豪快な鼻かみに思わず笑ってしまった様子をうかがい知ることができる。
フランス編とアメリカ編、二度にわたって個人的に小夜に接触したソロモン。その際小夜を助けようとするハジは通常よりも少し嫉妬と怒りの表情をたたえてやってきている。
基本的に小夜がピンチの時にはその身を挺して助けに来るハジだが、小夜が危害を加えられていないのに敵意をむき出しにするのは、ソロモンが小夜に愛を告げており、自分も小夜を愛しているからだということに他ならない。
種族や立場を超えて小夜を愛する人たち
宮城カイ
宮城家長男のカイは、血が繋がらないが小夜の兄であった。
兄として小夜を守りたいという気持ちは小夜が翼手と戦う使命に目覚める前からあったようだが、戦いの使命に目覚め始めた時…義父ジョージが亡くなったあたりからより思いが強くなったようである。
ディーヴァを倒す旅を通じてその愛情の奥に「一人の女性として」という感情があったことを本人も自覚していなかったが、カイに片思いをする真央は気づいていた。
それでもカイは最後まで「兄」という立場のまま、小夜のそばに居続けることを誓い、小夜も兄としてカイを慕い続けるのだった。
ハジ
ハジの小夜への愛の歴史は最も長い。
少年の頃、初代ジョエルの元へ「将来の小夜の花婿として」連れられてきたハジは、徐々に小夜に心を開いていく。
無邪気に笑う小夜に淡い恋心を抱きそばにいたハジは、事故によりシュヴァリエとなって永遠に小夜のそばにいる運命を背負う。
小夜は自分のせいで不老不死になってしまったハジに罪悪感を抱いていたが、ハジは小夜のそばにいられることを心から望んでいたのだった。
ハジが小夜の言葉に「それがあなたの望みなら」と全て応えていたのは、シュヴァリエになる前に小夜が見せてくれた笑顔をもう一度見たいと願うが故だった。小夜は「全ての翼手を倒した後、自分を殺して」という約束をハジと交わしていたが、最終話でハジは自分の思いを伝え「明日のために今日を生きて」と小夜の命令に背いた。
そして最後に愛していると告げるのだった。
ソロモン
ソロモンが初めて小夜と出会ったのはベトナム編、リセで催された舞踏会である。
女学生たちに囲まれたソロモンは、厄介払いのつもりで一人ぽつんと佇む小夜を誘いダンスを踊った。しかしその時は目の前の少女が自分の追い求める「小夜」だとは知らずにいた。
後に彼女が「小夜」だと知ってからソロモンは彼女を意識し始め、生きて欲しいと願う。しかしアンシェルにより「小夜はディーヴァの脅威であるため殺す」という方針を打ち出してから何とか彼女を殺さずに済む方法がないか模索する。
しかしその方法がないことを悟ると、ディーヴァと決別し小夜を選び愛しぬくことを決意する。小夜をさらい愛を誓うソロモンだったが、思いが通じることは無かった。
最期は、ジェイムズと戦う小夜を命を掛けて守り抜き、血を超えて小夜のシュヴァリエとなって息を引き取った。
その他の人たち
小夜を女性として愛していたと言えるのは以上の3名だが、義父の宮城ジョージは娘として深い愛情を注いでいたり、ディーヴァのシュヴァリエ・カールはベトナムで暴走した小夜に魅了され、孤独な自分の心を小夜に投影させ心酔していた。
愛情ではないがジェイムズもディーヴァに対する愛情の裏返しとして小夜を異常に憎み、心を奪われてしまった一人である。
このように、小夜の周りには彼女に心を奪われてしまった人がたくさんおり、多大な影響を与えていたことが描かれている。
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目次 - Contents
- 『BLOOD+』のあらすじ・ストーリー
- 沖縄編 小夜の覚醒
- ベトナム編 D67の人体実験
- ロシア編 明かされる小夜とディーヴァの関係
- フランス編 小夜とディーヴァの出生
- イギリス編 小夜の孤独な戦いと愛する者たちの思い
- アメリカ編 小夜の選んだ道
- 『BLOOD+』の登場人物・キャラクター
- 小夜とその仲間たち
- 音無小夜(CV:喜多村英梨)
- ハジ(CV:小西克幸/少年期:進藤尚美)
- 宮城ジョージ(CV:大塚芳忠)
- 宮城カイ(CV:吉野裕行)
- 宮城リク(CV:矢島晶子)
- 赤の盾メンバー
- デヴィッド(CV:小杉十郎太)
- ジュリア・シルヴァスタイン(CV:甲斐田裕子)
- ルイス(CV:長嶝高士)
- ジョエル・ゴルドシュミット(CV:石田彰)
- ディーヴァとその仲間たち
- ディーヴァ(CV:矢島晶子)
- アンシェル・ゴールドスミス(CV:中田譲治)
- ソロモン・ゴールドスミス(CV:辻谷耕史)
- カール・フェイオン(CV:佐々木望)
- ジェイムズ・アイアンサイド(CV:大川透)
- ネイサン・マーラー(CV:藤原啓治)
- ヴァン・アルジャーノ(CV:諏訪部順一)
- シフ(ディーヴァより生み出された人工的翼手)
- モーゼス(CV:矢薙直樹)
- カルマン(CV:野島健児)
- イレーヌ(CV:豊口めぐみ)
- ルルゥ(CV:斎藤千和)
- 沖縄の一般人たち
- 金城香里(CV:門脇舞)
- 謝花真央(CV:小清水亜美)
- 岡村昭宏(CV:伊藤健太郎)
- BLOOD+の世界を知るためのキーワード
- 翼手、始祖翼手(翼手の女王)
- シュヴァリエ
- シフとコープスコーズ
- 赤い盾とジョエルの日記
- D67とデルタ計画
- ゴールドスミス社とサンクフレシュ製薬
- 見どころ
- 小夜と永遠の別れを迎える人たち
- 第一の別れ…育ての父・ジョージとの別れ
- 第二の別れ…分かり合えるはずだったシフの死
- 第三の別れ…最愛の義弟・リクの死
- 第四の別れ…血を超えて愛を誓ったソロモンの死
- 第五の別れ…唯一の肉親・ディーヴァの死
- 無表情なハジが見せる人間らしい瞬間
- 種族や立場を超えて小夜を愛する人たち
- 宮城カイ
- ハジ
- ソロモン
- その他の人たち
- 『BLOOD+』の主題歌
- オープニング
- 青色のナミダ/高橋瞳
- SEASON'S CALL/HYDE
- Colors of the Heart/UVERworld
- 雷音/ジン
- エンディング
- 語り継ぐこと/元ちとせ
- 元ちとせ/中島美嘉
- This Love/アンジェラ・アキ
- Brand New Map/K
- 関連サイト