見える子ちゃん(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『見える子ちゃん』とは泉朝樹による幽霊などを取り扱った新感覚ホラーコメディ漫画。2018年に作者Twitterにて初公開。人気を博し、同年に角川の電子書籍サイト「ComicWalker」にて商業連載を開始した。2021年にはアニメ化した。物語は、ある日普通の人間には見えないものが見えるようになってしまった女子高生である四谷みこが怪異(幽霊)に怯えながらも見えないふりをしていくというもの。2019年に行われた「次にくるマンガ大賞 2019」Webマンガ部門では10位にランクインした。

『見える子ちゃん』の概要

『見える子ちゃん』とは泉朝樹による漫画作品。2018年に作者Twitterにて1話が公開され、瞬く間に人気を博し6万回リツイート、18万以上のいいねを記録した。人気により同年11月2日にはKADOKAWAが運営する電子書籍サイト「ComicWalker」にて商業連載を開始した。2021年7月16日より「ComicWalker」内の新レーベル「WebComicアパンダ」に移籍して連載中。さらに2021年10月よりアニメが放送開始された。

2019年8月に行われた「次にくるマンガ大賞 2019」Webマンガ部門では10位にランクインした。

物語は、ある日普通の人には見えないはずのものが見えるようになってしまった女子高生である四谷みこが怪異(幽霊)などに怯えながらも見えないふりをしていく日常ものとなっている。新感覚ホラーコメディと称されている。

作者が『見える子ちゃん』を描こうと思ったきっかけは同業者たちがTwitterにて描いた漫画が人気になっていたため、自身も描いた漫画でバズりたい(人気になりたい)と思ったからである。このとき『見える子ちゃん』以外に双子の姉妹と双子の兄弟によるドタバタバイオレンスコメディも考えていた。そして、妻いずみえも(イラストレーター・育児漫画家)にどちらがいいか聞くと『見える子ちゃん』がいいと推されて『見える子ちゃん』を描くことを決めた。『見える子ちゃん』というタイトルもいずみえもが付けた。

『見える子ちゃん』のあらすじ・ストーリー

日常

女子高生である四谷みこ(よつや)はある日を境に普通の人には見えるはずのない怪異が見えるようになってしまった。みこはそんな怪異に怯えつつも見えないふりをしながら日々を過ごすことなった。
みこは恐ろしい怪異から身を守るために親友である百合川ハナ(ゆりかわ)と共に数珠を買いに出かけたが、強い怪異のせいで壊れてしまった。
その後、みことハナはゴッドマザーが商店街にて経営する占いの館を訪れる。そこで、壊れてしまった数珠の代わりを求めるが、貰った数珠もすぐに壊れてしまった。ゴッドマザーは次は壊れないようにと自身の霊能パワーを詰めこんだ特製の数珠をみこに渡したがその数珠もはじけてしまった。
ゴッドマザーはこのことがきっかけとなり占いの館を廃業して田舎へと隠居した。

山の神社

ある日、みことハナはでかける約束をしていた。しかし、待ち合わせの場所にやってきたハナは怪異を連れていた。みこは怯えながらもどうにかするためにパワースポット巡りと称して山にある神社を訪れた。さびれた神社であったが藁にもすがる思いで賽銭を入れてみこは「ハナに憑いている怪異をなんとかしてほしい」そして「ついでに自分も助けてほしい」と願う。すると、ハナに取り憑いていた怪異の側におかっぱ頭の着物を着た少女のような怪異(以下神の使い)が2体現れた。そしてさらにハナに取り憑いていた怪異の後ろに巨大な怪異(以下山の神)が現れたことに気づく。
怯えるみこの状況に気づかないハナは鳥居をバックに写真を撮ろうと提案して、みこと並びカメラを構える。そしてハナが撮った写真には怯えるみこと笑顔のハナ、そして山の神が怪異を食べている様が映った。
みこが怯えていると山の神はみこに「さんかい」と声をかけ消えた。みこは「さんかい」の意味が理解できなかった。

「さんかい」

ある日、みこはハナから神社で撮った写真をSNSにアップしたところ高評価を貰えたと報告してきた。高評価を貰えたことでハナは自身に写真の才能があるのではと考えてインスタントカメラを買い、「映えるスポットで写真を撮りたい」と言い出した。そこに、友人の二暮堂ユリア(にくれどう)が現れ、映えるスポット(心霊スポット)を知っているから一緒に行こうと提案した。
怪異が出るという噂のトンネルでは噂通り大量の怪異が蠢いており、強力な怪異に遭遇してしまう。みこは早々に引き返そうとするが、ひょんなことから強い怪異に見えることがバレてしまう。

そして、強力な怪異がみこたちを襲おうとした瞬間に山の神の使いが現れ、強力な怪異を退けた。山の神の使いみこに指を1本立てて見せると消えた。
みこは神社でのできごとを思い出しながら山の神の使いの行動に疑問と不安を募らせていった。

「さんかい」の意味

みことハナの担任が産休に入るため、臨時教員として遠野善という青年が赴任してきた。みこは善の姿を見た時に驚きを隠せなかった。実は善は以前にみことハナが捨て猫を保護して里親募集をした際に引き取りたいと申し出てきたことがあった。しかし、みこは善の背後に大量に動物の霊が取り憑いていたために断ったことがあったのだ。

そして、善が担任になってからみこは善の背後にいる怪異たちに怯える日々を過ごすことになってしまった。みこはハナやユリアにこれ以上の悪影響がでないようにしようと決意するが、「みるな」と善の背後に憑いていた怪異に警告されてしまう。
ある時、異常な空腹から体調を崩したハナの体調を心配していると霊感のあるユリアから「ハナの生命オーラが減っている」と教えられ、善の怪異が原因であることに気付く。

みこがハナを助けるためにどうしたらいいのか悩んでいると、子供の幽霊に遭遇してしまった。そして見えることがバレてしまい、襲われてしまう。
すると、山の神の使いが現れ、子供の幽霊を倒す。山の神の使いは指を2本立てて去っていった。そこで、みこは「さんかい」とは「3回」であり、今ので2回使ってしまったため残り1回であると気付いた。

善と母の呪縛

みこは善の怪異がハナに影響を与えていることを確信して、善を学校から遠ざけるために善を尾行をすることを決める。みこが尾行していると善が人気のない場所で猫に手を伸ばしていた。それを見たみこは巷で話題の動物虐待を疑って猫を善から救い出して逃げ出した。逃げている最中に猫がみこの腕から逃げ出して車に轢かれそうになったが、間一髪のところで善が体をはって助けた。

事故にあったが善は幸い軽傷で済んだ。病室にて善は最近動物虐待の事件が横行していたため、傷ついた動物を見つけては保護する活動をしていたが死んでしまったということをみこに明かした。善に取り憑いているものは保護しようとしていた動物たちであったのだ。おぞましく見えるのは「みるな」と言ってくる怪異の影響だとみこは気付いた。
みこは病院にて善の小学校からの親友サトルと出会い、善の幼い頃の家庭環境を聞くことになった。亡くなった善の母親は善に異常な執着を見せており、小学校の頃に善が内緒で飼育していた子猫を処分するなどの行動を起こしていた。みこはこの話を聞き、善に取り憑いている「みるな」と言ってくるおぞましい怪異の正体は母親であることを察する。みこは善に取り憑いた母親をどうにかするために「さんかい」を使うことを決め、母親を山の神の使いに倒させることに成功した。山の神の使いは指を3本立てて消えた。そして、母親が消えたことで善に憑いていた動物たちも成仏していった。

再び神社へ

とある田舎にて隠居生活を送っていたゴッドマザーの元に差出人不明の1通の手紙が届く。中にはみことハナが神社で撮った写真をプリントアウトしたものが入っていた。これを見たゴッドマザーは写っている神社が普通であればたどり着くことのできない神社であると気付き、廃業を撤回して町に戻ることを決める。

ある日、みこはハナと共に街中へ買い物に行った際に神童ロム(しんどう)と名乗る男に出会う。ロムはみことハナに怪しげなオカルトグッズの販売など勧誘を持ちかけてくるがみことハナはそれを断って逃げだした。

みこは山の神へ助けてもらったお礼するために油揚げを買って山の神社へ再び向かった。そこで、現れた山の神の使いに油揚げを供えるも怒りの表情を見せられて、みこが戸惑っているとゴッドマザーが現れた。ゴッドマザーの機転によりみこはに助けられて、無事に下山した。みこはゴッドマザーから「神社は普通ではたどり着くことのできない場所」であること「2度と近づいてはいけない」と忠告を受けた。そして、ゴッドマザーは神社の件は自身がなんとかすると話した。みこはゴッドマザーに言われたとおりに山の神社の件からは手を引くことにした。
後日、山の神がハナに悪影響を及ぼしていることに気付き、みこは山の神社の件とハナについて相談しようと占いの館を尋ねるが、ゴッドマザーは不在であった。そこへロムが現れ、山の神社は非常にまずい場所であり、危険であるから自身が相談にのってやろうとみこに持ち掛ける。

神社のある山まで来たみことロム。神社へ向かおうとする2人の元にゴッドマザーが現れる。ゴッドマザーはロムに「みことハナを巻き込むな」と言う。実はロムはゴッドマザーの元弟子で旧知の仲であったのだ。ゴッドマザーはみこに帰るように促すが、みこは自身も「行く」と言ったため3人で神社へと向かうことになった。

山の神社

神社のある山はいわゆる「たまり場」であり、「山の神にお祈りをすれば、なんでも願いが叶う」という迷信が存在しているため、幽霊や怪異などがわかる人間たちにとっては魅惑的な場所となっていた。しかし、願い事を叶えてもらえば見返りを要求されてしまう。みこも神社にて「ハナを助けてほしい」、「ついでに自身も助けてほしい」という願いをしており、その願いが叶ったことで見返りを要求されて付きまとわれていたのだ。
その見返りの要求を何とかするためにロムはみこを囮にして山の神をおびき出す作戦を話す。ロムはみこに「徹底的に山の神たちを無視しろ」と言い、ロムとゴッドマザーは現れた山の神を倒すことになった。
神社の前へ来たみこの前に山の神と山の神の使いが現れるが、みこはロムに言われたとおりに徹底的に無視の態度を貫く。しかし、みこは一時的に山の神の中に取り込まれてしまい、恐怖からみこが呆然としていると山の神は「鈴」をみこに向かって差し出してくる。みこは差し出された「鈴」に手を伸ばしてしまうが、寸でのところでロムが「鈴」を奪い取った。
ロムは燻煙剤を焚いて目くらましをしてみことゴッドマザーに山を下りるように促す。ロムは幼い頃から霊能力が強く、そのため親がおらず、ゴッドマザーの師匠に当たる人物である岡トワ子に引き取られた。そして、トワ子からゴッドマザーへと引き渡されてゴッドマザーの弟子として生活をしていた。ゴッドマザーとの生活中にロムは一度神社を訪れており、その時に山の神から「鈴」を差し出されていた。しかし、その「鈴」はゴッドマザーとトワ子がロムを助けにきたことで受け取ることが叶わなかった。また、この時にトワ子はロムとゴッドマザーを逃がすために神社に残り、消息を絶った。
ロムは幼少期に受け取ることのできなかった「鈴」を受け取るためにきたのだ。ロムがみことゴッドマザーに別れを告げると、煙の奥から山の神の手が伸びてきてロムは捕まってしまう。

ゴッドマザーは弟子であるロムを見捨てることはできないとして、山の神に立ち向かう。山の神が使いになにか命令を下す。そして、山の神の使いがゴッドマザーに向かって攻撃をしかけてくると思いきや、片方の神の使いがもう片方を攻撃した。その攻撃する姿は在りし日のトワ子の姿に似ていた。

『見える子ちゃん』の登場人物・キャラクター

主人公

四谷みこ(よつや みこ)

CV:雨宮天(アニメ版) / 種﨑敦美(デジタルコミック版)

本作の主人公である女子高生。ある日突然、怪異や幽霊といった普通の人間では見ることができないものが見えるようになってしまった。
怪異や幽霊といった存在に怯えながらも見えないふりをしてやり過ごすようにしている。しかし、どんな場所、時でも現れる怪異に恐ろしさのあまり半泣きになってしまうことがある。

親友であるハナのことを大事にしている。そのため、恐ろしい怪異がいようともハナのためならば怪異のなかに突っ込んでいける。

恐ろしい怪異から身を守るために市販の数珠を4つ購入して身につけたことがある。そのうち2つはハナにあげている。しかし、みこが付けていたものは壊れてしまった。さらに強力な数珠を手にれるためゴッドマザーの店を訪れ、店で1番強力な数珠をもらったが、持った直後にはじけて壊れてしまった。

ハナが拾った子猫の里親をSNSで募集した際に、子猫を渡してほしいと善がやってきた時は善についている怪異を見て危ないと感じて子猫を渡さなかった。代わりに子猫の幽霊がついている猫好きの豪塚に渡している。

ハナと買い物に行くための待ち合わせ場所でハナを待っている間にファストフード店にいた際に会った女性関係にだらしない男性に目を付けられてしまった。この時、男性についていた女性の怨霊に近づかれてしまい、その男性に興味がないことを示すためにプロレスラーのアナコンダ穴熊の動画を見ていた。これがきっかけでアナコンダ穴熊のファンとなり、おまけイラストにて会いに行った描写が存在する。

ハナと訪れた神社にて山の神に出会い「さんかい」という言葉と共に山の神の使いに怪異から守られるようになる。しかし、「さんかい」の効果が終わると一転、山の神の使いに狙われるようになってしまう。それをなんとかするためゴッドマザーとその弟子ロムの力を借りて再度神社へと赴く。

善が自身の担任になった際は善についている怪異からハナを守るために善の後をつけていたりした。この時、善の異様な雰囲気や取り憑いているものから善が動物を虐待しているのではと疑っていた。しかし、後に誤解とわかり、善についている怪異を倒すために頑張る。

家族構成は母、弟、父は故人。家の中に父の幽霊がいるがこちらも見えないふりをしている。

みこの友人

百合川ハナ(ゆりかわ ハナ)

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