亜人ちゃんは語りたい(デミちゃん)のネタバレ解説・考察まとめ

『亜人ちゃんは語りたい』とは、ペトスによる漫画及びA-1 Pictures制作のアニメーション作品。人間とは少し違う体質を持った「亜人」と人間が共存する世界の日常物語。主人公で高校教師の「高橋鉄男」は亜人に対して興味を持っていたが、人生でまだ一度も亜人と出会ったことが無かった。しかし新学期が始まると「小鳥遊ひかり」「町京子」「日下部雪」「佐藤早紀絵」の4人の亜人に出会った。

『亜人ちゃんは語りたい』の概要

「亜人ちゃんは語りたい(デミちゃんはかたりたい)」とは作者ペトスによる漫画、及び漫画を題材にした「A-1 Pictures」のアニメーション作品。
主人公で教師の「高橋鉄男」が、ヴァンパイアや雪女などの体質を持った「亜人」という普通の人間とは違うキャラクター達と交流し、亜人たちの話を聞く学園日常コメディ。
亜人(あじん)と書いて亜人(デミ)と読む。
作中でも亜人という言い方は古めかしいため、気軽に「亜人(デミ)ちゃん」と呼んで欲しいとヒロインひかりが言う。
亜人とは、見た目は人間であるが人間では無い人種のこと。
半分人間であるため、デミ・ヒューマンとも呼ばれる。デミとは半分と言う意味。

第2回次にくるマンガ大賞コミックス部門・第2位を取った。
アニメ放送直前には特番で出演声優陣たちが和装で登場する「亜人ちゃんは祝いたい」を放送した。

『亜人ちゃんは語りたい』のあらすじ・ストーリー

ヒンヤリして気持ち良い雪女の亜人・日下部雪(左)にくっつくヴァンパイアの亜人・小鳥遊ひかり(右)

「亜人(あじん)」と呼ばれる特別な体質を持った人々がいた。
彼らは神話や伝説に出てくる妖怪や怪物と同じ体質を持っていた(例えばヴァンパイアは太陽が苦手だったり、雪女が熱さに弱かったり)。
そんな亜人達は少し特殊な個性を持った人々として現代社会に溶け込み、「亜人」を「デミ」と呼ぶようになった。

主人公で高校教師の「高橋鉄男」は、独自に亜人について勉強するほど亜人に対しかなりの興味を持っている。
しかし鉄男は一度も亜人に出会ったことが無く、いつかは会ってみたいと思っていた。
新学期が始まると、新人の教師としてサキュバスの「佐藤早紀絵」が同僚になった。
さらに生徒には、ヴァンパイアの「小鳥遊ひかり」、デュラハンの「町京子」、雪女の「日下部雪」の三人の亜人が入学し、鉄男はいきなり4人の亜人と出会うことが出来た。
ひかりと鉄男は、新学期が始まる前に校門の前で出会っており鉄男と4人の亜人の中で一番最初に仲良くなるのだった。
ひかりは自分達の事を古風な呼び方の「亜人(あじん)」ではなく「亜人(デミ)ちゃん」と呼んで欲しいと鉄男に言い、鉄男は以後ひかり達を総じて「亜人(デミ)ちゃん」と呼ぶようになる。
鉄男はひかりからヴァンパイアの話を聞き、ひかりもまた自分の体質の話を他人にするのを楽しんでいた。

デュラハンの京子は、デュラハン(頭と体が別々)という特殊さから普通の人間の生徒たちもどこまで京子と接して良いかわからず、なかなかクラスに溶け込めないでいた。
しかし、ひかりの後押しで京子もまた鉄男に話を聞いてもらうようになる。
京子はデュラハンである事に気を使われるのが嫌で、もっとデュラハンの話を聞いて欲しかったのであった。
そんな気持ちを満たしてくれて、我侭も聞いてくれる鉄男に京子は密かに片思いをするのであった。

サキュバスの教師早紀絵は、最初は鉄男を警戒し距離を取るような態度を取っていたが、鉄男の亜人に対する優しさを見て意識を改めた。
早紀絵はサキュバスの能力「催淫」(接触しただけで発情させてしまう能力)を持っているため、異性に近づかないように生活していた。
しかし鉄男に催淫が掛からないと気づき鉄男は他の男とは違う…と、異性として意識するようになる(本当は鉄男も催淫に掛かっているが、早紀絵本人の前ではノーリアクションをしている)。

雪女の雪は、雪女であるため熱さに弱く体育の授業でも熱射病で倒れてしまう。
そして雪女という体質に疑問を抱いており、もし雪女の体質(冷気)が他人に及んでしまったら?という恐怖で他人との間に壁を作っていた。
そのため、心配してくれたクラスメイトにも上手く接することができず、遊びに誘われても断っていたため、クラスメイトの木村と井森に調子に乗ってると陰口を言われてしまう。
悲しくてうずくまっている所を鉄男に発見され、自身の悩みを相談をする。
すると鉄男が雪女の力についての実験をし、雪の体質は他人に害をなすものでは無いと判明する。
そこから雪は積極的に他人と接するようになり、ひかりと京子とも仲良くなる。

亜人ちゃん達は亜人だからこその悩みを鉄男に語る。
それを鉄男は真面目に聞き考え、亜人ちゃんたちもそんな鉄男を慕い、先生と生徒としても信頼関係を気づいていく。
しかしある日、鉄男は教頭から「亜人の生徒と関わり過ぎ」「頑張りすぎ」と指摘される。
鉄男は自分が居なくてもひかり達はきっと上手くやっていけたはずで、自分が口を出したことでひかり達は自分だけを頼り、それが他の生徒との関わりを薄くさせてしまっているのではないか?と思うようになる。
そして、相談する相手は一人ではなく複数いた方が良いのに、その選択肢を自分が関わることで狭めてしまっているなら、もう少し距離を置くべきではないか?と思う。
そんな気持ちから、鉄男はひかり達に対してギクシャクしてしまう。
ひかり達はそれを勘付き何かあったのではないか?と探り、鉄男が教頭から亜人たちの扱いに対して釘を刺された事を知る。
鉄男が一人浜辺でたそがれていると、ひかりから動画が送られてくる。
そこには京子・雪・早紀絵からの日頃の感謝のメッセージが入っていて、鉄男はその気持ちに感動して涙する。
すると後ろからひかりが現れて、直接鉄男に感謝の気持ちを述べ、これからも自分達の話を聞いて欲しいと言われる。
次の日、鉄男の元に教頭が現れ、前回の発言を保留・一部撤回される。
教頭の視線の先にはひかりたちが他の生徒と話をしている姿があった。
高橋の亜人に対する接し方が、他の一般生徒達を動かし積極的に亜人とのコミュニケーションを取るようになっていたのだった。
最終回では亜人ちゃんたちのために学校のプールを貸しきりにし、ひかりたちと仲良くなった一般生徒も一緒に遊んだ。

『亜人ちゃんは語りたい』の登場人物・キャラクター

高橋 鉄男(たかはし てつお)

CV:諏訪部順一

本作の主人公。筋肉質なガッチリしたガタイであるが、生物教師。
学生時代から亜人に興味があり、独自に勉強している。
そのためか、興味がありすぎて(特にひかりに)デリカシーに欠けた質問をしてしまうこともしばしば。
亜人ちゃんたちの話を聞き真面目に考え、必要があれば惜しみなく協力するため亜人ちゃん達からは次第に慕われて行く。
亜人ちゃんたちは普通の人間達から腫れ物に触れるように扱われる事を嫌がり、かと言って亜人という個性を無視しないで欲しいという気持ちを持ち合わせており、何でも話せる鉄男はとても頼りになる存在なのである。
鉄男の方も、亜人としての体質と本人の個性のバランスを重んじている。
周りの生徒からは変人だと思われているが好かれている。
早紀絵の催淫の能力に毎回掛かっているものの、早紀絵の前では態度や表情を変えない紳士さを持ち合わせている(裏では物凄くドキドキしている)。
生徒達とハグする事にも特に異性としてドキドキする事は無いようであるが、巨乳な京子とハグした時は流石におどろいていた。
一方で、ひかりに対しては異性とカウントしてないのか、頬にキスされても、事故でひかりのパンツを見ても全く取り乱さずに冷静であった。
恋愛ごとに関しては鈍感で、京子や早紀絵の気持ちには気づいていない。
亜人ちゃんたちに対しては、悩みを聞いたり甘やかすだけではなく叱りつけることもある。
ひかりが鉄男の頬にキスした事を聞いた京子が自分も同じ事をしたいと思い、頭を鉄男の高さまで高く掲げたところうっかり手を滑らせて頭を落としてしまう。
京子は自分で自分の頭をちゃんとキャッチしたが、鉄男は京子を叱った。
勿論京子が憎くて怒ったのではなく、京子が危ない行動を取ったからの行動であった。
ちなみにひかりの事は毎日のように叱っている。

小鳥遊 ひかり(たかなし ひかり)

CV:本渡楓

ヴァンパイアの少女。1年B組。ひまりの双子の姉。
お喋りで人懐っこくで悪戯が好き。好物はレバーとトマトジュース。
ヴァンパイアの体質から日差しや厚さ弱く直ぐ日焼けしてしまい、貧血にもなりやすい。
国から血液パックを用意されてソレを飲んでいるため、貧血の問題は食べ物を気をつけるだけで済んでいる。
ヴァンパイアとして噛み付いたり血を吸ってみたいという気持ちも持っているが、本当にやったら嫌われるからやらない。
暑い日は高橋の居る生物学教室(冷房有り)に入り浸っている。
一見何も考えてないように見えるが、大事な事はキチンと分かっており雪の陰口を言った木村と井森を叱咤したり、へこんだ高橋を元気付けたりする。
赤点を取ったり遅刻をしたり、ソレを何とか誤魔化そうとするちゃっかりした面もある。
髪は毎朝妹のひまりに結って貰っている。
高橋にされた(した)事をあえて誤解するような文面でひまりに連絡してからかったり、日頃の生活態度などからいつもひまりに怒られている。
他人に勝手にあだ名をつけて呼ぶ。京子はマッチー、雪はユッキー、早紀絵はサッキー、佐竹はサタッケー。
しかし鉄男の事は「センセー」「高橋先生」などと呼び、あだ名はつけていない。

ヴァンパイアとは

いわゆる吸血鬼。
伝説などに登場する人間の血を吸う不死身の生き物。
一般的にはにんにくが嫌い、十字架が嫌い、日光が嫌い、鏡に映らない、金属の杭を心臓に打ち込むと死ぬと言った言い伝えがある。
間違われ易いが、「ドラキュラ」とはヴァンパイア(吸血鬼)の伝説や歴史人物などを元にしたブラム・ストーカーの小説に出てくる登場人物のこと。
吸血鬼の英語名はヴァンパイアであるため、吸血鬼=ドラキュラではない。
ちなみに「亜人ちゃんは語りたい」に置いて、ひかりはにんにくが好きで、十字架は特になんとも思っておらず、日光には少し弱いがそれで灰になる事はなく、鏡にも映る。
金属の杭を心臓に打ち込んだら死ぬが、鉄男曰くそれはひかりじゃなくても死ぬ、とのこと。

町 京子(まち きょうこ)

CV:篠田みなみ

デュラハンの少女。1年B組。
デュラハンの亜人は世界に三人しかいない。
少し恥ずかしがり屋であるが、しっかりした女の子。
生首を手に持った状態であるが、体と頭が分裂している以外は普通の人間と同じで脳で体を動かしている。
胴体の首元がどうなっているのかは見えず、頭の方の首元は皮膚で覆われている。
しかし食べ物はキチンと胃へ行き、その原理は不明。
頭を置いて体の方だけを動かすことも可能であるが、頭がないため体の方に話しかけても聞こえない。
いつも頭を抱えていなければならないため、学校からはリュックで通学する許可を貰っている。
元々はひかりがその不便さに気づき鉄男に報告し、鉄男が学校側に京子の担任からの提案と言う形で頼んだ。
他にもデュラハンは私生活は不便なことが多く、工夫して生活しなければならない。
頭をギュッと抱きしめられると安心するようで、親にやって貰っていたがもう高校生だからと自制していた。
しかし我慢できなくなり鉄男にやってもらい、その事で鉄男に好意を抱くようになる。
鉄男の男らしくて逞しい腕が素敵だと思っている。
成績が優秀で、鉄男から褒められたい一心で学年1位を取る。
デュラハンという体質のためか、一般生徒からは腫れ物を扱うように接され、本当はもっとデュラハンであることを語りたいと思っている。
鉄男やひかりからデュラハンの体質を利用したデュラハンジョークを言ってみては?と助言され、次第にクラスに馴染んでいく。
ちなみにデュラハンジョークは、京子が頭を抱きしめて欲しいと鉄男に頼み、鉄男がそれに応えているところをお喋りなひかりに見られてしまい「これで先生もデュラハンの仲間入りですね。首が飛ぶんじゃないですか?なんちゃって」など、結構キレキレなジョークである。

デュラハンとは

アイルランドの伝説で、首の無い姿の妖精。
首なし馬の馬車に乗り手には自分の頭を持ち、近々死人が出る家に訪問し、タライいっぱいの血を浴びせかける。
「首なし騎士」のという呼ばれ方もされ、死神のように描かれることもある。
デュラハンは自分の姿を見られるのを嫌っているが、何故か川が渡れないため川を渡れば逃げ切れる。
「亜人ちゃんは語りたい」に置けるデュラハンは世界に三人しか居ないため、体質は謎が多くまだ分かって無い事のほうが多い。
京子はデュラハンが川を渡れない理由に、頭を持って川に入って頭を水の中へ落としてしまったら怖いからと自説を述べていた。

日下部 雪(くさかべ ゆき)

CV:夏川椎菜

雪女の少女。1年A組。雪国の出身。
大人しく儚げな印象があるがツッコミ要員で、ひかり達に容赦の無いツッコミを入れている。
雪女の体質で暑さに弱く、体育の授業では熱射病で倒れてしまう。
汗や涙が凍る体質であまり他人に迷惑をかけることもないため、中学までは対して雪女の体質を気にしていなかった。
しかし雪がお風呂に入っている時に湯船に氷が浮き、自分の放つ冷気でお湯が凍ったのでは?と思う。
もし冷気で凍らせていたとしてそれが他人に向いたら非常に危険だと気づき、他人との間に壁を作るようになる。
鉄男に相談して実験をしたところ、湯船の中にあった氷は湯船の中で雪がかいた冷や汗が凍ったものであることが分かる。
雪はネガティブな感情が元で汗や涙が凍るのであった。
自分が危険な亜人でないと分かると安心し、他人とも関わるようになった。
ひかりたちとも仲良くなり、特にひかりからは体が冷たくて気持ちいいとよく抱きつかれている。
周囲に隠しているがギャグ漫画が好きで、笑いの沸点が低く、鉄男たちのコントのようなやり取りを聞いて笑いを押し殺していることがある。
また、自分の体質をコントロールすることは出来ないかと鉄男に相談し、擬似的なネガティブ感情でも氷が作れるかどうか実験する事になる。
そして水を張ったタライに足を入れて、ひかり達に何かあったという想定で「おのれ~!よくも2人を~!」と力むが恥ずかしくて冷や汗で氷ができる。
実験は失敗であったが、ひかり達はたらいに足を入れて涼むことが出来た。

雪女とは

日本では有名な雪の妖怪。
白装束を着て、男を凍死させたり男の精を吸い尽くして殺す。
美しい姿の妖怪とも言われている。
「亜人ちゃんは語りたい」に置ける雪女は人を凍らすほどの力はない。
負の感情を感じると涙が凍ったり冷や汗が凍ったり、周囲をひんやりさせる程度の能力。
ネガティブな感情によって発動するため、嬉し涙などの暖かい涙は凍らない。
また雪は作中美少女として扱われているため、雪女が美しい姿であることは共通。

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