乙嫁語り(森薫)のネタバレ解説・考察まとめ
『乙嫁語り』とは森薫によって描かれ、2008年10月から『fellows!!』で連載された、中央アジア、カスピ海周辺の地域が舞台の漫画作品である。作者の長編漫画第2作目。19世紀後半の中央アジア、カスピ海周辺を舞台にイギリスからの旅行者「ヘンリー・スミス」が出会う人たちの物語。古語である「乙嫁」を「美しいお嬢さん」ととらえ、第1の乙嫁「アミル」、第2の乙嫁「タラス」、第3の乙嫁「ライラとレイリ」、第4の乙嫁「アニス」、第5の乙嫁「パリア」とそれぞれの話が進んでいく。
アゼル
アミルにとっては兄。父の死後、族長になる。
融通が利かない性格であり、やや血の気が多い。そして父の言うことは絶対だと思っている。しかし内心、それに疑問を持っていた。
バダンの裏切りにてバダンにエイホン家もろとも襲われた時は、バダンの長であるオル=タムスを刺殺した。街の者に捕まった時殺されそうになったが、二階から見ていた老女たちがアゼルを庇い命拾いをした。
その後は、ロシア領の近辺にいる。
第2の乙嫁の登場人物・キャラクター
タラス
スミスがアンカラへ向かう途中の町カラザにて会った未亡人。
5人の夫に先立たれ舅もその後を追うように死に、姑と一度目の結婚式の時に送られた白馬「チュバル」とともに広大な土地と、山羊を放牧して生活をしていた。
まだ若いのだから早く違う人と別の土地に行って新しい人生を送ってほしいと姑からは思われていたが、タラスも姑を思い、この土地を離れられずにいた。
スミスと出会いお互いに惹かれあうが、姑が親戚の男と結婚することにより、義理の父ができる。義理の父は、どこの馬の骨かもわからないスミスとタラスを結婚させるわけにはいかないと、2人を引き離してしまった。
第3の乙嫁の登場人物・キャラクター
ライラとレイリ
アラル海沿岸の村に住む双子の姉妹。ライラが姉、レイリが妹。
家族は多いが、あまり詳しくは語られていない。確認できるのは、漁師の父、パワフルな母。パワフルな姉妹を手玉に取っている祖母。年甲斐もなく元気な祖父がいる。
家事や刺繍が苦手だが理想だけは高く、玉の輿を夢見ている。
姉妹仲は良く喧嘩もほとんどせず、結婚するまではずっと2人でいた。結婚後も、夫2人と共に4人で暮らしている。
サマーンとファルサーミ
ライラとレイリとは幼なじみの双子。サマーンが兄。ファルサーミが弟。通称はサームとサーミ。
兄弟ともに現実的な性格であり、家計が厳しいことから、結納金の都合がつくのがレイリとライラの家だけだろうとサマーンは諦めていた。
ちなみにファルサーミは豊かな胸が好きで、それをライラにバラされていた。
第4の乙嫁の登場人物・キャラクター
アニス
ペルシャの富豪の妻。
夫と子供が1人。使用人のいる広い家に住んでいるが、飼い猫と鳥くらいしか話す人がおらず、孤独感に襲われていた。
使用人マーフの誘いにより公衆浴場に行った先で、姉妹妻になり、夫の2人目の妻となるシーリーンと出会う。
細い体つきで、優雅な物腰。
この土地の人は、家族以外に女性は顔を見せないと言う風習があり、スミスとアリが居候としていたときも一度も顔を合わせることはなかった。
シーリーン
ペルシャの町にある染め物屋の妻だった。
夫と子供が一人。同居している夫の両親がいる。
生活はあまり余裕はなく、公衆浴場には夫がたまには行ってくればと言われ行っていた。アニスとは姉妹妻のちぎりを交わしていた途中に、夫が急死する。その後、アニスの働きでアニスの夫の2人目の妻になる(妻はみんな公平につき合えるなら4人までもてる)。
絹のような黒髪に紅玉のような唇を持ち、豊満な肉体を持っている。
第5の乙嫁の登場人物・キャラクター
パリヤ
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目次 - Contents
- 『乙嫁語り』の概要
- 『乙嫁語り』のあらすじ・ストーリー
- 第1の乙嫁
- 第2の乙嫁
- 第3の乙嫁
- 第4の乙嫁
- 第5の乙嫁
- 『乙嫁語り』の登場人物・キャラクター
- 第1の乙嫁の登場人物・キャラクター
- アミル・ハルガル
- カルクク・エイホン
- バルキルシュ
- アゼル
- 第2の乙嫁の登場人物・キャラクター
- タラス
- 第3の乙嫁の登場人物・キャラクター
- ライラとレイリ
- サマーンとファルサーミ
- 第4の乙嫁の登場人物・キャラクター
- アニス
- シーリーン
- 第5の乙嫁の登場人物・キャラクター
- パリヤ
- ウマル
- 共通して登場する人物
- ヘンリー・スミス
- アリ
- 『乙嫁語り』の用語
- 結婚
- 子供
- 布支度
- 女性の仕事
- 『乙嫁語り』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 民族間の違い
- 緻密な描き込み
- アミルの花嫁姿
- 刺繍された布の製品
- 宴の食事
- 中央アジアの広大な風景