妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)のネタバレ解説・考察まとめ

『妖狐×僕SS』(いぬぼくシークレットサービス)は藤原ここあ作の漫画。
『月刊ガンガンJOKER』の創刊号である2009年5月号から2014年3月号まで連載。単行本11巻で完結。
2012年1月から3月までアニメが放送されていた。
妖怪の先祖返りが住まうマンション『メゾン・ド・章樫』。そこに住む少女・白鬼院凜々蝶とその護衛であるSS(シークレットサービス)の御狐神双熾を中心とした先祖帰りたちによるシリアスラブコメディー。

犬神の先祖返り。
攻撃した先祖返りを人間の姿に戻れなくし、自我を失わせる呪いをかける力を持っている。
過去に未練がないにもかかわらず、未練のある過去に戻る千年桜を使用してしまった結果、3日間時間の狭間をさまよい、戻ってきたときには黒かった髪は真っ白にそまり、不老の身体になってしまっていた。
先祖返りを監禁する実家に生まれ、自由を求めて脱走した先で思紋に捕らえられる。
その後は思紋と共に生活するようになり、彼女を愛するようになった。
死体から悟る物語に執着する思紋のために、自身の呪いをかける力を使って自我を失わせた先祖返りを引き連れて練り歩き、多くの先祖返りたちを殺しては思紋の元に死体を届けていた。
2章では小学生の卍里が不良に絡まれていた卍里を気まぐれに助けたことで友人関係になる。
思紋のために千年桜で未練のある過去に戻るまでの間、卍里との平凡な日々を退屈しのぎに楽しんだ命は「こんな時間もあったのかもしれない」と思紋のために尽くす自分から本当は逃げ出したいとすら思っていた。
3章で殺された命は思紋に「愛してる」という言葉を残しているが、永い時を彼女のために尽くしていた彼は次の人生では友人たちと共に暮らす平凡な幸せを望んでいた。

『妖狐×僕SS』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

それぞれの家柄

先祖返りが生まれた家には不思議と繁栄が訪れる。
そのため、登場キャラクターたちの実家は総じて家柄がいい。
・白鬼院:起こりは呉服屋。現在ではカジュアルウェアからベビー服まで幅広く展開している服飾ブランドの老舗として栄えている。
・御狐神:京都に居を置く製薬会社。医療機器の研究・開発・製造などによりその地位を確たるものにしている。
・反ノ塚:金融業で栄える一族。幅広いニーズに対応し、名実ともに業界最大手の融資事業を展開。昔気質な部分がある。
他のキャラクターたちも多くは語られないが、家柄はいいが、実は卍里の実家である渡狸家が最も家柄がいい。

ニーソへのこだわり

作者の藤原ここあは凜々蝶のニーソには強いこだわりを持っていた。
アシスタントが他キャラのトーンが少しはみ出てしまった場合は「気を付けてね」で済んだものの、凜々蝶のニーソのトーンがほんのわずかに欠けてしまった際には貼りなおすように言っている。

初期案では学園ものだった

今作はメゾン・ド・章樫というマンションの住人が繰り広げる物語だが、初期案では学園ものだった。
・凜々蝶は生徒会役員・カルタは番長。
・反ノ塚は一反木綿ではなく一反絹という設定で、木綿ではなく絹というところを鼻にかけるお調子者ナルシストキャラ。
・野ばらは雪女ではなく吸血鬼であり、一度は設定から消えたが、復活したキャラ。
・蜻蛉は凜々蝶の実の兄。
など、決定案とは大幅に異なる設定だった。

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