ペット（漫画・アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

演：桑野晃輔
CV：谷山紀章／大地葉（幼少期）

林をヤマ親として持ち、ヒロキをペットとしている青年。悟が現れるまでは林と生活を共にしていたが、林が悟を引き取った際に会社に身柄を移された。林と引き離される寂しさを埋めるように、林が言い残した「会社のために働け」という言葉に固執し、会社に過度な忠誠を誓うようになった。

会社の仕事を頑張っていればまた林に会えると盲信する司は、会社に認められるために自らも能力を分け与える側となり、ヒロキをペットとした。林が司を我が子のように大切に思っているのと同じく、司もまたヒロキに対しても深い情を注いだ。

だが、林が会社の考えに対立し失踪したことを知ると、会社に忠誠を誓うことで林に認められると信じていた自我が崩壊してしまう。また、林が悟のことを気にかけていることに嫉妬し、司は林に対立してヒロキと共に会社側の人間としてのしあがることを決意する。

司の行動原理は、ヤマ親である林やペットのヒロキに対する強い愛情だが、ひとたび自分の思い通りにいかないことがあるとその思いは憎しみに変わってしまう節がある。

最後はヒロキに救われるも、林に与えられたヤマの記憶を消してしまったために廃人のようになってしまった。

林（はやし）

演：萩野崇
CV：加瀬康之

元社員であり、イメージの力を使う古参の特殊能力者。司と悟にイメージの力を分け与え、現在の会社の基礎を築いた。
司や悟のような自我を持てない子どもたちを純粋に愛しており、ただ特殊能力だけを必要として子どもたちを道具として使おうとする会社と離反。単独、会社から逃亡した。司や悟を会社に置き去りにしたことをずっと後悔しており、二人を一緒に逃すために再び日本に戻ってくる。

会社の大きな闇である、気功術師惨殺事件のきっかけの人物でもある。イメージの力を持った林は、気功術師の中に敵対マフィアに寝返った人物がいることを図らずも知ってしまい、そのことが会社が気功術師を全員抹殺するという凄惨な事件の発端となってしまった。

イメージは風を用いる。わずかな隙間も通り抜けられる風は、他人の記憶をスムーズに往来することが出来る。イメージの力自体は悟やヒロキ、司に比して強力というわけではない。だが、知的で冷静、他人の心理や行動を読む力に長けている様子が窺える。

メイリン

演：安西稟
CV：劉セイラ

林が会社に騙され生み出した特殊能力者の少女。林のヤマを持つが、ヤマの鍵となるべきタニを構築されていない。そのため、他人のタニが安易に記憶の中に混在してしまい、メイリンは廃人同様の状態のままイメージの力を垂れ流している。イメージは蝶。

現実ではメイリンは他人と会話することが出来ないが、記憶の中では舌ったらずではあるが普通に話をすることが出来る。記憶の中に入った悟に、林からことづけられていた重要なメッセージを伝えた。

潰し屋

桂木ただし（かつらぎ ただし）

演：君沢ユウキ
CV：咲野俊介／石井隆之（幼少期）

古参の社員であり、林が中国にいた時から面識がある。イメージの力は持たず、もっぱら潰し屋として業務に支障のある人物を排除する役目を担っている。ぶっきらぼうでガサツな性格。
林が会社から逃亡したのちは、悟をペットとして仕事をしている。司やヒロキにも仕事の指示を出す役目を担っているが、実は司の方が上司である。

本人も記憶を隠され忘れていたが、ジンの父親である。また、林の伝書鳩として悟たちを逃すための手はずが書かれたMOディスクを所有していたなど、終盤で大きな役割を担う。

ロン

演：伊勢大貴
CV：遊佐浩二

社員で潰し屋の中国人。社長の甥にあたり、ジンの従兄弟でもある。30歳。
会社の上層部の人間であり、メイリンのような忠実な特殊能力者を作り出すことを目論んでいる。意見の合わない林や、会社に不信感を持つヒロキ・悟に猜疑心を持つ。また、会社の中で台頭し始めた司を敵視している。

ロンと共に行動し、メイリン作りの出来る都合の良いペットを探し求めていた。しかし、林のMOディスクにより全てを知った悟との対決の中、悟にコントロールされた桂木に撃たれ死亡した。

ジン

演：あまりかなり
CV：M.A.O.

社長の姪である中国人。社員で潰し屋である。ジンとは乳児の頃からともに育てられており、兄妹のような関係である。
ロンと志を同じくしているが、感情豊かで人当たりの良い性格である。
母親はジンを産んですぐに亡くなっており、父親も誰だかわからずにいる。母親のことを知る誰かの記憶の中で母に会いたいと願っている。24歳。

会社から逃亡することを決意した悟との戦いの最中、ロンが桂木に撃たれたことに激昂し、桂木を撃った。だがその際、悟に桂木こそがジンの父親であるという真実を見せられる。兄のように慕っていたロンと、父親である桂木を同時に失ったショックから、ジンは精神を病んでしまう。ロンは死んだが、自我を失い幼児のようになった司をロンだと思い込んでしまう。

憐憐（レンレン）

CV：種﨑敦美

社長の妹であり、初めて特殊能力を開眼させた人物。回想の中で登場する人物であり、すでに亡くなっている。成人女性であるが、少女のような言動と知能レベルである。
多くの人はレンレンの特殊能力を恐れ、腫れ物のように接していた。だが、メンタルケアを担当していた林や、唯一自分を一人の女性として接してくれた桂木には心を許していた。

桂木と惹かれ合い、子ども（ジン）を授かる。だが、元々病弱な体であったため、出産の負荷に耐えられず産後に死亡した。

会社上層部の中国人たち

白世昌（パイ シーチャン）

会社の初代社長。気功術師をまとめ上げ、潰し屋を作り出すことにより裏社会での権力を拡大していた。だが、気功術師の一部が、敵対組織である陳一族に寝返り殺害された。