響け!ユーフォニアム(小説・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『響け!ユーフォニアム』とは、武田綾乃による小説、及びそれを原作としたアニメ、漫画作品である。2013年12月にシリーズ一作目となる『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』が刊行。京都府宇治市の高校を舞台に、吹奏楽に青春をかける男女の姿を描いた作品である。
アニメは2015年4月から第1期(全13話)が、2016年10月から第2期(全13話)が、2024年4月から第3期(全13話)放送された。

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『響け!ユーフォニアム』の概要

『響け!ユーフォニアム』とは、武田綾乃による青春小説、及びそれを原作としたアニメ、漫画作品である。2013年12月にシリーズ一作目となる『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』が刊行。京都府宇治市の高校を舞台に、吹奏楽に青春をかける男女の姿を描いた作品である。
弱小吹奏楽部に新しい顧問や吹奏楽経験者の一年生達が加入した事をきっかけに、部員達は人間的にも演奏者としても成長していく。
高校生ならではの恋愛、葛藤、受験などが絡み合いながらも、落ちぶれてしまった北宇治の吹奏楽部を立て直し、「全国大会」という目標に向けて吹奏楽に打ち込む青春ドラマである。

2014年12月にはみ作画でコミカライズ化され、「このマンガがすごい!WEB」にて2014年11月から2015年10月にかけて『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』が、2016年1月から9月にかけて『北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』が、2016年10月から2017年7月にかけて『北宇治高校吹奏楽部、最大の危機』が連載された。
アニメは2015年4月から第1期(全13話)が、2016年10月から第2期(全13話)が、2024年4月から第3期(全13話)放送された。
劇場版も公開されており、2016年に第1期の総集編映画『劇場版 響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜』が、2017年には第2期の総集編映画『劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜』が公開された。また、2018年にはスピンオフ映画である『リズと青い鳥』が、2019年には新作長編映画『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』が、2023年には新作中編映画『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』が公開されている。

『響け!ユーフォニアム』のあらすじ・ストーリー

第1期

コンクールに臨む北宇治高校吹奏楽部

北宇治高校吹奏楽部はかつて強豪と呼ばれる高校だった。しかし今となってはすっかり落ちぶれ、かつての強豪としての姿はどこにも見えなかった。
主人公の黄前久美子(おうまえ くみこ)は中学時代吹奏楽部でユーフォニアムを演奏していたが、北宇治高校吹奏楽部の新入生歓迎の演奏を聴き、そのレベルの低さに驚きを隠せなかった。
悩みながらもクラスメイトの川島緑輝(かわしま さふぁいあ)、加藤葉月(かとう はづき)とともに入部。そこで久美子は、中学吹奏楽部のチームメイトである高坂麗奈(こうさか れいな)と再会する。中学時代に関西大会出場を逃し、全国出場を目指していたため悔しがる麗奈に、久美子は「本当に全国に行けるとおもっていたのか」という言葉を投げかけてしまう。それが心無い言葉だったと自覚する久美子は、気まずさから麗奈になかなか声をかけられずにいた。
そんな時、吹奏楽部の新しい顧問として滝昇(たき のぼる)が着任した。滝は部員達に「全国大会出場を目指すか、無理なく楽しい部活にするか」という二択を迫った。
全国大会を目指すことに決まってからは副部長の田中あすか(たなか あすか)や中世古香織(なかせこ かおり)らを中心に全国大会を目指し、厳しい練習の日々が始まった。

そんな中久美子は完全に麗奈と和解し、トランペットのソロパートオーディションで揉める部内でも麗奈の味方であり続けると誓う。久美子と麗奈はお互い一番の理解者になり、全国に行きたいという情熱や、恋愛の悩みなども語り合うようになる。
必死で練習を繰り返し、パートオーディションで二年生の中川夏紀(なかがわ なつき)とメンバーの座を争い、見事勝ち取る。先輩を差し置いて出場する事に複雑な心境を覚えるも、夏紀に背中を押された久美子は覚悟を決める。
しかしコンクール本番が近付く中思うように上手く演奏できず、練習時に一部演奏から外されてしまう。そのあまりの悔しさに、「上手くなりたい!」と涙ながらに叫び、中学時代の麗奈の悔しさを理解した。
何とか本番までに苦手だった部分を克服し、外された部分も演奏できるようになる久美子。そして中学時代に突破できなかった京都府大会。完璧な演奏を披露し、見事金賞を獲得。さらに関西大会へと進出も決め、北宇治高校吹奏楽部は歓喜に包まれるのであった。

第2期

滝のスパルタ指導や、メンバーのオーディション等を乗り越え京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部。
8月の関西大会を目前にし、練習は更に激しさを増していく。
そんな中、去年退部した二年生の傘木希美(かさき のぞみ)が再入部を求めてやってきた。しかしあすかはそれを頑なに拒み続け、何度でも会いに来ると言っている彼女を拒絶する。同じく二年生で、中学時代から希美の親友だった鎧塚みぞれ(よろいづか みぞれ)は希美との再会で体調を崩してしまう。吹奏楽部では一年前、当時の一年生が三年生の不真面目さに耐えられず一気に退部者が増えるという事件が起きていた。希美もその時の退部者の一人だった。
みぞれはその時に何の相談もせず希美が退部を決めてしまったことから、自分が取り残されたと感じ今でも彼女の存在がトラウマになってしまっていたのだった。だからこそそれを知るあすかは再入部を断り続けていたのだ。
他の部員の助けもあり事情を理解したみぞれは希美と和解。あすかも再入部を認め、希美はサポートメンバーとして吹奏楽部の全国出場を支えることとなる。

目標である全国大会出場を決めた北宇治高校吹奏楽部だったが、副部長のあすかが母親から受験に専念するように強要され、部活を休みがちになってきた。
あすかは、こんな状態の自分では部に迷惑をかけると言い、退部を申し出る。
それでもあすか復帰を諦めきれない部員達に対し滝は「期限までに田中さんが戻れない場合、代わりに中川さんに演奏してもらいます」と告げる。
こんな形で退部する事をどうしても納得できない久美子は涙ながらにあすかを説得する。心動かされたあすかは、覚悟を決め「全国模試での優秀な結果」を盾に母親を説得し部活に戻ってきた。全国大会での金賞はかなわず、三年生達は引退していく。久美子は、あすかや吹奏楽、ユーフォニアムに対する感情の変化に気づいていくのだった。

第3期

久美子は3年生に進級し、北宇治高校吹奏楽部の部長となった。新入部員を迎える中、久美子のクラスには吹奏楽の強豪校である聖良女子学園から黒江真由(くろえ まゆ)が転入し、吹奏楽部に入部する。真由は温和な性格ですぐに部員たちと打ち解け、釜屋つばめ(かまや つばめ)など他の部員との関係も良好だったが、2年生の久石奏(ひさいし かなで)は真由に対して警戒心を抱く。
一方、ドラムメジャー担当の麗奈は、全国金賞を目指し部員たちに厳しい指導を行っていた。その結果、新入部員の義井沙里(よしい さり)など、麗奈の指導に委縮する部員も現れ始める。

真由から聞いた聖良女子の体制を取り入れ、コンクールメンバーのオーディションは大会ごとに行われるよう方針が変更されたが、府大会のオーディションではチューバの2年生鈴木さつき(すずき さつき)が落選し、1年生の釜屋すずめ(かまや すずめ)が選出された。この結果を受け、2年生の鈴木美玲(すずき みれい)は顧問の滝に対する疑念を久美子にぶつける。部長として多忙な日々を送る久美子は、卒業後の進路にも悩まされ始める。
関西大会まで駒を進めた吹奏楽部は再びオーディションを実施するが、ここでユーフォニアムのソリストに真由が選ばれる。真由の辞退の申し出を久美子は実力主義という現行の方針を優先して断ったが、2人の間には距離感が生まれてしまった。
北宇治は2年ぶりの全国大会に進むものの、久美子がソリストから外れたことで部員たちの間に不満が噴出。部内は滝の方針をめぐって真っ二つに割れ、この状況に対して否定的な部員を叱責する麗奈と久美子の間にも亀裂が入ってしまう。

悩みを抱える久美子は、以前あすかから渡された手紙を頼りに彼女の住まいに訪れ、悩みを打ち明けた。あすかとの会話を経て、久美子は真由や麗奈との関係を修復することができた。
部内の対立を乗り越え、心を一つにした北宇治高校吹奏楽部は、全国大会を迎える。そして、これまで手が届かなかった悲願の「ゴールド金賞」を勝ち取るという最高の結末を迎えたのだった。

『響け!ユーフォニアム』の登場人物・キャラクター

北宇治高校吹奏楽部員

黄前 久美子(おうまえ くみこ)

CV:黒沢ともよ

一年生。担当はユーフォニアム。
中学で吹奏楽をやっていたが、高校に入ってからは吹奏楽を続けるか迷っていた。周りに流されやすい性格で、周りの人物に唆されて渋々吹奏楽部に入部した。特にユーフォニアムはあまり好きではなく、違う楽器に挑戦するつもりだったがユーフォニアム経験者であることが部内でばれ、結局再びユーフォニアムを演奏することになる。
物事に対してややドライな傾向があり、麗奈からはしばしば「性格が悪い」と言われる。
吹奏楽、ユーフォニアムに対して大きな思い入れはなかったが。しかし練習やコンクール、麗奈やあすかとの関係を経て物語終盤では「ユーフォニアムが大好き」であると自覚。

高坂 麗奈(こうさか れいな)

CV:安済知佳

一年生トランペット担当。滝昇とは昔から知り合いで、尊敬の念とともに恋愛感情も抱いている。
久美子とは中学時代の同級生で共に吹奏楽部に所属していた。しかし、高校時代は久美子とほとんど会話することはなかった。ミステリアスな雰囲気の少女。
トランペットの腕前は確かで、コンクールのソロパートオーディションでは三年生の中世古香織からソロパートを勝ち取っている。
オーディションの際には香織の取り巻き達から敵視されていたが、やがて麗奈の本気さを周りも認めるようになった。
今では部内で久美子とはお互い一番の理解者。

川島 緑輝(かわしま さふぁいあ)

CV:豊田萌絵

一年生で、久美子のクラスメイト。コントラバス担当。
「サファイア」という名前にコンプレックスを感じており、自分の事は「みどり」と呼んでほしいと周囲には話している。少し変わっているが、熱心でまじめ。
吹奏楽の名門「聖女中等学院」でコントラバスを演奏していた経験者。

加藤 葉月(かとう はづき)

CV:朝井彩加

一年生。久美子のクラスメイト。担当はチューバ。
吹奏楽は初心者で、音を出すまでにも非常に苦労した。
明るい性格で、ムードメーカー的存在。

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