大和敢助（名探偵コナン）とは【徹底解説・考察まとめ】

大和敢助の概要

大和敢助（やまとかんすけ）とは『名探偵コナン』シリーズの登場キャラクター。
長野県警の警部。原作59巻・アニメ516話「風林火山 迷宮の鎧武者」で初登場する。
左目は過去の捜査中の雪崩事故により負った傷でふさがれていて開いていない。
その事故の後遺症が残っているため歩行が困難で、捜査中も杖をついて歩いてはいるが、主治医の話だと回復に向かっている。
色黒で1つ結びにしている長髪姿、無精髭、よれたシャツで野暮ったい姿に少し乱暴な口調で話すという特徴がある。
冷静な判断力を持ち、作中の刑事の中でも1、2を争うほどの推理力があり、かなりの切れ者で勘が鋭い優秀な刑事である。
そのため「毛利小五郎の推理を裏で操作しているのは江戸川コナン」という事を見抜いているが、コナンの正体が工藤新一だということを知っているわけではない。
その容姿と名前のモデルは、戦国武将・武田信玄の軍師の山本勘助である。

大和敢助のプロフィール・人物像

大和敢助
年齢：35歳
誕生日：不明
職業：長野県警刑事部捜査一課・警部
家族構成：不明
CV：高田裕司

仮出所中に逃亡した犯人を追って入った雪山で雪崩に巻き込まれたため半年間行方不明になっていた。
その時に左目に傷を負い、左足を負傷。
歩行の補助として左側で杖をついている。
同じ長野県警の諸伏高明（もろふしたかあき）、上原由衣（うえはらゆい）とは小さい頃からの幼馴染である。

大和敢助の来歴・活躍

大和敢助の初登場

単行本59巻 file5「百足」、アニメでは第516話「風林火山 迷宮の鎧武者」で初登場する。

大和敢助の登場する回

59巻 風林火山 迷宮の鎧武者 / 陰と雷光の決着

虎田家当主の跡取りである一人息子・義郎（よしろう）の転落死、敵対している龍尾家の息子・康司（こうじ）の撲殺死体。
その両方の死体のそばに死んで踏み潰された百足の死体が添えられていた。
虎田家から依頼を受けた毛利小五郎（もうりこごろう）・蘭（らん）・コナンと、龍尾家に依頼された平次（へいじ）と和葉（かずは）。
そしてその事件を担当している長野県警の大和敢助警部が捜査をしに訪れた。
義郎の妻である虎田由衣（とらだゆい）と大和警部は幼馴染で、元警察の由衣は大和警部の部下だったが、この事件では”刑事”と”被害者の嫁”という関係性のため壁を感じる話し方をしていた。
その夜、蘭と和葉が泊まっている部屋の障子に鎧姿の落ち武者のシルエットが浮かび上がった。
翌日に落ち武者シルエットの恐怖体験話をするとそれを聞いた龍尾家次男・景（あきら）の嫁である綾華（あやか）が怯えてトイレに閉じこもってしまう。
しかし、いつの間にか綾華がトイレから逃げていたため、コナンたちは綾華を探しに行った。すると綾華は林の中の木にロープで吊るされ死亡していた。
死体のそばにはまた百足の死骸が落ちていたことから、コナンたちは先の事件と関連性が深い連続殺人だと予想する。
しかも、最初に死亡した義郎は台風の風に煽られて転落したため”風”、康司の撲殺死体は、土に埋まっておりその上の土がまるで山のように見えたことから”山”、今回の綾華の林の中での首吊を”林”とすると〈風林火山〉になぞらえて事件が起きていることに気づく。
虎田家・龍尾家の人たちは、武田信玄の埋蔵金を探していたため、その逆鱗に触れた信玄の呪いで事件が起きているのではないかと話す。
その後、義郎の弟である繁次（しげつぐ）は持っていた釣り竿が電車の架線に触れて感電し、炎に包まれて死亡。
釣り竿のケースは感電後に電車に飛ばされ、そのケースのそばにはムカデの死体が添えてあった。
それを発見したコナンたちは、繁次の死に方が〈風林火山〉の”火”であり、また連続殺人が行われたと推理する。
しかし、〈風林火山〉には続きがあり、その続きも合わせると〈風林火山陰雷〉となる。感電死した繁次が”火”ではなく”雷”であると推理した由衣が、風林火山陰雷について景へ説明する。
今回の事件の発端は6年前、今回死亡した義郎・綾華・繁次が村の祭りで行われる流鏑馬の射手だった甲斐巡査（かいじゅんさ）を誤って殺したことだった。
その祭りのメインは2つの村の代表対抗で行われる流鏑馬の戦い。
勝利した村は一年間名誉を守れるという勝負であるため、流鏑馬の代表だった甲斐巡査が乗っている馬を驚かせて落馬させた。
その時の甲斐巡査が運悪く落ち葉に埋もれて亡くなってしまった時のことを”陰”とし、感電死が”雷”だとしたら残りの”火”は景に対してだと予測できたため、由衣は犯人から景を守るために説明した。
そこに真犯人で虎田家当主の妻・達栄が現れ、6年前から流鏑馬で賭博をし、わざと甲斐巡査を落馬させたことを話す。
ここまでの推理を先にできていたコナン・平次・大和警部は、隠れて達栄の自白を聞いたあとに捕まえるのだった。
このエピソードの最後に、大和警部は由衣に「警察に戻ってこい」という意味を込めて「刑事長も待ってるぜ…おまえのいれたまずいコーヒーをな…」と照れ隠しのセリフで遠回しに上原由衣の警察復帰に意見した。

大和警部の初登場と、幼馴染である由衣との関係性がわかるエピソードである。

65巻 危険な二人連れ

単行本65巻 FILE6~7

阿笠博士（あがさはかせ）と灰原哀（はいばらあい）は山梨にでかけたが帰宅途中で愛車のビートルがエンストしてしまい、通りかがった車に乗せてもらうことに。
運転手はサングラスをかけた怪しい女性で助手席には額に傷がある無精髭の男性が眠っていた。
車内には弾丸の跡があり、二人が拳銃を所持していたため灰原は二人が怪しく悪党かもしれないと推理する。
運転手の女性は毛利探偵事務所に向かっていると話し、灰原は毛利探偵と知り合いと伝え、寝たふりをして様子を伺っていた。
助手席の男が起きるとコナンについての話を始め、「半殺し」や「皆殺し」など物騒な言葉を使うので、博士と灰原はドライブインで逃げることに。
灰原がコナンに電話しながら状況を説明すると、コナンはスケボーで灰原の元へ向かいながら、怪しい二人の特徴を教えてもらう。
「半殺し」や「皆殺し」や、男が話す「ちょっとつもいが…」「車を降りて飛ぶんだな」という不思議な表現に、コナンは二人の人物にピンとくる。
コナンは、電話ごしに逃げる灰原へわざと捕まるように指示。
すると「この二人刑事さんだから大丈夫だよ！」とコナンが到着。
運転していた女性は、かつて「風林火山」の事件で知り合った上原由衣で、助手席の男性は大和敢助警部であった。
二人はこの次の話につながる事件について毛利探偵に知恵を借りるために探偵事務所にやってきたのだった。
「半殺し」「皆殺し」はお土産のぼたもちのこと。
「つもい」「飛ぶ」は長野県の方言で、それぞれ「窮屈」「走る」という意味だったというオチである。

大和警部の2回めの登場と、由衣が刑事に復帰したことがわかるエピソードである。

65-66巻 死亡の館、赤い壁

単行本65巻 FILE8 赤い壁

大和勘助警部から、長野で起こった殺人事件の捜査協力を依頼されたため、毛利探偵と蘭とコナンが長野へ向かう。
かつて「希望の館」と言われていたが、3年前に女性が亡くなってからは「死亡の館」と呼ばれるようになった洋館での事件解決の手助けをしてほしいとのことだった。
才能ある若者の夢が叶うまで住まわせていたというその洋館の一室の壁が真っ赤に塗られており、その壁の前で1人の男性が死亡していた。
住んでいた人たちのはすべて「色」に関する名前。赤く塗られていた壁はダイイングメッセージではないかと思われる。
今回なぜ毛利探偵に協力を依頼したかと言うと、大和警部の幼馴染でライバル視している所轄の諸伏高明刑事（もろふしたかあきけいじ）に絶対に負けられないからではないか、と由衣から教えてもらうコナン。
大和警部はコナンの推理力が高いことを見抜いているので、実際は毛利探偵ではなくコナンをあてにしているようだ。
この事件の被害者は、諸伏刑事の幼馴染で、実は諸伏刑事も容疑者の1人だった。
昔、大和警部は捜査中の雪崩に巻き込まれ、行方不明になり死亡したと思われていたが、諸伏刑事の強引かつ必死の捜査で生きていたことが判明。
その時の恩や、また諸伏刑事が無茶をしないようにコナンを同伴させていた。
しかし諸伏刑事は1人で洋館に戻り、犯人の手がかりを見つけたため犯人に殴られ、気を失い、洋館ごと燃やされてしまう。
焦った大和警部、コナンたちは洋館へ行くと、先についていた由衣が諸伏刑事を救い出していた。
諸伏が殴られる直前に大和警部へ送ったヒントによりコナンたちも犯人がわかり、意識を取り戻した諸伏刑事と一緒に犯人を追い詰めることに。
犯人をおびき出すため、コナンたちはみんなで変装。
酔っぱらいに扮した諸伏刑事にカツアゲをするカップルを大和警部と由衣、下着ドロに扮した毛利探偵。
犯人にわざと犯罪を見せることでそこに警察が居ないと思わせた。
それは、まさに中国の戦術であえて自分の陣地に敵を招き入れる心理戦の一種といわれている「空城の計」だった。

みごと犯人を騙し、真相を暴いて捕まえることができたのである。

大和警部のもうひとりの幼馴染・諸伏高明刑事の初登場エピソードである。
諸伏刑事が燃える館で取り残されたときには「高明、俺はまだ、お前からちゃんと報告を受けてねぇぞ！！」と焦る大和警部の描写がある。
由衣が大和警部を「勘ちゃん」と呼ぶと「俺はお前の上司だ…勘ちゃんはやめろ」と言い、幼馴染ならではの仲睦まじい様子も見れる回だ。

74-75巻 毒と幻のデザイン

単行本74巻 FILE8~ 66巻 FILE1

平次の元に死んだ人から手紙が届いた。
軽井沢にある別荘の風呂場で殺害されたデザイン会社の社長が手紙の送り主。
しかし、手紙の消印などからよく考えるとどうやら送ったのは犯人であると推測した平次たち。
その手紙には大阪にある家の合鍵が入っていたため、和葉が先に友達と肝試しとして行くと、そのお風呂場の壁に女の人がもたれかかっていたという。
しかし怖がっているうちにさっきまでそこにいた女の人は消えてしまったのだ。
その風呂場には「消えたのは己の肉体のみ文字に非ず」という紙が残り、壁のタイルには文字が書いてあった。
軽井沢の別荘で殺害された状況と似ていてるため、平次は「この事件のトリックを解きたいやろ？！」とコナンに持ちかける。
コナン・蘭・小五郎・平次・和葉の5人は殺害されたデザイン社長の東京の自宅へ向かう。
しかしそこでもまた殺人事件が起こってしまった。
事件に関連性があると思い、軽井沢といえば長野県警の管轄であることを思い出す平次。
「大和敢助警部に電話してみよう」と提案するが電話番号はわからない。
すると和葉が由衣の番号ならわかる、というので由衣に連絡をとると、ちょうど軽井沢の別荘で大和警部と一緒に事件を調べていた。
東京で事件を解決するコナンたちへ、大和警部たちから事件解決の糸口を電話で伝えてもらい、東京で犯人を見つけ出す。

メインの事件は東京なので、大和警部の出番は少なめである。

82-83巻 赤い女の惨劇（悪霊 / 復讐）

単行本83巻 FILE1赤い悪魔

コナンと蘭と園子（そのこ）は帝丹高校のクラスメイトで女子高生探偵の世良真純（せらますみ）に誘われ長野へ出かけた。
紅葉などを見に行くと思っていたコナンたちだったが、実はそうではなく、世良に事件解決の依頼があったので、依頼主がいるという森の中の貸別荘に行くというものだった。
その別荘で15年前に浮気相手を連れ込んだ夫を妻が殺すという事件が起こった。
逃げた容疑者である妻が返り血をあびたままの姿のため「赤女」呼ばれているという話がある。
蘭はその別荘に向かう間の森の中でコートを着た人を見かけた気がする、といっていた。
そんな話を聞きつつも貸別荘についたコナンたちは、謎を解いてほしいという依頼主と合流して詳しい話を聞くことに。
15年前の「赤女」事件の3年後、依頼主の友達である聡子がこの貸別荘で「赤女」を目撃。
仲間たちで「赤女」が逃げた森の中を探すことになるがはぐれてしまい、聡子は一週間後に池の中で死体となって見つかったという。
コナンたちが別荘で時間を過ごしていると、また殺人事件が起こってしまった。
貸別荘が長野県警の管轄のため、上原由衣刑事がやってくる。
実は、15年前「赤女」の事件で凶器を発見したのは、当時警察学校の研修中で交番勤務だった大和敢助警部と諸伏高明警部だったと言う。
当時の事件のことで聞き込みに戻った大和警部が調べたことがきっかけでコナンと世良は犯人を確証。
事件は解決すると思われたが、いきなり外から「赤女」らしき人が包丁を持って侵入してきた。
そして大和警部がその女を取り押さえる。
「赤女」と呼ばれていた妻自体は死亡しており、その女は連れ込んだ浮気相手だった。
浮気相手は目の前で愛する男性を殺されたショックに妻を殺そうと15年間も森の中に潜んでいたのだったというオチ。

大和警部の途中の出演シーンは一瞬だが、最後の「赤女」を取り押さえるシーンでしっかり活躍するエピソードである。

86巻 かまいたちの宿（前編）

単行本86巻 FILE6 殺意の鎌鼬

小五郎・蘭・コナンは平次に誘われ長野の旅館にいた。
そこには鎌鼬（かまいたち）が出るという。平次が持っていた写真にはその旅館の温泉の上を鎌を持って走っている人が写っていた。
そこで停電が起こり、客の1人の顔が切れてしまう。
平次とコナンは、傷口をみて、鎌鼬が出たのかと驚く。
しかし鎌鼬かどうかがわからないため、まずは和葉が警察に通報した。
旅館が長野県だったため、大和敢助警部が来るのかと全員思い、コナンも「そういや大和警部か」と思い出す。
実際は山梨県警との県境で、管轄は山梨だったため大和警部はこなかった。

大和警部の出演シーンはこのコナンの思い出したところだけである。

86-87巻 県警の黒い闇

単行本86巻 FILE9啄木鳥

鎌鼬の事件が解決したあと、小五郎・蘭・コナンは残って川中島の戦い縁の地に向かった。
上杉謙信と武田信玄の銅像を見に行くと、大和敢助警部、諸伏高明警部、上原由衣刑事が登場。
近くで聞き込みをしていたと言い、川中島の戦いでの作戦「啄木鳥」について教えてもらった。
コナンは大和警部が隻眼であることで、黒ずくめの組織No2・ラムの特徴と似ていると思い、少し怪しんでいる。
コナンたちは警部たち3人に川中島の戦いの戦場めぐりを案内してもらうことになる。
案内してもらうと、川に血が流れていることに気づいた大和警部。
見に行くと、同じ長野警察の警部である竹田班長（たけだはんちょう）の首が流れていたのだった。
そこに現れたのは新しく捜査一課長になった隻眼の大男・黒田兵衛（くろだひょうえ）もかけつけた。
刑事を狙った連続殺人事件かもしれず、第一発見者であるコナンたちは捜査に協力することになる。
コナンは黒ずくめの組織のNo2・ラムのことが頭から離れず、黒田一課長の隻眼が気になってしょうがない。
大和警部は「気になってもしょうがない、どっかの組織の大ボスみたいな顔しているからな」とコナンに声をかけた。
この事件は、9年前の銃乱射事件の犯人を竹田班長が射殺した事件に関わっていることが判明。
その被疑者は大和警部の幼馴染だった。
諸伏警部は幼馴染である被疑者を目の前で殺された大和警部が怪しいとわざと煽る。
大和警部は「俺を疑うのか？」と怒り、1人で捜査すると啖呵を切って行ってしまう。
その後竹田班の刑事が次々と狙われる事件が発生。
大和警部が容疑者になってしまうが、実は真犯人が大和警部に罪を着せるために仕組んだことだった。
真犯人は銃乱射事件で犠牲となった女性の兄で、竹田班にいた秋山刑事（あきやまけいじ）。
竹田班に恨みをもっていたため、関わりをもっていた大和警部も秋山刑事に殺されそうになるが、大和警部は機動隊と共に先回りして秋山刑事を追い詰めた。
無事に事件は解決する。

途中、大和警部の幼い頃のエピソードもあり、容疑者として疑われるため、比較的大和警部メインの話になっている。