もやしもん(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『もやしもん』とは石川雅之によって『イブニング』と『月刊モーニングtwo』にて連載された、細菌やウィルスを肉眼で目視できる大学生を主人公とした学園漫画、およびそれらを原作としたアニメ・ドラマである。主人公、沢木 惣右衛門 直保(さわき そうえもん ただやす)は菌・ウイルスを見る能力を持ち、なおかつ菌と意思疎通をすることまで可能だった。その不思議な力ゆえに巻き起こる1年間のどたばた劇を描いている。

『もやしもん』のあらすじ・ストーリー

某農業大学に入学した螢(左)と直保(右)。直保の肩の上に菌が乗っている。

肉眼ではみることができないミクロレベル、ナノレベルの細菌やウィルスを目視でき、あまつさえ意思疎通までできる不思議な力をもつ種麹屋の息子、沢木 惣右衛門 直保(さわき そうえもん ただやす)。直保と幼馴染の結城蛍(ゆうきけい)が、直保の祖父の古くからの友人であり教授でもある樹慶蔵(いつきけいぞう)が勤める、東京に所在するという「某農業大学(これが正式な名称である)」に入学した。
大学院生の長谷川遥(はせがわはるか)とゼミ生の武藤葵(むとうあおい)。
日本酒の密造に失敗したあげく、部屋の修理代などの代金として総額10,285,000円(税込)を請求されることになった2年生の美里薫(みさとかおる)と川浜拓馬(かわはまたくま)。
ただの通りすがりのはずが樹から「単位をひとつあげるから」と研究に参加することになった1年生の及川葉月(おいかわはづき)。
これらのメンバーが織り成す、細菌やウィルスに関係したどたばた学園物語である。

『もやしもん』の主要登場人物・キャラクター

沢木 惣右衛門 直保(さわき そうえもん ただやす)

CV : 阪口大助

主人公。農学部1年。種麹屋「もやし屋」の次男で、惣右衛門は家業の屋号。通常は屋号は名前にはつけずに「沢木直保」となる。ミクロ、ナノレベルの細菌やウィルスが肉眼で目視できるほか、会話や意思疎通まで行い、菌をつまむことまでできる。さらに、菌に指示まで出せる摩訶不思議な力をもっている。しかし、子供の頃から周囲の理解は皆無で馬鹿にされたり、変わり者扱いを受け、さらに両親にすらまったく理解されなかったため人とのかかわりが苦手。ただし、祖父と蛍は理解者。
幼馴染の蛍と一緒に「某農業大学」に入学し、祖父の友人であり大学の教授でもある樹に、細菌を目視できる能力を「透過型電子顕微鏡一式。3億(円)の価値がある」と利用される形で樹研究室のメンバーになった。
ちなみに直保に見える菌たちは実際の菌の姿とは違い、かなり大きく顔があったり言葉も発する、直保の主観的な姿となっている。
第10話で、ゴスロリファッションに身を包んで女装した蛍にキスされたときは驚きのあまり、菌を知覚する能力を喪失した。直保にとって菌を知覚する能力を失うということは、ただのチビの大学生になってしまい存在価値を失うということであり、自分はこの大学生活で「チャラくて楽しい東京のキャンパスライフ」が送りたかったのか悩む。しかし、直保の呼びかけに応じてパンに「さわき」の字を形作った菌たちの存在に心を動かされ、悩みの結論は保留しとにかく菌の研究に励むことを目指す。

結城 蛍(ゆうき けい)

CV : 斎賀みつき

農学部1年。沢木の幼馴染であり彼の能力に理解がある一人。生家は造り酒屋で、子供の頃直保と一緒に「火落ち菌」が原因で醸造していた日本酒が壊滅、責任を感じた杜氏(とうじ、とじ。日本酒の醸造を行う職人達、すなわち蔵人の頭目であり酒蔵の醸造責任者)が自殺してしまった場面に遭遇してしまったことから火落ち菌を「僕の敵です」と酷く憎んでいる。直保より醸造や醗酵食品などについて詳しい。第5話で、日吉酒店で日本酒がぞんざいに扱われているのを(実際は中身はただの水道水だったが)怒って指摘していた。
登場時は普通の男子だったが、樹教授にだけは相談して直保にも内緒で休学する。やがて第10話でゴスロリファッションに身を包み、完璧に女装した格好で日吉酒店でバイトする姿を直保に見つけられ、対して驚かない様子の直保にキスをする。女装の心境を直保に問われると、もともと中性的な顔立ちで子供の頃は女みたいと言われて怒っていたが、「やだやだと思っている事の裏側に真理が隠れているかもしれない」と大学にいる間は自身の可能性を広げるために女装したと説明した。

長谷川 遥(はせがわ はるか)

CV : 大原さやか

「某農業大学」大学院生(博士課程在学)。樹教授の助手的存在。スタイルもよい美女だが、かなり面積が少ないボンデージファッションに身を包み、非常に暴力的で感情が高まるとムチ打つ女王様のごとき人物。
直保の菌が見える能力を当初は相当疑い、各種菌が培養されたシャーレを山のように取り出しどんな菌か同定させていた。自身が築き上げてきた知識と経験を特殊能力のみで凌駕せんとする直保に強烈な敵意をもっていた。しかし、樹教授の「貴重な実験体にへそをまげられちゃ元も子もないじゃないか」というかなり露骨な説得によって矛を収める。思ったことをすぐ口にするタイプで、直保にきつくあたるため本人は自己嫌悪を感じてはいる。
家は大富豪で許嫁までいて大学卒業をもって結婚させられるのを嫌がり、結婚を先延ばしにさせんがため大学院にまで進んで研究に没頭している。親の決められたレールの上の人生に窮屈さを感じ、そういったしがらみがない美里、川浜などに魅力を覚えるのか、物語当初は侮蔑していたが徐々に距離を縮めつつある。また、酒には強い体質ではなく、ある一定量以上を飲酒すると完全に前後不覚に陥る。その際、近くにいた美里に絡んでいた。当人は酒乱を「甘え癖」と主張している。
『もやしもんリターンズ』にて、許婚の龍太と結婚の為フランスに婚前旅行にきていたのだが、両者ともおざなりな結婚を求めてはいないことに気づき許婚を解消する。

及川 葉月(おいかわ はづき)

CV : 神田朱未

農学部1年。沢木と同じクラスに所属する。ただの通りすがりだったはずが、韓国の発酵食品ホンオフェを抱えて研究室に登場後、単位をエサに樹教授の研究に参加する羽目になった。なし崩し的にそのまま研究室に落ち着く。潔癖症で、“自治寮”と看板がある美里と川浜が下宿する大学寮を訪問したときは癇癪をおこして部屋を大掃除、除菌スプレーを噴射させまくった。直保とカーペットを買いにいった帰りに電車に乗ったときは「菌だらけだ」とつり革につかまることを嫌がり、部屋の中は除菌グッズがいっぱいで常日頃から清潔にしている。
また、菌が知覚できるという直保の特殊な力を、樹研究所に出入りする人間の中では唯一まったく理解していない。
ちなみに、恋愛対象はオヤジ。

武藤 葵(むとう あおい)

CV : 能登麻美子

農学部3年。樹研究室のただ一人のゼミ生。ミス農大に選ばれるほどの美貌の持ち主だが、当人は己の容姿を鼻にかける素振りはいっさいないほどあっけらかんとした性格。長谷川と一緒に世界の発酵食品を収集に出かけたのだが、長谷川は一人で飛行機で帰国してしまう。「発酵物が気圧差から爆発する怖れがあるから」と、武藤ただひとり陸路での帰国を余儀なくされ決死の帰国となった。それでも途中でさらなる発酵食品を集め、ヒッチハイクで帰ってくるなど容姿とは似つかわしくないほどのバイタリティの持ち主でもある。帰国直後は「アジアの食中毒菌5人衆」を保菌していたり、自身が所属し会長を務めるUFO研究部員がこぞってインフルエンザウィルスを蔓延させていてもどうやら平気だったらしく、非常に頑丈な身体のようである。
過去武藤が懸命に建設現場でのバイトで貯金し、一緒に同棲するための資金を管理していた恋人がいた。しかし資金もろとも雲隠れした事を受け入れられず、「宇宙人に連れ去られたに違いない」と思い込むことで現実逃避、大学のサークルUFO研究会に所属していた。
ちなみに「アジアの食中毒菌5人衆」は腸炎ビブリオ、エルトール型コレラ、赤痢菌、P・シゲロイデス、サルモネラ属菌の5種。

美里 薫(みさと かおる)

CV : 小西克幸

農学部2年。樹研究室に出入りするメンバーで唯一の喫煙者。川浜とは常に一緒に行動する仲良しコンビ。生徒からカンパを募って日本酒を密造したり、冬虫夏草の栽培を計画したりと無茶でいい加減な性格の持ち主。自治寮とよばれる大学寮の入り口付近にカップラーメンの内容物がこぼれていたりと、菌やウィルスを扱う大学生の割りには清掃に関しては無頓着で、及川訪問時には除菌スプレーを噴霧されまくっていた。そのおかげで冬虫夏草菌が死滅するはめになった。密造酒と、直保の利用に関して樹教授から敵視され、壊れた研究室と資料の代金として10,285,000円(税込)を請求される。だが自称「口噛み酒の伝承者」であり、日本古来からの酒造りの姿勢を樹教授に高く買われ、川浜と共に研究員として迎えられたため莫大な請求に関してはチャラにされた模様である。
直保がゴスロリ蛍にキスされたショックのあまり細菌を知覚する能力を喪失してしまったとき、川浜とそのことをうすうす理解しつつも直保を案じて、ふたりからは言い出さないでおこうと決めるなど面倒見が良い面もある。
ちなみに、お笑い芸人「笑い飯」西田幸治を似せて原作者がキャラ作りをしたらしく、実写化の際には西田幸治本人が演じていた。

川浜 拓馬(かわはま たくま)

gin53372
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@gin53372

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