夏目友人帳(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『夏目友人帳』とは、「緑川ゆき」による漫画作品。2008年にアニメ第一期を放送し、2017年までに第六期まで放送。2018年に映画化された。妖の見える少年「夏目貴志」は、妖の「ニャンコ先生」と出会い、祖母の遺品で妖の名前が書かれた紙「友人帳」を手にすることとなった。貴志は多くの妖や人間と関わり、様々な葛藤をし自分の過去と向き合っていく。そして、多くの妖と出会いや別れを繰り返しながら、貴志は少しずつ人間として成長していく。

貴志と滋は遠い親戚であるが、実は滋は子供の頃にレイコに出会っている。
たまたま出会った嫌われ者でいつも一人であったレイコを滋は嫌がらず、二人は一緒に遊ぶようになった。
レイコは人間と馴れ合うのにためらいがあったが、滋の事は嫌いではなく一緒に居るのも楽しかった。
しかしレイコは滋の家に妖が憑いて居る事に気づく。
お気に入りである滋の住む家(現在の藤原家)に悪い妖が居る事が許せないレイコは、滋の家で一人妖を封印する。
レイコが妖と戦ったため部屋はぐちゃぐちゃになってしまい、滋は何が起こったのか全く分からないまま、レイコはその後何も言わずに滋との関わりを絶った。
昔の事であるため滋はもうその事を殆ど覚えておらず、その時の女性の顔や名前を忘れてしまっていた。
しかし滋の昔話を聞いた貴志はその女性がレイコである事に気づくのであった。
そして滋が子供の頃家に憑いていた妖と同じ妖が現在の藤原家にまたも現れ、貴志は滋の話してくれた思い出話をヒントにし、レイコと同じ方法で妖を封印した。
その際にレイコが部屋をぐちゃぐちゃにしてしまったのと全く同じ状況になってしまい、物音を聞いて駆けつけた滋はあの時と同じ状況だと驚く。
貴志は部屋をぐちゃぐちゃにしてしまった事を謝り弁償すると言うが、妖を封印したなどとは言えず詳しい事情を話せずにいた。
滋はそんな貴志に深く追求せず、家族なんだから弁償もしなくてもいいと貴志の頭を撫でた。
滋はあの時のレイコも現在の貴志も悪い事はしておらず、むしろ自分達を守るために身を張って何かをしたのだとなんとなく直感したのだろうか。
以降も貴志が妖絡みで不思議な行動を取っても言及しない。

子供の頃の夏目

幼少期の貴志をからかっていた妖。しかし本当は貴志を気に入っており、ずっと貴志がその後どうなったか気にしていた。

貴志の過去に関しては、ポツポツと思い出話のように何度も描かれる。
まだ父親が生きていた頃のこと、父が亡くなった後引き取られた家の娘と上手く行かず居心地の悪い想いをしていた事。
学校へ行っても妖に脅かされ、その姿を見て同級生達は貴志を虚言壁のある嘘つきだと苛めた事。
どの話をとっても、妖の見える貴志の行動は誰にも理解してもらえず報われない。
親戚をたらい回しにされた貴志には友人を作る時間もなく、本当にいつも一人っきりであった。
中には好意で貴志にちょっかいをかけた妖もいたが、小さな貴志にとっては妖はすべて怖ろしくただ怯えるだけであった。
これらの思い出話は、現在のニャンコ先生・家族・友人達が居る貴志だからこそ肯定的に思い出せる事柄であるのだ。
自分だけが不幸だったのではなく自分が気づかずに他人を不幸にしていた事、他人の好意が分からなかった事などを振り返えり、そうした過去があるからこそ貴志は現在を大切に生きようとするのである。
また、中学生の頃の同級生・柴田は貴志にとっては自分を嘘つき呼ばわりする苦手な相手であった。
しかし高校生になった柴田は妖に恋をしてしまう。
柴田は自分でも相手が人では無いのではないかと勘ぐっており、霊感があるという噂のあった貴志に昔の好で助言を求めた。
そして貴志には本当に霊感があり妖が見えていることを知り、過去の事を謝り改めて貴志と友人になった。
このように過去貴志と上手く行かなかった人たちも、現在の貴志とは打ち解けたり、雰囲気が柔らかくなり好青年に育った貴志を見直すなどの変化が起こる事ある。
しかしこれは相手側の意識変化ではなく、貴志が多少世渡り上手になってきたからということである。
貴志にそれほどの心の余裕が出来たのは大人になって来ているからという事と、支えてくれる友人や家族の影響も多い。

『夏目友人帳』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

物語の舞台

本作では明確には記されていないが、作者の出身地である熊本県人吉市をモデルに舞台が作られている。
そのため吉市では本作のPRポスターなどが貼られ、コラボなども実施されている。
作者側からアニメスタッフに熊本県のお気に入りスポットを紹介し、人吉球磨の風景が描写された。
第四期では福岡県福岡市や福岡市早良区次郎丸と同賀茂の描写があった。

アニメーション制作会社の変更

本作は2008年から不定期にシリーズ放送し、1期~4期までを「ブレインズ・ベース」が製作。
5期からは制作会社が「朱夏」に変わる。
朱夏はブレインズ・ベースから独立した制作会社であり、作風・絵柄・声優などに大きな変化は無い。

再放送

第二期の放送終了後、TXN6局同時ネットで第一期の再放送が行われた。
深夜アニメの夕方再放送という他、字幕放送に対応するようになった。
2016年には第五期放送前に傑作選「夏目友人帳シリーズセレクション」が放送。
最終回ではOVA「いつかゆきのひに」が放送し、地上波初放送となった。
2018年には劇場版の宣伝を兼ね、BSジャパンで『アニメ化10周年記念「夏目友人帳」シリーズセレクション』を放送。
セレクション内容は2016年の再放送と同じ物となっている。

LaLaドラマCD

LALAの付録で、本作のドラマCDが度々付属。
原作エピソードや、オリジナルストーリー、キャストトークを収録。
2017年までに6作のドラマCDが付録された。

WEBラジオ

2008年の10月~12月まで配信されたWEB配信のラジオ。
タイトルは「ラジオ 夏目友人帳 〜秋ノ章〜」。
パーソナリティは、奇数回を神谷浩史(夏目貴志 役)と菅沼久義(北本篤史 役)が担当、偶数回を井上和彦(ニャンコ先生 役)と堀江一眞(田沼要 役)が担当。
最終回は神谷浩史と井上和彦が務めた。

2011年の10月~12月には、「ラジオ 夏目友人帳 〜新・秋ノ章〜」を放送。
パーソナリティは、井上和彦(ニャンコ先生役)と堀江一眞(田沼要 役)が担当。

音楽朗読劇

2013年に音楽朗読劇「SOUND THEATRE x 夏目友人帳~集い 音劇の章~」が東京国際フォーラムで開催。
各地の映画館でライブビューイングを実施。
本作の声優たちが、「儚い光」「偽り神」「守り犬」のエピソードをその場で演技し披露した。

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