フルハウス(Full House)のネタバレ解説・考察まとめ

『フルハウス』とは、1987年から1995年までアメリカで制作、放送されたコメディドラマ(シットコム)。事故で突然妻を亡くした男が、友人たちに助けられながら子育てをするストーリー。個性的なメンバーが集い、笑いや皮肉のセンスが光る半面、ホロリと涙を浮かべさせる一面もある。そんな懐かし海外ドラマの金字塔と言える作品である。

D.Jと飲酒

学校でパーティーを開いた時に一部の男子生徒がビールを持ち込み、止めに入ったD.Jにかけるなどの暴挙に出ます。バンド担当として駆り出されていたジェシーはその瞬間を見ておらず、ビールのにおいと空き缶を持っている姿からD.Jの飲酒を疑い、ダニー、ジョーイ共々真剣に話し合い。姉の涙を見たステファニーの「お姉ちゃんはやってない」との抗議と学校に行ったとの話でダニーとジェシーが現地に向かいます。ビールを飲んでいた一人の証言で無実だと分かり、ジェシーは「お前は今回正しい判断をした」と言いながらも、酒で失敗をした友人の話や、ドラッグ等の世の中の闇について語るのでした。

D.Jと認知症

ボランティアで老人ホームに出かけたD.J。エディという老人とコミュニケーションをとる為ですが、二人は意気投合。タナー家で開催されるドッグショー(近所の犬を集めて特技を披露)を見たいというので同行させることに。しかしエディはアルツハイマーを発症しており、時折昔に戻ったり、D.Jを自分の娘と勘違いをしたり。ダニーからアルツハイマーには治療法がないことなどを聞き、「何であんないい人が」とショックを受けるでした。

ステファニーと虐待

嫌味ばかり言うのでクラス中から嫌われている少年、チャールズと一緒に宿題をすることになったステファニー。タナー家でも皮肉全開のチャールズでしたが、ステファニーが「父から仕置きを受ける」と聞いて態度が一変。妙に感じたステファニーが「誰にも言わない」との条件で秘密を聞くことになります。チャールズもまた父子家庭でしたが、三姉妹とは違い時折父から暴力を受けていたのでした。自分たち三姉妹の受ける罰が優しいものであることを実感し、流れでジェシーにチャールズのことを相談することになります。
暴力を知っていて何もしないのは、暴力を認めたことになる」としてジェシーが警察に通報。父は逮捕されてチャールズは里子に出されました。「何で家から出したの!?」との言葉に、ジェシーは「暴力が悪化して取り返しのつかないことになる前に連れ出せたからよかった、お前は正しいことをしたんだ」と言い聞かせます。虐待をする親の存在に納得がいかないながらも、自分の幸せを実感するステファニーでした。

ミシェルと死

ギリシャから、ジェシーの祖父にして三姉妹の曽祖父、通称パプーリが渡米。教訓を織り込みながらも面白い物語風の説教をするなど、親しみやすい性格のパプーリに子供たち、特にミシェルは懐きます。幼稚園でギリシャ伝統のダンスを一緒に披露するとの約束もしますが、ミシェルの留守中パプーリが急逝。落ち込むミシェルですが、ジェシーが親戚への連絡や葬儀の準備に奔走するのは悲しみを紛らわすためであり、一番辛いのは彼だと聞いて泣くのを我慢します。
それでも叔父から「家族なんだから、悲しみを共有して泣くことがあってもいい」と諭されて一緒に泣き、幼稚園でパプーリから教えられたギリシャのダンスを披露するのでした。

タナー家

主な舞台です。2階建てに屋根裏と地下室、という構造。いくつかの部屋が登場します。

出典: locoloconews.com

1階

出典: news.aol.jp

リビング、キッチンがドアで繋がっています。リビングによく皆が集まりますが、話し合いはキッチンでなされることも。ちなみにキッチンはステファニーが車を誤発進させたり、コンクリートを流し込むパイプが窓を突き破るなどして、何度か破壊されています。未登場ですが、トイレもある模様。リビングの暖炉はダニーの部屋の暖炉とつながっているそうで、下の会話は丸聞こえ。キッチンの裏口からも出入りは可能で、キミーはよくそこから入ってきます。

2階

出典: twitter.com

ダニーの部屋。

リビング及びキッチンにある階段で上がれます。リビング側から順にバスルーム、三室の部屋を経て、ダニーの部屋と続いています。構造上の無理とは、リビングにあるはずの暖炉とダニーの部屋の暖炉が直通ということ。空間的にダニーの部屋はキッチン側にあるため「暖炉が繋がっているのはおかしい」とのご指摘があります。
三室の部屋はそれぞれ子供部屋だったんですが、物語が進むうちその主を変えていくことになります。リビング側からミシェル→D.Jの個室、D.Jとステファニーの部屋→ステファニーとミシェルの部屋、ジェシーの部屋→ジョーイの部屋といった具合です。ステファニーとミシェルの部屋は、ビッキーの母で建築デザイナーのリズ・ラーソンによる厚意により無償で改装。「ここに住んでいいの?」と夢見心地の声で感想を述べるほど、よりかわいらしい部屋になりました。

屋根裏部屋

元は物置きでしたが、ジェシー一家の同居でコクラン家の住まいに改造。ニッキー、アレックスの誕生で子供部屋を自ら増築させました。ちなみに双子の誕生時はまだ子供部屋は完成しておらず、「分かってる。壁紙ぐらい早く貼れっていうんだろう」とジェシーが息子たちの気持ちを代弁しています。

地下室

同じく元物置き部屋。しかしお笑いの練習をする場所のないジョーイの為、二週間の興行中に突貫工事でジョーイの部屋に改造。荷物は母親に送ってもらったものだそうです。コクラン一家の同居後はジェシーの音楽活動の為のスタジオになり、「ランプがついている時は仕事中だから立ち入り禁止」のルールができました。しかしそれが裏目に出て、出られなくなった際数時間ジェシーとジョーイは閉じ込められる羽目に。「ランプ消せばいいんだ」と実行して事なきを得ます。「随分長いことレコーディングしてたのねえ」なんて言われて言葉を失くしてました。

『フルハウス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ダニーパパの実態

ダニー役のボブ・サゲット氏は実はコメディアン。日本ではフルハウスでの「真面目なパパ」のイメージが強いですが、撮影の合間に三姉妹役の子役たちに下ネタを聞かせるなどしていたそうで、親御さんは彼との接触を嫌っていたそうです。一度『フルハウス』の特番がNHKで組まれたことがあり、その際も日本からの取材というのを意識して「これ字幕出るの?英語で話して大丈夫?え、吹き替え?じゃあ今僕は日本語を話してるんだ。さすがダニーだね」と中々に気の利いたコメントをしていました。

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