ダーク・プレイス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダーク・プレイス』は、イギリス、フランス、アメリカの共同製作による2015年の映画。監督と脚本をジル・パケ=ブランネールが務め、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルトをはじめとする豪華な出演者も話題となった。『ゴーン・ガール』などを執筆して人気を博したアメリカの女性作家、ギリアン・フリンによる小説『冥闇』(めいあん)を原作としている。一家惨殺事件の唯一の生き残りである女性が、自身を苦しめる過去の記憶の真相を探り始めるという、ミステリー・スリラーの金字塔に相応しい一本。

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ラナー・デイ(演:ショーン・ブリジャース)

パティの元夫で、4兄妹の父。事件当時はすでにパティと離縁していたため無関係。

デビー・デイ(演:マディソン・マクガイア)

リビーの姉で、1985年の事件の被害者のひとり。事件当日、パティのそばで銃殺されているのを発見される。

ミシェル・デイ(演:ナタリー・プレクト)

リビーの姉で、1985年の事件の被害者のひとり。事件当日、金を盗もうとしているディオンドラを見咎めたところ、そもそも折り合いの悪かった彼女に絞殺される。

事件関係者

ディオンドラ・ワーツナー(演:アンドレア・ロス)/(青年期演:クロエ・グレース・モレッツ)

青年期のディアンドラ

日本語吹き替え:潘めぐみ
事件当時、ベンの恋人だった女性。事件があった当時は全く身に覚えのない事件の嫌疑をかけられていたベンと共に駆け落ちを目論んでいた。事件後、出産したベンの娘であるクリスタルと共に2人暮らしをしている。悪魔崇拝者で、気性も荒い。事件当日、金を盗むために農場に忍び込んでおり、犯行を見咎めたミシェルを絞殺した、事件の真犯人のひとり。

ディール(演:ジェフ・チェイス)

パティの農場が経営難に陥った際、破産手続きを担当した管財人。正体は50人以上を嘱託殺人で手にかけてきた連続殺人鬼で、金銭苦に陥っているパティの窮状を見て自殺の幇助を申し出る。一家惨殺事件でパティとデビーを手にかけた真犯人のひとり。

一家の知人たち

トレイ・ティーパノ(演:J・ラローズ)/(青年期演:シャノン・クック)

事件当時のベンの親友でもあり、悪友。悪魔崇拝を掲げる不良然とした人物で、ベンの悪評に通じるひとつの要因となってしまった。しかし、のちにリビーが調査に乗り出した際は率先して当時の話をしてくれるなど、根は比較的常識的であることがうかがえる。

クリッシ・ケイツ(演:ドレア・ド・マッテオ)/(青年期演:アディ・ミラー)

事件当時に近隣住民だった少女。当時ベンに淡い恋心を抱いていたが、相手にされなかったことを恨みに思い、ベンが少女暴行事件の犯人であるという根も葉もない噂をばら撒いた張本人。大人になってからはストリップなどで生計を立てている。

『ダーク・プレイス』の用語

一家惨殺事件

1985年にカンザスで発生した、物語の軸となる事件。リビーの母と2人の姉が自宅で殺害されるという被害に遭った。素行不良が取りざたされていた長男のベンが容疑者として逮捕されたが、支援団体が真相解明のために動いている。

『ダーク・プレイス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

予想不可能な結末

冤罪で逮捕された兄のベン(画像手前)と、唯一の生き証人となった妹のリビー(画像奥)

主人公のリビーは幼い頃、家族が愛する兄によって殺された事件の、たった一人の生存者として保護された。28年後、大人になった彼女は、謝礼目当てで請け負った殺人クラブのセミナーへと出席したことがきっかけで事件と向き合うようになっていく。
28年前、実の兄を犯人と決定付けたのはリビー自身の証言だったこともあり、彼女はそれまで疑いもしなかった真実へ目を向けていくことになる。物語の中には多くの謎が隠されており、幼いリビーの証言の真意、罪をあっさり認めたリビーの兄、行方不明の父の行方や、事件の夜に母がつぶやいた一言など、多くの謎が映画の中で少しずつ紐解かれていく。思いもよらぬ物語の展開に、結末の予想は全くできない。こうして二転三転した末にたどり着いたのは、不条理ながらも家族の愛にあふれた結末だった。母と兄に守られていたことを知ったリビーは、忌まわしい過去と決別して自分の人生を生きていくことを決意する。
練り込まれた予測不可能な展開とベンの不器用な優しさには、多くのミステリーファンが賛辞を送っている。

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