ドリフターズの第1巻カバー裏に潜む「漂流物&廃棄物候補」

2009年に少年画報社の「月刊ヤングキングアワーズ」にて連載開始された漫画『ドリフターズ』。作者は平野耕太。
2016年にはアニメ化も決定しており、2巻は発売初週に15万3,053冊を売り上げ、オリコンランキングで1位を獲得をした人気作品です。
そんな本作の単行本カバー裏にある、平野耕太氏による「漂流物&廃棄物候補」という漫画に登場するかもしれない歴史上の人物について詳細に紹介したいと思います。

ドリフターズという作品

『ドリフターズ』(DRIFTERS)は、平野耕太による日本の漫画作品。少年画報社の月刊漫画雑誌『ヤングキングアワーズ』2009年6月号(4月30日発売)で連載開始。
日本のサムライ、古代の戦術家、西部開拓時代のガンマン、第二次世界大戦時の軍人など古今東西の英雄が、中世ファンタジー風の異世界に召喚されるアクション系歴史ファンタジー作品。

西暦1600年、関ヶ原の戦いの最中、謎の存在『紫』の手により島津の退き口から、エルフやオークのいる異世界に召喚された島津豊久は、同様に流れ付いた織田信長や那須与一と出会う。その地で「漂流者(ドリフターズ)」と呼ばれる豊久らは、成り行きと武士としての本能から、人間が支配するオルテ帝国に虐げられるエルフの村を解放、その勢いのまま「国奪り」を開始する。
一方、北方の地では『EASY』の送り込む召喚者達「廃棄物(エンズ)」が黒王を頂点とし、亜人の軍勢をもって人類を絶滅させるべく進軍を開始していた。安倍晴明率いる、魔導結社「十月機関(オクト)」は漂流者を集め黒王軍に対抗すべく、豊久達にも協力を要請するが、信長は「漂流者による国奪り」こそが唯一の方法であると説く。黒王の命を受けた廃棄物ジャンヌとジルドレの襲撃を退けた豊久達は、休む間もなくドワーフ族を解放する。
オルテの大貴族にして、漂流者であったサンジェルミ伯は、自らが創り上げた帝国の先行きを見限り、国を豊久達に明け渡すことを決意する。当初は無血クーデターを目論んでいたサンジェルミ達だったが、同じく帝国の乗っ奪りを企てていた廃棄物ラスプーチンと土方歳三を相手に、激しい市街戦となってしまう。結果として首都陥落・帝国指導部の解体という当初の目的は達したものの、大きな傷跡も残されてしまった。
グ=ビンネン通商ギルド連合に身を寄せ、重用されながらも微妙な立場にある山口多聞。亜人を率いて帝国方面軍に抵抗する、菅野直とスキピオ。十月機関と行動しているワイルドバンチ強盗団。各地に散る漂流者と、世界の命運は混乱の一途を辿る。

出典: ja.wikipedia.org

平野耕太氏の漂流物&廃棄物候補のコーナー

本作の単行本のカバー下の裏表紙には、作者の平野耕太氏の頭の中に存在する、今後作品に出すかもしれないし、出ないかもしれないといった歴史上の人物を紹介しています。

ja.wikipedia.org

ナチスドイツの有名なちょび髭、アドルフ・ヒトラー。
●前のマンガとかぶる。反吐が出る程かきすぎた。
平野耕太氏の前作の『HELLSING』の中盤以降に敵として出ていたり、外伝の『THE DAWN』にも出てくる上に、全く関係ないゲーム雑誌の「ゲーマガ」で連載された『以下略』等でもネタで度々出てきます。
●能力は絵ハガキ用のイラストを描く能力あとヒステリー
若かりし頃絵葉書で生計を立てていた事やヒトラー自身が「自分は政治家ではなく芸術家である。」と表現していました。しかし、ウィーン美術アカデミーを再三失敗していたり、ヒトラーが推進した絵画や彫刻の殆どは名が残らなかったり、先進的でもなく古典美術的にも洗礼されていたとは言えず、凡庸で独創性がなく俗世的な絵ばかり描いていました。
またヒステリーに関しても第一次大戦の頃、毒ガスに動揺しヒステリーを起こし精神病院に入院したり、母親がガン、父が脳卒中で亡くなる等で家系的な病気に対しても神経質な程、気を遣っており不安障害を起こしたり、不眠症の為夜遅くまで度々側近達とパーティを開いたりなど、精神面は極めて不安定なものでした。
●演説も時々うまい
彼を独裁者へ持ち上げた演説は、若かりし頃からある癖で、その過激でアドリブのような計算され尽くされた演説は現在においても少なからず評価をされている。「私にとって演説は運動だ」と医者に言ったと言われており、事実演説後には体重が数kg落ちていたといった逸話もありました。しかし、実際は戦争が始まると彼の演説は民衆に飽きられており、聴衆の居ない会場で演説する事もしばしばあったと言われています。
●野菜好きの草食系総統
これも前述の個人の健康問題を気にした結果と言われており、ゾウやサル、日本の関取等を例えに出し菜食主義の優位性を主張したり、また晩餐会で並べられた肉料理に飛び退いてみせたり、ウクライナでみた屠殺場の様子を生々しく物語仕立てに語り晩餐会の客や部下に嫌がらせをするなど、自分の主張を押し付けようとしたと言われています。

2巻の一部抜粋
あれ?なんかこのちょび髭どっかで見たこと…?

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平安のモビルスーツ、源氏のガンダム。陳西八郎こと源為朝。
●協調性ゼロ
傍若無人、親兄弟関係なしな上に当時権力争いをしていた崇徳上皇から「宥めの為に蔵人に任じる」との話を為朝は「もとの鎮西八郎でけっこう」と跳ね付ける等中々に空気が読めない武人でした。
●超バランスブレイカー・FFTのオルランドゥクラス・ジャパニーズ呂布
陳西八郎の事を語ると殆どがこの話になる。身長2m10cmで左腕が右腕より4cm長く強弓の使い手、余りにも勇猛で手がつけられず、13歳で父・為義によって九州に追放されるが、3年で九州の並居る豪族を平定してしまいます。その後、崇徳上皇と後白河天皇の勢力争い(保元の乱)が勃発すると八郎と父は崇徳上皇側に、兄・義朝は後白河について戦ったのだが、八郎が使った弓は5人張りという大人が5人でなんとか張る常人には扱いきれない強弓を扱っていたり、1本の矢で敵将2人を鎧ごと貫通したり、そんな常人には扱えない弓を使って兄・義朝の兜の星を撃ち落としたり、更には手勢28騎で200騎と戦い23騎を失うが倍以上の53騎を討ち倒していたりなど現実離れしています。
●弓で大舟を撃沈する
こちらも上記の続きの様な話で、保元の乱で敗れ捕まった八郎は二度と弓を引けないように肘を外し伊豆に流刑になるのだが、時が経ち傷が癒えると5人張りは持てなくなったが3人張の弓は持てるようになり腕がさらに伸び精度が上がり、伊豆七島をまた平定した。あまりの暴虐ぶりに伊豆のもともとの領主が耐えかね、中央から討伐軍500余騎がやってくるのだが、為朝は覚悟を決め自害する前に一矢報いようと沖の大船に矢を放つと見事命中し、300余騎と共に沈んだと言われています。

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ミスター辛辣。辞典で人を殺すジャーナリスト。アンブローズ・ビアス。
●宇宙一イヤミなおっさん
これに関しては著書の「悪魔の辞典」を読むと分かるのだが、辛辣な名言が多数記載されており、一度は目を通しておく事をオススメしたい程(高二病的な話)。
例としては「謝罪する、動詞:将来の攻撃のために布石する。」や「キャベツ、名詞:畑でとれるおなじみの野菜。大きさも賢さも人間の頭と同じぐらいである。」等がある。
●特技いやがらせ
これも上記に似たような話だが、アメリカのとある鉄道会社2社が大陸横断鉄道の敷設に際して、政府からの融資金7500万ドルを貸し付けられていたのだが、鉄道会社の社長はその負債を免除にする法律を政府に働きかけ成立させようとしていた。そんな時、当時ジャナーリストとして名前を馳せていたアンブローズ・ビアスが訪れた事により、民衆が知らぬうちに法律を成立させようしていた社長は怒り、ビアスに「いくら欲しいのかね?」と詰った。その時のビアスの返答は「7500万ドルで手を打とう。支払う準備ができたときに、もし私がこの街にいなかったら、私の友人に渡してもらってかまわない。私の友人、つまり合衆国出納局にだ。」だった。
この返答は全米の新聞に掲載され、民衆に法律が知られる結果となったのでした。
●どうくつ大好き
71歳になったビアスは、若かりし頃関わった南北戦争の旧戦場をめぐる旅に出て、消息を絶っている。度々の搜索でも足取りが掴めないことから、行き止まりの洞窟に入って二度と出て来なかった・戦場で横死した・チワワ州で銃殺刑に処された・そもそもメキシコに行ったという確かな証拠はない等の推測論が起こった為にこの様な話が出ています。

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冒険家でピアノ調律師で起業家で多額負債者で平成最大のお騒がせ一般人。鈴木 嘉和。
ヤマハの契約社員でピアノ調律師を経て、起業家に転身。しかし次々と失敗し5億円の借金を抱えた為、20数個の風船にカゴを括りつけたファンタジー号による太平洋横断で返済するとよく分からない事を債権者に語ったと言われる。
多摩川河川敷からの飛行による失敗などを経て1992年11月に琵琶湖湖畔からアメリカを目指し飛び立ったまま、2日後に消息を絶ちました。
結局のところ、5億の借金は返済出来なかったり、それを遺族が払う形になったり、多摩川河川敷の失敗の際には民家の瓦を壊し、もちろん謝罪も弁償もしていなかったり、ビートたけしに風船おじさんに国民栄誉賞を授与すべきだと言わしめたり、舞台化していたりと、平成初のお騒がせおじさんなのであります。

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