『ハーメルンのバイオリン弾き』キャラを、元ネタの楽器とこじつけてみた
初期の『少年ガンガン』の看板作品の一つであり、今なお著者、渡辺道明先生のサイトにて続編が連載中の、『ハーメルンのバイオリン弾き』。キャラ名が主に楽器からとられていますが、その元ネタとこじつけてみようと思います。生暖かい目で見られようと、行ってみます!
まず、タイトル
童話『ハーメルンの笛吹き』ですね。ネズミにより甚大な被害をこうむる町。そこに、ふらりとあらわれたのが笛吹き男。彼は「袋一杯の金貨」という条件の元ネズミ退治を買って出ます。見事な笛の演奏で、ネズミを川に誘導して退治に成功しますが、町長も大人たちも報酬を渋ります。で、笛吹き男がした「復讐」がエグくて怖い。笛の音で子供たちを先導し、どこかへ連れ去ってしまうのでした…。
ネズミ(魔族)、町の人々(人間)、笛吹き男(ハーメル)と考えると何か納得です。
ハーメル
楽器ではなく「ハーメルン」という地名ですね。
魔族の主たる大魔王の息子で、その血に苦しみます。彼を笛吹き男と同一視するのは、
・(いろいろな意味で)人を操る曲を奏でる。
・厄介な存在(ネズミ、魔族)と戦う。
・要求した報酬を払ってもらえない。
といった点からです。もっとも、最後の場合意味が逆なんですが。笛吹き男は事前に報酬の約束をしていましたが、ハーメルは倒した後に「払えるか!」というような額を要求してるわけですし。
そんなハーメルの武器が巨大バイオリン。チェロかコントラバスのごとく巨大です。外見上、普通のバイオリンよりも迫力があるから、という理由だけで巨大にしたのではなく、「特殊な力がある」ことを分かりやすくしたんでしょうが、初期のハーメルのツンデレ具合も含め、外道勇者をしているのも何だか虚勢に思えます。
オーボウ
元は魔族側で、妖鳳王という立場にいました。色々あって今はカラスの姿をしていますが、本来はダンディなおじさまなんですよ。
低くて渋みのある音で有名ですね。外見も黒くて威風堂々としています。オーボウは年寄りじみた話し方をするものの、ハーメル一行の知恵袋的な存在で、頼れるキャラクターです。ひどい目にはあってますが。黒いからカラスになったのか分かりませんが、オーボエの音色を擬人化するとこうなった、という所でしょうか。鳥ですけども。
フルート
ヒロインです。
彼女は「スフォルツェンド(これも音楽用語から来ているようですが)」という国の王女で、王位継承者。このことが分かるのは第一部の中盤辺りですが、問題は地位ではなく、その能力にあります。それは「癒しの能力」。楽器のフルートと言えばオーケストラでも使われる横笛で、優しい音色が特徴。何か鳥のさえずりさえ彷彿とさせます。元々優しい性格の子ですし、フルートという名前の響きや音色にピッタリだと思うのです。
管楽器の中でも、材質のバリエーションが豊富。プラチナ製のものもある。
出典: ja.wikipedia.org
作中でのフルートの扱い(ハーメルにいいように使われることもある)や、役割を考えると何か納得です。時には姉のように、母のように、そして時には(十分ではないものの)ストッパーとして機能しているのが。
ライエル
ハーメルの幼なじみで、親友、そして仲間。しかし少年時代、「血の暴走」で両親を惨殺された過去があります。それを乗り越えての友情はいいんですが、今や格好のいじり相手…。